本と翻訳と社会学と日経225先物

世界のマーケットとそのほかの個人的趣味

【マーケット記録】2023/10/10(火) 最終版

【総まとめ】

  • ドルがユーロに対して上昇、中東の緊張が背景

  • イスラエルの通貨シェケルは約2.9%安、中央銀行が外貨売却を発表

  • ロンドン株式市場は原油価格の上昇により石油関連株が上昇

  • 欧州株式市場は中東の軍事衝突による安全資産への逃避で下落

  • ユーロ域内の国債利回りは下落、中東の衝突による安全資産への逃避が背景

  • 米国株続伸、ダウ平均33,604.65ドル、ナスダック13,484.24で取引終了

  • 金利高懸念後退で買い戻し、エネルギー・防衛関連銘柄が上昇

  • FRBのジェファーソン副議長発言後、金融引き締め懸念和らぎ、株価上昇

  • 米ダラス連銀ローガン総裁、利下げ検討は時期尚早と指摘

  • NY外為、ドル・円148円52銭、ユーロ・ドル1.0566ドル、リスク回避で円強化

  • NYMEXのWTI先物11月限、前日比+3.59ドルの86.38ドル、中東情勢悪化で供給不安増

  • 日経225先物12月限は250円高の3万1270円で夜間取引終了

  • 10日の日経平均、今年最大の上げ幅751.86円高の31746.53円で5営業日ぶりに31500円台突破

  • 前日の米国市場上昇と長期金利低下で投資家心理改善、中東地政学リスク冷静に受け止め

  • 東証プライム、値上がり銘柄が9割近く、鉱業、海運、石油石炭、卸売が際立つ上昇

  • 9日米国市場、利上げ長期化懸念後退で主要指数上昇、東京市場も追随し幅広い銘柄が上昇

  • 米金融当局のハト派見方と利上げサイクルの終着点近いとの見方から株価の転換点迎える可能性

  • 投資家の関心が金利から企業業績へ移行、業績大幅改善で買い戻しの弾みも想定

  • 日経225先物12月限は前週末清算値比710円高の3万1730円で日中取引終了。この日の日経平均株価の現物終値3万1746.53円に対しては16.53円安


【チャート】

◆直近2営業日の値動き=15分足チャート(日経225先物ミニ12月限)

日経225先物ミニ12月限15分足チャート2023/10/06(金)16:30~2023/10/10(火)15:15


◆過去6ヵ月の値動き=日足チャート(日経225先物ミニ12月限)

日経225先物ミニ12月限日足チャート2023/04/11[半年前]16:30~2023/10/10(火)15:15


【経済イベント指標】

◆2023/10/09(月)の経済指標結果


◆2023/10/10(火)の経済イベント予定


【今週の展望】

◆日経225先物(週間展望・株探ニュース)=米CPIなど今週も米国睨みの相場展開

2023/10/09(月)17:00

要約(ChatGPT併用)

  • 日経225先物の相場展開は米国市場の動きに影響されている

  • 米雇用統計は予想を上回り、米市場の株価指数が一時上昇し、日経225先物も反応

  • イスラム組織ハマスによるイスラエル攻撃とイスラエル軍の報復作戦でNY原油先物は4%を超える急伸

  • 東京市場では、米市場の上昇を受けて始まりそうだが、地政学リスクや原油相場の上昇が背景に

  • 日経225先物の動きはテクニカル面でのボリンジャーバンドの動きを意識

  • 今週は米FOMC議事要旨の発表や米の主要経済指標が予定され、市場の変動要因となる

  • 米の大手銀行や日本の主要企業の決算発表も予定されており、市場の変動要因となる

  • VIX指数は低下しているが、インフレ関連の指標発表を受けての動きに注目

  • 米商務省が中国の企業・団体を禁輸対象にするとの報道を受け、ハイテクセクターに慎重姿勢

  • 投資部門別の売買動向によると、海外投資家は売り越し、個人と信託銀行は買い越しの動き

本文ここから

 今週の日経225先物は、引き続き米国を睨んでの相場展開を余儀なくされそうだ。注目されていた9月の米雇用統計は非農業部門雇用者数が前月比33万6000人増加し、予想を大幅に上回ったことを受けて、6日の米国市場では売りが先行した。ただし、平均時給の前月比の伸び率が予想を下回ったほか、その後、米長期金利が低下に転じたこともあり、雇用統計を警戒した先回りの売りに対して買い戻しが入り、主要な株価指数は上昇に転じた。
 6日の米国市場の上昇により、日経225先物のナイトセッションは日中比310円高の3万1330円だった。米雇用統計の結果を受けて3万860円まで売られる場面も見られたが、終盤にかけてリバウンドを強めており、一時3万1390円まで買われた。シカゴ日経平均先物は大阪比310円高の3万1330円で終えている。
 連休明けの東京市場は、6日の米国市場の上昇を受けて買いが先行しそうだ。しかし、日経225先物は祝日取引で売りが先行し、3万960円まで軟化する場面も見られている(本稿執筆時点)。短期的な売買が中心で持ち直しの動きもありそうだが、イスラム組織ハマスによるイスラエル攻撃とイスラエル軍の報復作戦により、NY原油先物相場は4%を超える急伸を見せており、地政学リスクの影響が警戒される。
 日経225先物はナイトセッションで一時3万1390円まで買われ、テクニカル面ではボリンジャーバンドの-1σ(3万1450円辺り)に接近した後に、3万1000円を挟んで推移している。先週末の上昇で-2σ(3万710円辺り)を上回ったものの、引き続き下向きで推移する-1σと-2σのレンジ内での推移が意識されやすい。そのため、オプション権利行使価格の3万1000円を中心とした3万750円から3万1500円処での推移を想定しておきた。
 また、今週は11日に米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨の発表が予定されている。米雇用統計の結果を受けてFOMCは年内の再利上げに傾く可能性が高いとみられるが、議事要旨の内容次第では一段と利上げ観測が高まると考えられ、米国市場の変動要因になりそうだ。そのほか、米経済指標では11日に9月卸売物価指数(PPI)、12日に9月消費者物価指数(CPI)、13日には10月ミシガン大学消費者態度指数の発表が予定されている。これらの結果が相場の変動要因にもなると考えられ、積極的にポジションを傾ける動きは限られそうだ。
 さらに、米国ではJPモルガン・チェース、シティグループなど金融株の決算発表が予定されているほか、国内でJ.フロント リテイリング <3086> [東証P]、ファーストリテイリング <9983> [東証P]などの決算発表も予定されている。指数インパクトの大きいファーストリテイリングの決算次第では、日経平均型の変動が大きくなることを意識しておきたい。
 VIX指数は17.45(前日は18.49)に低下した。米雇用統計を受けて一時19.93まで上昇する場面も見られたが、その後の低下により支持線として意識される200日移動平均線水準まで下げてきた。VIX指数上昇を想定したトレードが見られたが、20.00を越えなかったことで、上昇を狙ったポジションは積み上がったままの状態と考えられる。CPIやPPIなどを受けてインフレ警戒が和らぐ局面では、VIX指数が急低下する可能性も考えられ、VIX指数の反応にも注意が必要だ。
 なお、先週末のNT倍率は先物中心限月で13.70倍に低下した。前日には一時13.80倍まで上昇し、13.77倍辺に位置する25日線を上回る場面も見られたが、引き続き下向きで推移する同線に上値を抑えられる形状が続いている。なお、米商務省の産業安全保障局(BIS)は、ロシアに関与した疑いで中国の42の企業・団体を禁輸対象「エンティティーリスト」に掲載すると報じられた。これを受けて、ハイテクセクターに対する慎重姿勢の高まりが警戒される。NT倍率は低下傾向を継続することが予想され、25日線を明確に上放れるまではNTショートでのスプレッド狙いに向かわせよう。
 9月第4週(9月25日- 29日)の投資部門別売買動向によると、海外投資家は現物と先物の合算では2週連続で売り越しており、売り越し額は1兆6370億円(9月第3週は1兆2526億円の売り越し)だった。なお、現物は776億円の売り越し(同9131億円の売り越し)と4週連続の売り越しであり、先物は1兆5594億円の売り越し(同3394億円の売り越し)と2週連続で売り越している。個人は現物と先物の合算で6207億円の買い越しで、2週連続の買い越し。信託銀行は現物と先物の合算で6127億円の買い越しとなり、4週ぶりの買い越しだった。
 経済スケジュールでは、10日に8月国際収支、9月景気ウオッチャー調査、米国8月卸売売上高、IMF世界経済見通し、11日に米国9月卸売物価指数、FOMC議事要旨、12日に9月国内企業物価指、8月機械受注、米国9月消費者物価指数、13日に中国9月貿易収支、中国9月消費者物価指数、中国9月生産者物価指数、米国10月ミシガン大学消費者態度指数などの発表が予定されている。

――プレイバック・マーケット――

●SQ値
10月限 日経225 26666.31  TOPIX  1885.58
11月限 日経225 28225.86  TOPIX  1978.52
12月限 日経225 27576.37  TOPIX  1945.27
01月限 日経225 26325.21  TOPIX  1900.71
02月限 日経225 27779.75  TOPIX  1986.19
03月限 日経225 28377.34  TOPIX  2047.32
04月限 日経225 28519.43  TOPIX  2019.76
05月限 日経225 29235.08  TOPIX  2090.33
06月限 日経225 32018.38  TOPIX  2211.13
07月限 日経225 32484.24  TOPIX  2245.68
08月限 日経225 32013.86  TOPIX  2278.68
09月限 日経225 32921.39  TOPIX  2370.93

◆日経225先物(日足)
         始値   高値   安値   清算値  前日比
23/12 10月06日  30940  31200  30840  31020  ±0
23/12 10月05日  30320  31080  30300  31020  +620
23/12 10月04日  31190  31350  30400  30400  -800
23/12 10月03日  31890  31920  31150  31200  -620
23/12 10月02日  31990  32410  31740  31820  -200

◇TOPIX先物(日足)
         始値   高値   安値   清算値  前日比
23/12 10月06日  2253.5  2278.0  2251.5  2263.0  +3.5
23/12 10月05日  2203.0  2265.5  2203.0  2259.5  +50.0
23/12 10月04日  2274.5  2286.0  2209.5 2209.5  -65.0
23/12 10月03日  2322.0  2326.5  2270.0  2274.5  -44.0
23/12 10月02日  2331.5  2356.5  2313.02318.5  -15.0

●シカゴ日経平均 円建て
          清算値  前日大阪比
10月06日(12月限) 31330  +310
10月05日(12月限) 31030  +10
10月04日(12月限) 30710  +310
10月03日(12月限) 30750  -450
10月02日(12月限) 31610  -210
※前日比は大阪取引所終値比

□裁定取引に係る現物ポジション裁定残(金額)
        売り   前週末比   買い    前週末比
09月29日    274億円  +263億円 1兆2030億円  -2481億円
09月22日     11億円  +11億円 1兆4512億円  -575億円
09月15日     0億円  -39億円 1兆5087億円  +2063億円
09月08日     39億円  -465億円 1兆3023億円  +414億円

□裁定取引に係る現物ポジション(株数)
        売り      前日比  買い       前日比
10月04日    1577万株   +326万株  4億1467万株   -3539万株
10月03日    1250万株   +301万株  4億5006万株   -2111万株
10月02日    949万株    +23万株  4億7118万株   -4445万株
09月29日    925万株   -123万株  5億1563万株   -3678万株
09月28日    1048万株   +540万株  5億5242万株   -6654万株
09月27日    508万株   +473万株  6億1897万株   +3551万株      
09月26日     34万株      0株  5億8345万株   +3518万株
09月25日     34万株      0株  5億4827万株   -2476万株
09月22日     34万株    +34万株  5億7303万株   -1533万株
09月21日      0株      0株  5億8836万株   +474万株
09月20日      0株      0株  5億8362万株   -2494万株
09月19日      0株      0株  6億0856万株   +2851万株

■日本銀行による指数連動型上場投資信託(ETF)買い入れ推移(通常ETF分)
【2022年】
1月14日  701億円
1月25日  701億円
2月14日  701億円
3月07日  701億円
4月07日  701億円
5月19日  701億円
6月13日  701億円
6月17日  701億円
12月2日  701億円
【2023年】
3月13日  701億円
3月14日  701億円
10月4日  701億円


【欧州市況】

◆欧州市場サマリー(09日ロイター)

2023/10/10(火)03:56

要約(ChatGPT併用)

  • ドルがユーロに対して上昇、中東の緊張が背景

  • イスラエルの通貨シェケルは約2.9%安、中央銀行が外貨売却を発表

  • ジェフリーズのベクテル氏は地政学的出来事の市場への影響は短期的と指摘

  • ロンドン株式市場は原油価格の上昇により石油関連株が上昇

  • 欧州株式市場は中東の軍事衝突による安全資産への逃避で下落

  • バノックバーン・グローバル・フォレックスのチャンドラー氏は紛争が広がらなければ、市場は経済ファンダメンタルズに集中

  • ユーロ域内の国債利回りは下落、中東の衝突による安全資産への逃避が背景

  • ジェフリーズのクマール氏は市場が地政学的リスクに左右される可能性指摘

  • イタリアの10年債利回りは下落、先週は2012年以降の高水準

  • ロイターは、ECBが伊国債利回りの上昇を伊財政赤字の拡大と正当化し、PEPPの早期終了の可能性も後退と報じた

本文ここから

<外為市場>
 安全通貨であるドルがユーロに対して上昇した。パレスチナ自治区ガザを実効支配するイスラム組織ハマスによるイスラエルへの大規模攻撃が、ガザ以外にも飛び火するとの懸念が高まった。ただ、ドル指数は下落した。イスラエルのネタニヤフ首相は9日、ハマスの攻撃に対するイスラエルの対応は「中東を変える」と述べた。イスラエルの通貨シェケルは約2.9%安の1ドル=3.9506シェケル。イスラエル中央銀行は9日、最大300億ドルの外貨を市場で売却すると発表。発表前、シェケルは3%以上急落し、1ドル=3.9880シェケルと約8年ぶりの安値を付けた。ジェフリーズのグローバル外為部門責任者、ブラッド・ベクテル氏は「若干のリスク回避の動きだ。全体的なパニックや大規模な売りではなく、市場が事態の推移を見守る中、安全資産にやや向かっている」と指摘。「地政学的な出来事が市場に与える影響は通常、非常に短期的」とした。ドル指数は0.141%安。ユーロ/ドルは0.21%安の1.0564ドルだった。円は1ドル=148.49円と0.57%上昇。東京市場は祝日で休場だった。バノックバーン・グローバル・フォレックスのチーフマーケットストラテジスト、マーク・チャンドラー氏は、紛争がイスラエルとハマス以外に広がらない限り、「再び経済のファンダメンタルズに集中できる」と指摘。「地政学的なイベントが市場を動かすとはまだ確信が持てない」とした。ポンドは対ドルで序盤の下げから切り返し、小幅高の1.224ドル。米ドルはカナダドル、オーストラリアドル、ニュージーランドドルのほか、ノルウェークローネやスウェーデンクローナに対しても下落した。連休明けの人民元は対ドルで底堅く推移。予想を上回った基準値に支援された。オフショア人民元は0.18%安の1ドル=7.2964元。

<ロンドン株式市場>
 ほぼ横ばいで取引を終えた。中東の石油供給への懸念が広がる中、原油価格の上昇を受けて石油大手が上昇した。中型株で構成するFTSE250種指数は0.9%下落した。原油価格が4%近く上昇したことから、上昇石油・ガス株指数は2.6%高となった。航空宇宙・防衛指数は1.9%上昇した。一方、銀行株指数は1.5%下落。指数の上値を抑えた。旅行・娯楽関連株指数も3.0%下落した。原油価格上昇が燃料費を押し上げるとの見通しや、複数の国際航空会社がイスラエル便を運休したことが背景。英航空大手ブリティッシュ・エアウェイズ(BA)の親会社IAG、格安航空会社(LCC)のイージージェット、ウィズエアーは5.9%─6.2%下落した。特殊化学品会社クローダ・インターナショナルは7.3%安。需要低迷などを理由に年間利益見通しを下方修正した。

<欧州株式市場>
 下落して取引を終えた。中東での軍事衝突が債券や金などの安全資産への逃避を促した。STOXX欧州600種は0.3%安。小売と旅行・娯楽が売られた。IGグループのチーフマーケットアナリスト、クリス・ボーチャンプ氏は「少なくとも紛争の範囲がはっきりするまでは、当面はリスクオフムードが優勢になる可能性がある」と述べた。原油先物が3%以上上昇し1バレル=85ドルを超えたことを受け、エネルギーは2.9%上昇した。英航空大手ブリティッシュ・エアウェイズ(BA)などの親会社IAGや仏蘭系航空大手エールフランスKLM、独航空大手ルフトハンザなどの航空株は4─8%安。燃料価格の上昇懸念やテルアビブ便の運航停止を受けた。一方、スウェーデンのサーブ、イタリアのレオナルド、ドイツのラインメタルなど防衛産業大手が4─9%上昇した。中東地域での軍事衝突が長期化するとの見通しが背景。ただ、ウェブルUKのニック・サンダース最高経営責任者(CEO)は航空株、クルーズ株、娯楽株への影響は短期的なものであり、来月ごろには安定化の兆しが見られると予想されるとした。

<ユーロ圏債券>
 域内国債利回りが低下した。パレスチナ自治区ガザを実効支配するイスラム組織ハマスとイスラエルとの衝突を受け、投資家が安全資産に逃避した。指標となるドイツ10年国債利回りは12ベーシスポイント(bp)低下の2.773%。独2年債利回りは9bp低下の3.04%だった。ジェフリーズの欧州担当チーフエコノミスト、モヒト・クマール氏は「今後数日間は、ファンダメンタルズよりも地政学的リスクに左右される可能性が高い」と述べた。米国債市場はコロンブスデーの祝日のため休場だが、米国債に連動する上場投資信託(ETF)は急上昇した。イタリア10年債利回りは4.862%と、6bp低下した。先週は2012年以来の高水準となる5.024%を付けていた。独伊10年債利回り格差は一時209bpと、1月以来最も拡大した。ロイターは9日、関係筋の話として、欧州中央銀行(ECB)の政策当局者は伊国債利回りの急上昇について、伊財政赤字の拡大見通しにより正当化されると考えているが、パンデミック緊急購入プログラム(PEPP)の早期終了が後退する可能性もあると報じた。


【要人発言】

◆主な要人発言(OANDA証券)

2023/10/10(火)05:10

本文ここから

9日08:25 オースティン米国防長官
「イスラエルが要請の追加軍事支援を検討」

9日15:59 カザークス・ラトビア中銀総裁
「今後の利上げ幅は小さなものになる見通し」
「大幅な利上げサイクルは終了している」
「インフレ見通しが2%を下回ってきたら利下げを開始できる」

9日17:14 デギンドス欧州中央銀行(ECB)副総裁
「ユーロ圏の下半期の成長率はゼロに近い見通し」
「インフレは今後低下する見通し」
「欧州中央銀行(ECB)の政策金利は、当分現状の水準で推移する見通し」
「今後の政策金利の決定は、データ次第」
「中東の地政学リスクの不透明感を受けた原油価格がリスク要因」

9日21:07 イエレン米財務長官
「ロシア産原油の取引価格の上限を1バレル60ドルとする措置を強化する」

9日22:04 ローガン米ダラス連銀総裁
「利回り上昇は、利上げの必要性を減らすかもしれない」
「金融環境が引き続き制限されているため、インフレを抑制する必要がある」
「政策金利を設定する際、FRBはここ数カ月で大幅に悪化した金融状況を考慮する必要がある」
「長期金利の上昇が期間プレミアムの上昇によるものであれば、FRBが利上げする必要性は低くなる可能性」
「長期金利上昇の背景に経済の好調がある限り、FR​​Bはさらなる対応が必要になるかもしれない」
「高インフレが最も重要なリスク」
「労働市場は依然として非常に好調で、賃金も依然として堅調」
「生産と支出は驚くほど好調だが、消費者の見通しはまちまち」

9日23:32 ネタニヤフ・イスラエル首相
「ガザで地上作戦を開始する以外に選択肢はない」

10日02:33 ジェファーソン米連邦準備理事会(FRB)副議長
「利回り上昇の引き締めへの影響に留意」
「リスクバランスが改善する中、FRBは慎重に進むことが可能」
「最近のインフレデータは励みになるが、依然として高すぎる」

※時間は日本時間


【日経先物ナイトセッション】

◆日経225先物夜間取引クロージング:10日夜間取引終値=250円高の3万1270円で終了了

2023/10/10(火)06:03

本文ここから

日経225先物12月限は250円高の3万1270円で夜間取引を終了した。


【主要ニュース】

◆今朝の主要ニュース(10日ブルームバーグ)

2023/10/10(火)06:00

要約(ChatGPT併用)

  • ハマスとイスラエルの戦闘が続き、1100人以上が死亡

  • イスラエルは予備役30万人を招集予定

  • イランはハマスの攻撃を事前に知っていた可能性が指摘されているが、イランは関与を否定

  • 中東の緊迫化により原油価格が上昇し、円や金が買われる

  • 防衛関連企業の株が堅調、一方でイスラエル関連のテクノロジー企業株が下落

  • 米の金融当局者らは長期債利回りの急上昇についての見解を示す

  • ゴールドマン・サックスのエコノミストは米国の金利上昇によるGDPの押し下げを指摘、しかしリセッションの予想はしていない

  • 中国の銅商社大手、西安邁科の会長が行方不明になり、警察の拘束が疑われる

本文ここから

イラン関与か
ハマスとイスラエルの戦闘は9日で3日目に入った。イスラエルは30万人の予備役を招集する計画。ハマスはイスラエル南部で戦闘を継続し、ロケット弾を発射している。これまでに双方合わせて1100人余りが死亡した。イスラエルのデルメル戦略問題相はブルームバーグテレビジョンのインタビューで、イランはハマスの攻撃を事前に知っていた可能性があるとの見解を示した。同氏はイランが「知っていた可能性を示す一定の証拠がある。この証拠の検証に取り組んでいるところだ」と述べた。イランは関与を否定している。

市場への影響
中東情勢の緊迫化で原油相場は大幅上昇。また質への逃避から円や金が買われた。株式市場では防衛関連企業が堅調。英BAEシステムズが4.5%、米ロッキード・マーチンが8.9%高となった。一方、半導メーカーやソフトウエア企業など、イスラエルと関係のある企業の株価が世界的に下落。インテルがイスラエルで計画している新工場建設への影響などが懸念されている。

長期金利を注視
米ダラス連銀のローガン総裁は、最近の長期債利回り急上昇について、金融当局による追加利上げの必要性を減らす可能性があるとの認識を示した。ただ、「長期金利上昇の背後に経済の強さがある限り」、追加の引き締めを行う必要性が出てくる可能性があるとも語った。米連邦準備制度理事会(FRB)のジェファーソン副議長はインフレ率が依然高過ぎるとした上で、国債利回り上昇が景気を一段と抑制する可能性があり、注視していると述べた。

景気後退には至らず
ゴールドマン・サックス・グループのエコノミストは、ここ数週間に米国債利回りが高水準に急上昇したことで経済成長が鈍化し、金融リスクが高まるとの見方を示したが、リセッション(景気後退)は予想していない。デービッド・メリクル氏らエコノミストは8日付の顧客向けリポートで、金利上昇が今後1年間の国内総生産(GDP)を0.5ポイント程度押し下げると試算。有意なことだが昨年の金融引き締めによる影響よりは小さく、「リセッションに陥らせるには小さ過ぎる」と記述した。

またも行方不明
中国でまたも経済界の大物が行方不明になっている。銅商社大手、西安邁科金属国際集団の創業者で会長の何金碧氏は同社幹部と連絡が取れなくなっていると、関係者が明らかにした。幹部らは同氏が取り調べのため警察に拘束されたと考えている。関係者は拘束の理由については触れなかった。同氏は西安邁科を中国最大の精錬銅輸入会社に育て上げたが、昨年の流動性危機で資金繰りに窮し、債権者による訴訟の標的となっていた。

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ノーベル経済学賞にゴールディン氏、男女の賃金格差要因を研究

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中国大型連休の旅行と支出、予想下回る-追加景気対策の必要性示唆

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◆オーバーナイト・ヘッドライン一覧(10日ロイター)

2023/10/10(火)06:26

本文ここから

  • 中南米金融市場=域内通貨・株上昇、原油高を受け 
  • ハマスの残虐行為、ISに酷似=イスラエル首相 
  • カタール、女性子どもの拘束者解放でハマス幹部と協議 米と連携
  • 習主席「中米は関係改善へ協力すべき」、米上院民主トップと会談
  • ノーベル経済学賞に男女格差研究のゴールディン氏、女性で3人目
  • ロシア、米国の「破壊的」対応を非難 イスラエル巡り
  • 米債ETF・金上昇、ハマスとイスラエルの大規模衝突で安全逃避
  • 米国人9人が死亡、ハマスとイスラエルの大規模衝突で=国務省
  • ユーロ圏金融・債券市場=利回り低下、中東情勢受け 
  • 中国、フィリピンの南シナ海での「挑発行為」に警告 
  • テルアビブ便、9日は3割超が運休 航空会社株は急落 
  • EXCLUSIVE-伊債利回り急上昇、PEPP縮小巡る議論後退も=関係筋
  • ロンドン株式市場=石油大手が急伸、中東情勢緊迫で 指数は横ばい
  • 欧州株式市場=下落、中東での軍事衝突で安全資産に逃避
  • BUZZ-南アランド下落、中東の軍事衝突でリスク回避に 
  • 米金融情勢引き締まりで追加利上げの必要性低下=ダラス連銀総裁
  • 欧州外為市場=ドルが対ユーロで上昇、中東情勢巡る懸念で
  • 欧州市場サマリー(9日) 
  • 雇用拡大は好ましい、インフレ2%達成と整合的なら=FRB副議長
  • 訂正-イスラエルの攻撃でヒズボラ3人死亡、戦線がレバノン国境にも拡大(4人は誤り)
  • 原油先物急騰、中東紛争が供給逼迫に拍車との懸念 
  • 米国株式市場=続伸、中東情勢受けエネルギー関連株が上昇
  • シカゴ日経平均先物(9日) 
  • 欧州外為市場=ドルが対ユーロで上昇、中東情勢巡る懸念で
  • 米金融・債券市場=コロンブスデーのため休場 
  • NY外為市場=コロンブスデーのため休信 
  • イスラエルによるガザ完全包囲は「非常に遺憾」=国連事務総長

◆TOP_NEWS_海外主要ニュース一覧(10日ロイター)

2023/10/10(火)06:19

本文ここから

●訂正-UPDATE1-イスラエルの攻撃でヒズボラ3人死亡、戦線がレバノン国境にも拡大(4人は誤り)
レバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラは9日、イスラエル軍によるレバノンへの砲撃で少なくともメンバー3人(訂正)が死亡したと発表した。また、イスラエル北部に向けてロケット弾を発射したことを明らかにした。

●米金融情勢引き締まりで追加利上げの必要性低下=ダラス連銀総裁
米ダラス地区連銀のローガン総裁は9日、最近の米長期債利回りの上昇と金融情勢の引き締まりは急速ではあるが、「秩序だった」ものであり、連邦準備理事会(FRB)による追加利上げの必要性を低下させる可能性があると述べた。

●雇用拡大は好ましい、インフレ2%達成と整合的なら=FRB副議長
米連邦準備理事会(FRB)のジェファーソン副議長は9日、需要の鎮静化と労働供給の改善を背景にした雇用の拡大は「良いこと」であり、耐性のある労働市場が予想以上に個人消費の好調さにつながっていると述べた。

●米国人9人が死亡、ハマスとイスラエルの大規模衝突で=国務省
米国務省のマシュー・ミラー報道官は9日、パレスチナ自治区ガザを実効支配するイスラム組織ハマスが7日に行ったイスラエルへの大規模攻撃により、イスラエルで米国人9人が死亡し、他の米国人も行方不明になっていると発表した。

●米債ETF・金上昇、ハマスとイスラエルの大規模衝突で安全逃避
9日の市場では、米国債に連動する上場投資信託(ETF)や金、米ドル、円が上昇した。パレスチナ自治区ガザを実効支配するイスラム組織ハマスとイスラエルとの衝突が激化するとの懸念を受け、安全資産への需要が高まった。

●イスラエルによるガザ完全包囲は「非常に遺憾」=国連事務総長
国連のグテレス事務総長は9日、パレスチナ自治区ガザを実効支配するイスラム組織ハマスが行ったイスラエルへの大規模攻撃を受け、イスラエルがガザ地区の完全包囲を開始すると発表したことを「非常に遺憾に思う」と述べた。

●テルアビブ便、9日は3割超が運休 航空会社株は急落
パレスチナ自治区ガザを実効支配するイスラム組織ハマスによるイスラエルへの攻撃を受け、大手国際航空各社がテルアビブ便の運航を一斉に停止した。

●伊債利回り急上昇、PEPP縮小巡る議論後退も=関係筋
欧州中央銀行(ECB)政策当局者は、イタリア債利回りの急上昇についてはイタリア政府の財政赤字拡大見通しによって正当化されると考えているが、パンデミック緊急購入プログラム(PEPP)の早期終了を巡る議論を後退させるサインとみている。複数の関係者が匿名で述べた。

●中国、フィリピンの南シナ海での「挑発行為」に警告
中国外務省は9日、フィリピンによる南シナ海のセカンド・トーマス礁(フィリピン名アユンギン礁、中国名仁愛礁)でのさらなる「挑発行為」は中国の領土主権を侵害し、国際法に違反し、地域の平和と安定を乱すと警告した。

●ノーベル経済学賞に男女格差研究のゴールディン氏、女性で3人目
スウェーデン王立科学アカデミーは9日、今年のノーベル経済学賞を米ハーバード大のクラウディア・ゴールディン教授に授与すると発表した。賃金などの男女格差に関する研究を評価した。


【米国市場】

◆NY株式市場クローズ(09日)

2023/10/10(火)06:50


◆NY市場サマリー(09日ロイター)=エネルギー関連など株続伸、為替・債券は休場

2023/10/10(火)06:45

要約(ChatGPT併用)

  • ハマスとイスラエルの3日間の衝突中、米株はエネルギーと防衛関連株で続伸

  • イスラエル関連のETF、アイシェアーズMSCIイスラエルとアーク・イスラエル・イノバティブが7%超下落

  • 米国VIX指数、投資家の不安心理の指標が17.70に上昇

  • 金は地政学的リスク増から1オンス=1864.30ドルで続伸

  • 米国産WTI原油先物は1バレル=86.38ドルで、中東のリスク背景で大幅上昇

  • 前週の8%超の原油下落がハマスの攻撃で一転、86ドル台で上値が重い展開

本文ここから

<為替>
 コロンブスデーのため休場。

<債券>
 コロンブスデーのため休場。

<株式>  米国株式市場は続伸して取引を終えた。投資家がパレスチナ自治区ガザを実効支配するイスラム組織ハマスとイスラエルとの衝突に関する報道に注目する中、エネルギー関連株が上昇した。イスラエル軍は9日、ハマスとの大規模戦闘に向け、過去最高となる30万人の予備役を招集したとし、ガザを「完全包囲」すると表明。ガザへの地上作戦を計画していることを示唆した。中東情勢の緊迫で原油先物が供給を巡る懸念から急騰したが、株価指数は米連邦準備理事会(FRB)当局者からよりハト派的な発言が出たことを受け、序盤の安値から切り返した。ハンティントン・ナショナル・バンクのジョン・オーガスティン最高投資責任者は「株式市場は経済と企業業績に注目している。米経済は減速しておらず、今週発表が始まる企業決算は後退から脱却する見通しだ」と指摘。市場ではこうしたファンダメンタルズ(基礎的条件)の方が地政学的なニュースより強力だと述べた。FRB当局者は9日、最近の米長期債利回り上昇がFRBによる追加利上げの必要性を低下させる可能性があるとの見方を示唆した。原油高を受けてエネルギー株は3.5%上昇。S&P500の主要11セクターで上昇率トップとなった。ユナイテッド航空、デルタ航空、アメリカン航空はいずれも4%超下落。原油高に加え、テルアビブ便の運航を停止したことが重しとなった。防衛関連株は買われ、宇宙航空・防衛指数は5.6%高で終了。ノースロップ・グラマンが11.4%、L3ハリス・テクノロジーズが約9.96%、それぞれ急伸した。イスラエルにエクスポージャーがある上場投資信託(ETF)は売り込まれ、アイシェアーズMSCIイスラエルETFとアーク・イスラエル・イノバティブ・テクノロジーETFがともに7%超下落した。ニューヨーク証券取引所では値上がり銘柄数が値下がり銘柄数を2.19対1の比率で上回った。ナスダックでは1.03対1で値下がり銘柄が多かった。米取引所の合算出来高は87億1000万株。直近20営業日の平均は106億8000万株。米株投資家の不安心理の度合いを示すVIX指数は一時19.6に上昇した後、17.70で取引を終えた。

<金先物>
 パレスチナのイスラム組織ハマスによるイスラエル攻撃を受け、安全資産とされる金に買いが集まり、続伸した。中心限月12月物の清算値(終値に相当)は、前週末比19.10ドル(1.04%)高の1オンス=1864.30ドル。中東の地政学的リスクがさらに悪化することへの懸念が強まり、終日高値圏での取引となった。

<米原油先物>
 ハマスによるイスラエル攻撃を受けた地政学的リスクの高まりを背景に、大幅続伸した。米国産標準油種WTIの中心限月11月物は前週末清算値(終値に相当)比3.59ドル(4.34%)高の1バレル=86.38ドルだった。12月物は3.32ドル高の84.60ドル。産油国が集まる中東情勢の緊迫化でエネルギー供給に影響が及ぶ可能性に懸念が広がり、原油が買い進まれた。原油は前週中に8%超下げていたが、ハマスのイスラエル攻撃で地合いが一転した。一方、9日はコロンブスデーに伴い、外国為替市場などの一部金融市場が休場。週内に発表される9月19─20日開催分の米連邦公開市場委員会(FOMC)や米消費者物価指数(CPI)の発表などを前に86ドル台では上値が重かった。


◆09日の米国市場ダイジェスト=NYダウは197ドル高、年内の追加利上げ観測後退

2023/10/10(火)07:53

要約(ChatGPT併用)

  • 米国株続伸、ダウ平均33,604.65ドル、ナスダック13,484.24で取引終了

  • 金利高懸念後退で買い戻し、エネルギー・防衛関連銘柄が上昇

  • ウォルト・ディズニー、物言う投資家ぺルツ氏が保有増で上昇

  • オラクル、アナリスト評価で上昇、防衛やエネルギー銘柄も中東リスクで上昇

  • 航空銘柄、イスラエル戦闘の影響で売り圧力

  • ローガン総裁、利下げに関して時期尚早との見解

  • NY外為、ドル・円148円52銭、ユーロ・ドル1.0566ドル、リスク回避で円強化

  • NYMEXのWTI先物11月限、前日比+3.59ドルの86.38ドル、中東情勢悪化で供給不安増

本文ここから

NY株式9日(NY時間16:20)
ダウ平均   33604.65(+197.07 +0.59%)
S&P500    4335.66(+27.16 +0.63%)
ナスダック   13484.24(+52.90 +0.39%)
CME日経平均先物 31305(大証終比:+285 +0.91%)

■NY株式:NYダウは197ドル高、年内の追加利上げ観測後退
 米国株式市場は続伸。ダウ平均は197.07ドル高の33,604.65ドル、ナスダックは52.90ポイント高の13,484.24で取引を終了した。
 中東の地政学的リスク上昇を警戒した売りに寄り付き後、下落。その後、米ダラス連銀のローガン総裁が長期債券利回りの上昇が利上げの必要性を弱める可能性を指摘したほか、連邦準備制度理事会(FRB)のジェファーソン副議長も政策を慎重に進める余地があるとの発言を受けて金利高懸念が後退し、買戻しに拍車がかかった。また、イスラエルとパレスチナ自治区ガザを実行支配するイスラム組織ハマスとの戦闘激化で防衛関連、また、原油高でエネルギー関連が買われ相場を一段と押し上げ。終盤にかけて、上げ幅を拡大し、終了した。セクター別ではエネルギーや資本財が上昇した一方で、家庭・パーソナル用品が下落した。
 エンターテインメントのウォルト・ディズニー(DIS)は最近の株価下落を受け、物言う投資家ぺルツ氏が同社の株式保有を増やし、委任状争奪戦を再開させる計画との報道で上昇。ソフトウエア・メーカーのオラクル(ORCL)はアナリストの投資判断、目標株価引上げで買われた。防衛のロッキード・マーチン(LMT)や(RTX)、総合軍事会社のゼネラル・ダイナミクス(GD)は中東地政学的リスク上昇で需要増観測にそれぞれ、上昇。また、石油化学メーカーのエクソンモービル(XOM)、再生可能燃料会社のシェブロン(CVX)は原油高に伴う増益期待にそれぞれ、上昇した。一方で、航空会社のデルタ(DAL)やアメリカン(AAL)、ユナイテッド(UAL)イスラエル戦闘下で、運行制限などの混乱を嫌気し、それぞれ売られた。
 米ダラス連銀のローガン総裁は利下げを検討するにはかなり時期尚早だと述べた。

■NY為替:中東地域における地政学的リスク増大でリスクオフ
 9日のニューヨーク外為市場でドル・円は、149円17銭から148円44銭まで下落して、148円52銭で引けた。中東地政学的リスクの上昇が警戒され、リスク回避の円買いに拍車がかかった。また、米ダラス連銀のローガン総裁が長期金利の上昇により利上げの必要性が後退したとの見解を示したほか、ジェファーソンFRB副議長も慎重に政策を進める姿勢を再表明したため年内の追加利上げ観測が弱まりドル売りが強まった。
 ユーロ・ドルは、1.0523ドルまで下落後、1.0567ドルまで上昇し、1.0566ドルで引けた。質への逃避のドル買いが強まったのち、金利先高観後退でドルの売り戻しが強まった。ユーロ・円は、157円20銭から156円52銭まで下落。リスク回避の円買いが強まった。ポンド・ドルは、1.2163ドルまで下落後、1.2252ドルまで上昇した。ドル・スイスは、0.9104フランから0.9050フランまで下落。

■NY原油:大幅続伸で86.38ドル、中東情勢悪化で供給不安強まる
 NY原油先物11月限は大幅続伸(NYMEX原油11月限終値:86.38 ↑3.59)。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物11月限は、前営業日比+3.59ドルの86.38ドルで通常取引を終了した。時間外取引を含めた取引レンジは84.67ドル-87.24ドル。中東情勢の悪化によって供給不安が強まり、一段高となった。アジア市場の取引開始後に84.67ドルまで下げた後、一時87.24ドルまで急騰。ロンドン市場の序盤に85ドルを一時的に下回ったが、米国市場で買いが再び強まり、86.76ドルまで戻した。通常取引終了後の時間外取引では主に86ドル台で推移した。

■主要米国企業の終値
銘柄名⇒終値⇒前日比(騰落率)
バンクオブアメリカ(BAC) 26.31ドル +0.24ドル(+0.92%)
モルガン・スタンレー(MS) 79.91ドル -0.42ドル(-0.52%)
ゴールドマン・サックス(GS)312.61ドル +0.13ドル(+0.04%)
インテル(INTC) 36.06ドル -0.13ドル(-0.36%)
アップル(AAPL) 178.99ドル +1.50ドル(+0.85%)
アルファベット(GOOG) 139.50ドル +0.77ドル(+0.56%)
メタ(META) 318.36ドル +2.93ドル(+0.93%)
キャタピラー(CAT) 271.30ドル +5.26ドル(+1.98%)
アルコア(AA) 27.25ドル +0.10ドル(+0.37%)
ウォルマート(WMT) 155.84ドル -0.57ドル(-0.36%)


【日中取引OPEN前まとめ】

◆日経225先物テクニカルポイント(10日夜間取引終了時点)

2023/10/10(火)07:10

本文ここから

配信なし


◆日経225先物(寄り前コメント)=買い先行も地政学リスクが警戒される

2023/10/10(火)08:23

要約(ChatGPT併用)

  • 米主要株価指数上昇、地政学リスクで原油相場上昇

  • FRBのジェファーソン副議長発言後、金融引き締め懸念和らぎ、株価上昇

  • 防衛関連やエネルギー株が地政学リスクで買われる

  • S&P500業種別指数、エネルギー・資本財・電気通信サービスが上昇、家庭用品・半導体・金融が下落

  • シカゴ日経平均先物12月限、大阪比235円高の3万1255円

  • 米ダラス連銀ローガン総裁、利下げ検討は時期尚早と指摘

  • 11日、FOMC議事要旨発表、米9月卸売物価指数・12日消費者物価指数発表予定

  • 日経225先物、3万1480円近辺で売り圧力、3万1000円~3万1500円レンジ予想

  • VIX指数、17.70に低下、変動幅大きく楽観視できず

  • NT倍率、先週末で13.70倍に低下、TOPIX型優位予想

本文ここから

大阪12月限ナイトセッション
日経225先物 31270 +250 (+0.80%)
TOPIX先物 2280.0 +17.0 (+0.75%)
シカゴ日経平均先物 31255 +235
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)

 9日の米国市場は、NYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が上昇。イスラム組織ハマスによるイスラエル攻撃とイスラエル軍の報復作戦により、戦闘は激しさを増している。地政学リスクが高まるなか、NY原油先物相場が大きく上昇し、インフレ圧力の高まりが警戒されて売りが先行して始まった。その後、米連邦準備理事会(FRB)のジェファーソン副議長による「追加的な政策引き締めを見極める上で、慎重に進める余地がある」との発言が伝わると、金融引き締め長期化への警戒が和らぎ、買い戻しが強まり上昇に転じた。また、地政学リスクの高まりを受けて防衛関連やエネルギー株が買われた。S&P500業種別指数はエネルギー、資本財、電気通信サービスが上昇した一方で、家庭用品・パーソナル用品、半導体・同製造装置、各種金融が下落。
 シカゴ日経平均先物(12月限)清算値は、大阪比235円高の3万1255円だった。日経225先物(12月限)は日中比60円高の3万1080円で始まり、米雇用統計の結果を受けた米国市場に連動する形で、一時3万860円まで売られた。売り一巡はリバウンド基調が強まり上昇に転じると、3万1390円まで買われた。祝日取引では地政学リスクの高まりを受けたNY原油先物相場の上昇が嫌気され、3万1100円で始まり、3万950円~3万1150円辺りで保ち合った。終盤にかけてレンジを上放れると3万1330円まで買われ、3万1270円でナイトセッションの取引を終えた。
 シカゴ先物にサヤ寄せする格好で、買い先行で始まろう。米雇用統計を警戒した先回りの売りに対する買い戻しが入りそうだ。9日の米国市場は売り先行後は追加利上げへの警戒感が和らいだことで買い戻しが優勢となったが、ハマスとイスラエルによる戦闘激化の影響が警戒され、積極的な売買は引き続き手控えられやすい。
 また、今週は11日に米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨の発表が予定されている。米雇用統計の結果を受けて、FOMCは年内の再利上げに傾く可能性が高いとみられており、改めて利上げ観測が高まる可能性がある。そのほか、11日に米国9月卸売物価指数(PPI)、12日に米国9月消費者物価指数(CPI)の発表が予定されているため、様子見姿勢が強まりやすい。
 日経225先物は下向きで推移しているボリンジャーバンドの-2σを突破し、ナイトセッションで-1σ水準に接近している。-1σが位置する3万1480円処では戻り待ちの売り圧力が意識されやすく、オプション権利行使価格の3万1000円から3万1500円のレンジを想定する。上値の重さがみられてくるようだと、3万1000円を挟んだ膠着となり、-2σが位置する3万750円辺りを付けてくる可能性があろう。
 VIX指数は17.70(前日は17.45)に低下した。朝方に19.60まで上昇した後は低下に転じており、200日移動平均線水準まで下げてきている。20.00に接近する局面では上値を抑えられる格好となっており、リスク回避には向かわないとみられる。ただし、このところは1日の変動幅が大きくなっている面もあり、楽観視はできない。
 なお、先週末のNT倍率は先物中心限月で13.70倍に低下した。引き続き下向きで推移する25日線に上値を抑えられる形状が継続している。地政学リスクの高まりを背景にエネルギー株が買われる可能性もありTOPIX型優位になりやすく、NT倍率の低下傾向が継続することが予想される。


【日経225先物08:45~15:15取引中】

【日本株09:00~15:00取引中】


【日本市場】

◆日経225先物日中取引クロージング:10日清算値=710円高、3万1730円

2023/10/10(火)15:17

本文ここから

 10日15時15分、大阪取引所の日経225先物期近2023年12月限は前週末清算値比710円高の3万1730円で取引を終えた。出来高は9万5971枚だった。この日の日経平均株価の現物終値3万1746.53円に対しては16.53円安。


◆東京株式市場クローズ(10日)



◆日本株市況クロージング=米利上げ打ち止めへの思惑を背景に買い優勢の展開(10日フィスコ)

2023/10/10(火)15:50

要約(ChatGPT併用)

  • 10日の日経平均、751.86円高の31746.53円で5営業日ぶりに31500円台突破

  • 前日の米国市場上昇と長期金利低下で投資家心理改善、中東地政学リスク冷静に受け止め

  • 東証プライム、値上がり銘柄が9割近く、鉱業、海運、石油石炭、卸売が際立つ上昇

  • 9日米国市場、利上げ長期化懸念後退で主要指数上昇、東京市場も追随し幅広い銘柄が上昇

  • 米金融当局のハト派見方と利上げサイクルの終着点近いとの見方から株価の転換点迎える可能性

  • 投資家の関心が金利から企業業績へ移行、業績大幅改善で買い戻しの弾みも想定

本文ここから

 10日の日経平均は大幅反発。751.86円高の31746.53円(出来高概算14億8000万株)と、5営業日ぶりに心理的な節目である31500円台を突破して取引を終えた。前日の米国市場で主要株価指数が上伸した流れを背景に幅広い銘柄に買いが先行して始まった。日米ともに長期金利が低下傾向にあり、投資家心理の改善につながった。さらに、中東の地政学リスクへの警戒感はくすぶるものの、市場は冷静に受け止めていた。終日強含みの展開を継続し、日経平均は後場終盤には31818.26円まで上げ幅を広げた。
 東証プライムの騰落銘柄は、値上がり銘柄が1600に迫り、全体の9割近くを占めた。セクター別では、空運、水産農林を除く31業種が上昇。鉱業、海運、石油石炭、卸売の上昇が際立っていた。指数インパクトの大きいところでは、ファーストリテ<9983>、東エレク<8035>、ソフトバンクG<9984>、アドバンテス<6857>が堅調だった。半面、JAL<9201>、安川電<6506>、資生堂<4911>が軟化した。
 9日米国市場は、ジェファーソン米連邦準備制度理事会(FRB)副議長など金融当局からハト派的な発言が相次いだことから、利上げ長期化への懸念が後退。主要株価指数はそろって上伸した。東京市場もこの流れを受けて、金利動向に敏感とされるグロース株が買い戻されたほか、このところ値を崩していたバリュー株など幅広い銘柄が値を上げ、日経平均の上げ幅は一時800円を超えた。また、中東情勢を巡る懸念から原油市況が上昇しているため、石油関連株や商社株にも投資資金が向かった。一方、市況高による燃料費高騰への懸念などから航空株が値を崩した。
 米金融当局によるハト派的な見方に加え、米国の利上げサイクルは終着点に近いと見る向きが増え始めており、日米ともに株価の調整局面は転換点を迎えている可能性が高い。また、投資家の関心が「金利」から「企業業績」に移りつつあり、業績の大幅な改善が判明すれば、買い戻しに弾みが付くことも想定される。


◆日経平均大引け【↑】=急反発、米株高を受けリスク選好の買い優勢 (10月10日)

2023/10/10(火)18:10

要約(ChatGPT併用)

  • summary

本文ここから

日経平均株価
始値  31314.67
高値  31818.26(14:33)
安値  31314.67(09:00)
大引け 31746.53(前日比 +751.86 、 +2.43% )
売買高  14億8469万株 (東証プライム概算)
売買代金  3兆4982億円 (東証プライム概算)

■本日のポイント
 1.日経平均は急反発、751円高は今年最大の上げ幅
 2.前週末と前日の米株高を受けセンチメントが改善
 3.米雇用統計上振れ、中東情勢も売り材料とならず
 4.時間外での米長期金利の低下も追い風材料となる
 5.値上がり銘柄数はプライム市場全体の87%占める

■東京市場概況
 前日の米国市場では、NYダウは前週末比197ドル高と続伸した。FRBによる年内追加利上げ観測が後退し買いが優勢となった。
 3連休明けの東京市場では、主力株中心にほぼ全面高商状に買われ日経平均株価は急反騰、今年最大の上げ幅で3万1000円台後半まで一気に水準を切り上げた。
 10日の東京市場は、朝方からリスク選好の地合いで、日経平均は買い先行で始まった後、先物主導で一貫して上げ幅を広げる展開となった。祝日をはさみ3連休明けとなった東京市場だったが、前週末と週明けに米国株市場が上値指向を鮮明としたことで、空売り筋の買い戻しを誘発した。前週末に発表された米雇用統計は非農業部門の雇用者数の伸びが事前予想を大幅に上回ったものの、米国株市場ではNYダウなど主要指数が結局高く引け、その後、中東の地政学リスクが顕在化した後も上値指向が続いた。東京市場でも売り方が高水準にショートポジションをとっていた関係で、その買い戻しが全体指数を押し上げる格好となった。時間外で米長期金利が低下したことも追い風となったようだ。日経平均は一時800円を超える上昇を示し、大引け時点の値上がり銘柄数はプライム市場の87%を占めている。
 個別では、きょうも群を抜く売買代金をこなしたレーザーテック<6920>が大幅高に買われたほか、東京エレクトロン<8035>、ディスコ<6146>など半導体主力銘柄が値を飛ばした。トヨタ自動車<7203>が商いを伴い上昇、INPEX<1605>、三菱重工業<7011>も買いを集めた。伊藤忠商事<8001>が活況高となり、川崎汽船<9107>など海運株の物色人気も際立った。三陽商会<8011>が値上がり率トップに買われ、ワキタ<8125>、藤倉コンポジット<5121>、霞ヶ関キャピタル<3498>なども大幅高となった。
 半面、安川電機<6506>が軟調、日本航空<9201>、ANAホールディングス<9202>など空運株も売りに押された。資生堂<4911>も冴えない。マルマエ<6264>が大幅安、サカタのタネ<1377>、コジマ<7513>、ワタミ<7522>なども値を下げた。
 日経平均へのプラス寄与度上位5銘柄はファストリ <9983>、東エレク <8035>、SBG <9984>、アドテスト <6857>、テルモ <4543>。5銘柄の指数押し上げ効果は合計で約272円。
 日経平均へのマイナス寄与度上位5銘柄はJAL <9201>、安川電 <6506>、資生堂 <4911>、サイバー <4751>、JR東海 <9022>。5銘柄の指数押し下げ効果は合計で約5円。
 東証33業種のうち31業種が上昇し、下落は空運業、水産・農林業の2業種のみ。上昇率の大きかった上位5業種は(1)鉱業、(2)海運業、(3)石油石炭製品、(4)卸売業、(5)電気・ガス業。一方、上昇率の小さかった5業種は(1)陸運業、(2)食料品、(3)パルプ・紙、(4)サービス業、(5)小売業。

■個別材料株
△INPEX <1605> [東証P]
 中東情勢緊迫化で物色人気高まる。
△Jエスコム <3779> [東証S]
 繊維専門商社のサンマリノと業務提携契約を締結。
△ユシロ <5013> [東証S]
 今期18年ぶり営業最高益更新予想もPBRは0.5倍台。
△AIメカ <6227> [東証S]
 有力ファンドの大株主浮上と空売り買い戻し。
△池上通 <6771> [東証S]
 テレビ熊本から金峰山受信基地局向け無線伝送システムを一括受注。
△河西工 <7256> [東証P]
 投資有価証券売却益の計上を材料視。
△ワキタ <8125> [東証P]
 ホテル利用券贈呈の株主優待新設。
△いなげや <8182> [東証P]
 イオン <8267> によるTOB価格1610円にサヤ寄せ。
△青山商 <8219> [東証P]
 9月既存店売上高が10ヵ月連続で前年上回る。
△ビジョナリー <9263> [東証S]
 投資ファンドによるTOB価格にサヤ寄せ。
▼マルマエ <6264> [東証P]
 24年8月期減益・減配見通しで失望売り。
▼アイスペース <9348> [東証G]
 ロックアップ解除で株式需給の悪化を警戒。

 東証プライムの値上がり率上位10傑は(1)三陽商 <8011>、(2)石油資源 <1662>、(3)ワキタ <8125>、(4)藤コンポ <5121>、(5)霞ヶ関C <3498>、(6)INPEX <1605>、(7)双日 <2768>、(8)バイタルKS <3151>、(9)ネクステージ <3186>、(10)伊藤忠 <8001>。
 値下がり率上位10傑は(1)マルマエ <6264>、(2)マツオカ <3611>、(3)サカタタネ <1377>、(4)WNIウェザ <4825>、(5)Ubicom <3937>、(6)コジマ <7513>、(7)ワタミ <7522>、(8)エスプール <2471>、(9)スノーピーク <7816>、(10)シナネンHD <8132>。

【大引け】
 日経平均は前日比751.86円(2.43%)高の3万1746.53円。TOPIXは前日比48.11(2.12%)高の2312.19。出来高は概算で14億8469万株。東証プライムの値上がり銘柄数は1599、値下がり銘柄数は197となった。東証マザーズ指数は708.09ポイント(6.82ポイント高)。

[2023年10月10日]


◆日経225先物テクニカルポイント(10日日中取引終了時点)

2023/10/10(火)16:10

本文ここから

 10日の日経225先物は前日清算値比710円高の3万1730円で取引を終えた。テクニカルポイントは以下の通り。

34491.56円  ボリンジャーバンド3σ
33746.90円  ボリンジャーバンド2σ
33002.25円  ボリンジャーバンド1σ
32520.00円  一目均衡表・先行スパン2(雲上限)
32408.53円  75日移動平均
32272.50円  一目均衡表・先行スパン1(雲下限)
32257.60円  25日移動平均
31875.00円  一目均衡表・基準線
31746.53円  10日日経平均株価現物終値
31730.00円  10日先物清算値
31512.95円  ボリンジャーバンド-1σ
31355.00円  一目均衡表・転換線
31074.00円  5日移動平均
30768.30円  ボリンジャーバンド2σ
30023.64円  ボリンジャーバンド3σ
29927.15円  200日移動平均


◆日経225先物(引け後コメント)=シグナル好転の可能性、次のターゲットは3万2200円

2023/10/10(火)18:13

要約(ChatGPT併用)

  • 日経225先物(12月限)は前日比710円高の3万1730円で終了、米市場の上昇や中東リスク受け止め、空売り筋の買い戻しで急反騰

  • ボリンジャーバンドの-1σを上放れ、25日、75日移動平均線が3万2200円前後をターゲット、パラボリックは陽転シグナルの発生が近い

  • 週末のSQを控え、リバランスの動きが意識される可能性、地政学リスクによる原油先物上昇と米追加利上げ観測後退を背景に長期金利低下時の買い戻し予想

  • NT倍率は13.75倍に上昇、25日線攻防中でシグナル転換が近い、日米長期金利の動向次第でスプレッド狙いの動きが予想

  • 日経225先物手口面:バークレイズ、ドイツ証券等が買い越し、ABNクリアリン証券、シティグループ証券等が売り越し

  • TOPIX先物手口面:JPモルガン、ビーオブエー証券等が買い越し、UBS証、BNPパリバ証券等が売り越し

本文ここから

日経225先物 31730 +710 (+2.28%)
TOPIX先物 2306.0 +43.0 (+1.90%)

 日経225先物(12月限)は前日比710円高の3万1730円で取引を終了。寄り付きは3万1350円と、シカゴ日経平均先物清算値(3万1255円)にサヤ寄せする格好で買いが先行した。直後に付けた3万1330円を安値にリバウンド基調を強め、現物の寄り付き直後には節目の3万1500円を回復。特に調整を見せずに上げ幅を広げると、前場終盤には3万1770円まで上げ幅を広げた。ランチタイム以降は3万1680円~3万1780円辺りで保ち合い、後場終盤にかけて一時3万1820円まで買われる場面も見られた。
 日経225先物は、地政学リスクに対する警戒感から買い一巡後には膠着感が強まるとみていたが、寄り付き後ほどなくしてボリンジャーバンドの-1σを上放れ、突破後は一度も割り込むことなく、日中の高値圏で推移した。25日、75日移動平均線が3万2200円前後で推移しているため、同水準が心理的には次のターゲットとして意識されそうだ。また、パラボリックは陰転シグナルを継続しているが、SAR値が低下傾向を見せるなか、本日の大幅反発で陽転シグナルの発生が近づいてきた。ナイトセッションでシグナル好転をみせてくる可能性がありそうだ。
 楽観は禁物だが、テクニカル面でのシグナル好転のほか、週末には10月の特別清算指数算出(SQ)を控えているため、本日の大幅反発によってリバランスの動きが強まってくる展開も意識されよう。地政学リスクを背景に原油先物の上昇が警戒され、インフレ圧力を巡る不透明感が高まる一方で、米追加利上げ観測は後退している。長期金利の低下が続くようだと、日経平均型を買い戻す動きがみられそうだ。
 なお、NT倍率は先物中心限月で13.75倍に上昇し、下向きで推移する25日線を捉えてきた。このところ25日線での攻防を続けており、シグナル転換が近づいている。日米長期金利の動向睨みとなろうが、25日線を明確に上放れてくるようだと、NTショートの巻き戻しを狙ったNTロングによるスプレッド狙いが入りやすいだろう。
 手口面では、日経225先物はバークレイズ証券が2735枚、ドイツ証券が1648枚、ゴールドマン証券が1401枚、JPモルガン証券が1171枚、大和証券が1081枚の買い越しに対して、ABNクリアリン証券が4412枚、シティグループ証券が2956枚、SBI証券が913枚、日産証券が491枚、auカブコム証券が309枚の売り越しだった。
 TOPIX先物は、JPモルガン証券が2988枚、ビーオブエー証券が2002枚、ドイツ証券が1785枚、みずほ証券が1665枚、シティグループ証券が191枚の買い越しに対して、UBS証が2026枚、BNPパリバ証券が1557枚、HSBC証券が1507枚、ソシエテジェネラル証券が1264枚、モルガンMUFG証券が1185枚の売り越しだった。


【NEWS】

◆海外ヘッドライン一覧(10日ロイター)

2023/10/10(火)20:08

本文ここから

  • 一部の金融資産は過大評価、米ハイテク株など=英中銀
  • MMF、流動資産を大幅に増やす必要 市場変動に備え=英中銀
  • IMF、中国とユーロ圏の成長予測引き下げ 「世界経済なお弱い」
  • 世界の銀行の5%、高金利長期化なら脆弱に=IMF 
  • IMF、中南米・カリブ諸国の23年成長率予測を2.3%に引き上げ
  • ノルウェー、9月CPIが予想以上に鈍化 利上げ観測後退

  • 米国、核実験再開の準備進めている形跡=ロシア外務次官

  • イスラエル、ガザ地区に過去最大規模の空爆 境界を掌握
  • イスラエルの空爆、ガザの住宅や学校を直撃=国連人権高等弁務官
  • イランのハメネイ師、ハマスのイスラエル攻撃を称賛 関与は否定

  • 〔BREAKINGVIEWS〕中東経由で印・欧州結ぶ貿易回廊構想、情勢緊迫でもろさ露呈

  • 〔BREAKINGVIEWS〕有事のドル・米国債買い、ガザ危機で再燃へ
  • 〔アングル〕米企業は第3四半期に小幅増益へ、停滞気味の株価下支えに期待
  • 〔アングル〕中国の株式ファンド、中東で資金集め 米国からの投資減少で
  • 〔アングル〕ハマスの奇襲、前例ない情報戦でイスラエルの「虚を突く」

  • IMF、中国とユーロ圏の成長予測引き下げ 「世界経済なお弱い」

  • 〔表〕IMF世界経済見通し 
  • 米国債下落、供給拡大を反映か=IMFチーフエコノミスト
  • 来年の英経済成長率、G7で最低に 高金利が重し=IMF
  • カナダ労組、米GMの工場でストへ 新労働協約交渉で合意できず
  • ECB物価目標、25年までの到達見込む 中東緊迫でも=仏中銀総裁

  • 中国、南シナ海でフィリピン軍艦を強制退去 

  • スペイン、パレスチナ支援停止に反対 EU内では温度差も
  • 北朝鮮国営メディア、イスラエル非難 軍事衝突で 
  • 台湾、中国との「平和的共存」求める 現状維持が重要=総統
  • BUZZ-南アランド横ばい、国勢調査の発表控え 
  • 世界天然ガス需要、26年までの伸び鈍化へ=IEA 
  • 25年までのECB物価目標到達見込む、中東緊迫でも=仏中銀総裁
  • 中国の佳兆業、清算なら債権者の回収率は5%未満 裁判所に陳述書
  • EU、補助金巡り中国鉄鋼メーカーの調査計画=FT紙
  • 中国碧桂園、オフショアの支払い義務履行できない可能性

  • -フィリピンの8月貿易収支は41.3億ドルの赤字、前月から小幅縮小

  • 伊、EUに財政ルールの柔軟化訴え 来年の基準違反を警戒
  • 豪消費者信頼感、10月は上昇 生活費上昇で悲観派なお多く
  • ミャンマー難民キャンプに砲撃、少なくとも29人死亡=現地報道
  • 英ファンド業界団体が金融規制強化に反対、競争力低下を懸念
  • サウジ、パレスチナ支援継続を表明 皇太子がアッバス議長に
  • ブリンケン氏、支援巡りイスラエル外相と電話会談=米国務省

  • 中国、全国的な人口動態調査を11月に実施 

  • マレーシア、ドル依存脱却へ 貿易決済で自国通貨使用拡大=首相
  • 米軍制服組トップ、イスラエル危機に関与しないようイランに警告
  • 米サンフランシスコの中国総領事館に車突っ込む、運転手は射殺
  • 米空母ロナルド・レーガン、12日に韓国・釜山に寄港 

  • EU、パレスチナ向け支援を停止するとした欧州委員の発表を撤回

  • 米国で改良型コロナワクチン接種開始、一部で予約取りづらく
  • 豪当局がブルックフィールドによるオリジン買収承認、株価上昇
  • 北朝鮮、軍事偵察衛星は不可欠と主張 米の「宇宙軍事化」に対抗
  • 石炭産業、エネルギー転換で100万人の雇用喪失=米調査団体
  • UAW、ボルボ米子会社でスト 労使協定案を拒否 
  • ハマスのイスラエル攻撃、石油市場の投機増招く=ペトロブラスCEO
  • アジア諸国の債務増加、成長抑制する恐れ=世銀エコノミスト

  • 中国碧桂園、オフショアの支払い義務履行できない可能性

  • ロシア、大統領選と議会選は予定通り実施へ=ペスコフ報道官
  • 豪企業景況感指数、9月も底堅い コスト圧力は和らぐ
  • 世界の債券ETF、今年の資金流入が記録的水準に=ブラックロック
  • 中国、自然災害による直接経済損失は約420億ドル 1─9月
  • 米ラスベガスの接客担当者ら数千人がスト準備、労使協議進まず
  • 米10年債利回り急低下、安全資産需要やFRB高官のハト派発言で
  • 原油先物は小幅反落、中東情勢混乱で供給不安残る 
  • プーチン氏、イラク首相と中東情勢協議へ 10日会談=ロ大統領府
  • イスラエルのハイテク企業、ハマス攻撃受け事業に支障も

  • バイデン米大統領、機密文書問題で特別検察官が聴取 

  • ウクライナ軍、東部と南部で反攻進展と発表 
  • 米FRB副議長、銀行規制強化のメリットがコスト上回ると強調
  • パレスチナのアッバス議長、モスクワ訪問へ=ロシアメディア
  • 台湾総統、「自らの運命コントロールする」 自衛の決意表明へ
  • ハリウッド脚本家労組、新たな契約を正式承認 5カ月のスト経て
  • 米3大自動車メーカー、ストで計800人強を追加レイオフ
  • メキシコ9月消費者物価、前年比4.45%上昇 8カ月連続鈍化
  • 中国地方政府の借換債発行計画相次ぐ、債務返済で投資家心理改善も
  • 高金利長期化、米成長率を0.5ポイント押し下げへ=GS

  • 米の対中半導体規制、サムスンとSKの適用除外を無期限延長

  • 米共和マッカーシー氏、下院議長復帰に意欲 「党が望めば」
  • 中東での戦争扇動、ロシアを利することに=ウクライナ大統領
  • ヘッジファンドの日本株売り、9月は過去1年で最高=ゴールドマン
  • 米軍派遣は計画せず、イスラエル攻撃受け=ホワイトハウス
  • ケネディ氏、無所属で出馬 バイデン・トランプ両氏に影響も
  • 英アーム株が一時3%上昇、IPO引受機関の「買い」推奨相次ぐ

  • WRAPUP 1-イスラエルが予備役招集、地上攻撃計画か ハマスは人質処刑と警告

  • 米、イスラエル軍事支援加速 ウクライナと並行可能=国防当局者
  • 物言う株主ペルツ氏、ディズニーに再び取締役選任要求へ=関係者
  • 米国債先物は上昇、中東緊迫とFRB高官のハト派発言で
  • ロシア下院がCTBT批准撤回手続きを検討へ 
  • 中東情勢、衝突拡大ならユーロ圏インフレ加速も=オランダ中銀総裁
  • OPECが中長期石油需要見通し引き上げ、新規投資中止に警鐘
  • 米英独仏伊の首脳が共同声明、イスラエル支持で結束 
  • 米国人少なくとも11人死亡、人質も ハマスの攻撃で=バイデン氏

◆[NEWS]ジェファーソン副議長、利回り上昇の影響留意-慎重に進むこと可能(10日ブルームバーグ)

2023/10/10(火)02:46 更新日時 2023年10月10日 3:51 JST

要約(ChatGPT併用)

  • summary

本文ここから

 米連邦準備制度理事会(FRB)のジェファーソン副議長は、インフレ率は依然高過ぎるとした上で、米国債利回り上昇が景気を一段と抑制する可能性があり、注視していると述べた。
 ジェファーソン氏は9日、ダラスで開かれた全米企業エコノミスト協会(NABE)の会議で講演を行い、金融当局は「必要となり得る追加的な政策引き締めの程度を見極める上で、慎重に進むことができる立場」にあると述べた。発言は事前原稿に基づく。
 「この先、債券利回り上昇を通じた金融環境の引き締まりを引き続き認識し、将来の政策軌道を判断するに際してそのことに留意する」と述べた。
 米10年債利回りは9月の連邦公開市場委員会(FOMC)会合以降に約40ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇した。サンフランシスコ連銀のデーリー総裁やダラス連銀のローガン総裁らは、最近の金融状況の引き締まりが追加利上げの代わりになり得るとの見解を示している。
 ジェファーソン副議長は「リスク管理において今は微妙な時期だ。引き締めが十分でないリスクと、過度に景気抑制的な政策リスクのバランスを取らなければならない」と語った。

原題:
Jefferson Says Fed Can Proceed Carefully, Mindful of Yield Rise(抜粋)

関連記事:
SF連銀総裁、米政策金利は据え置き可能-雇用と物価減速続けば (2)

www.bloomberg.co.jp

ダラス連銀総裁、米長期債利回り上昇で利上げの必要性は低下も (2)

www.bloomberg.co.jp


◆[NEWS]FRB高官、再び利上げ見送りに傾く-利回り急伸で金融環境タイト化(10日ブルームバーグ)

2023/10/10(火)08:54

要約(ChatGPT併用)

  • 米金融当局、米国債利回り上昇を追加利上げの代わりと考え始める

  • ジェファーソンFRB副議長、債券利回り上昇を通じた金融環境の引き締まりを留意と発言

  • 11月1日の政策決定まで政策金利は据え置きの見込み

  • BNPパリバのシュルヤティエバ氏、市場がFRBの「汚れ仕事」をしていると指摘

  • 米10年国債利回り、FOMC会合以降約40bp上昇、4.8%で取引終了

  • FOMC予測、今年1回の利上げ、来年は利下げ幅縮小が必要との見通し

  • ダラス連銀ローガン総裁、債券市場のリスクプレミアム上昇で政策引き締めの必要性低下の可能性

  • サンフランシスコ連銀デーリー総裁、金融環境引き締まりでさらなる行動の必要性低下

  • 次回FOMC会合での利上げ確率はほぼなし、年内追加利上げ確率は5割未満

  • 9月非農業部門雇用者数急増、利上げ確率一時50%超、ハマスのイスラエル攻撃で確率低下

本文ここから

 米金融当局の高官らは、最近の米国債利回りの急上昇を受けた金融環境の引き締まりが、追加利上げの代わりになり得るとの考えでまとまりつつある。
 ジェファーソン連邦準備制度理事会(FRB)副議長は9日、「今後の政策軌道」を見極める上で「債券利回り上昇を通じた金融環境の引き締まりを引き続き留意する」と述べ、ここ数日の他の政策当局者の発言に同調した。
 当局者にとって重要な疑問は、最近の借り入れコスト上昇が、力強い米経済への投資家の期待を反映しているのか、金利リスクの負担に投資家が求める追加的な見返りなのかという点だ。この点を見極めるため、当局は少なくとも11月1日の次回政策決定までは政策金利を据え置く公算が大きい。

FRB高官は債券利回りの急上昇を警戒|市場の動きにより、次回会合でも中央銀行は据え置かれる可能性が高い

 BNPパリバの米国担当シニアエコノミスト、エレーナ・シュルヤティエバ氏は、「市場は突如として、米金融当局のために汚れ仕事をしている」と指摘。「タカ派寄りの政策当局者の一部も含め、当局者の大多数はより慎重に進めることで良いように見受けられる」と付け加えた。
 米10年国債利回りは9月19、20両日開催の連邦公開市場委員会(FOMC)会合以来、約40ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇し、6日の取引終了時点で4.8%。9日はコロンブスデーの祝日で、現物取引は休場となった。
 9月会合後に発表されたFOMC参加者の予測では、インフレ率を2%に戻すには今年あと1回の利上げと、来年は利下げ幅を従来予想よりも縮小する必要があるとの見通しが大半を占めた。
 9日には、ダラス連銀のローガン総裁がジェファーソン総裁と同じ会議で、債券市場のリスクプレミアムが上昇傾向にある場合、「それが経済の沈静化に向けた金融当局の仕事を一部肩代わりし、当局としては政策を追加で引き締める必要性が低下する可能性がある」と述べた。
 サンフランシスコ連銀のデーリー総裁も5日に、「金融環境は過去90日間でかなり引き締まったが、その状態が続く場合は、われわれがさらなる行動を起こす必要性が低下する」との認識を示していた。
 投資家らは現在、10月31日、11月1日両日開催の次回FOMC会合で利上げが決まる可能性はほとんどないと予想。金利先物市場では、年内の追加利上げの確率は5割未満と見込まれている。
 6日発表の9月の米非農業部門雇用者数が予想外に急増したことから年内追加利上げ確率は一時的に50%を上回ったが、パレスチナ自治区ガザを実効支配するイスラム組織ハマスによる週末のイスラエルへの奇襲攻撃を受け、確率は低下している。

関連記事:
ジェファーソン副議長、利回り上昇の影響留意-慎重に進むこと可能 (1)

www.bloomberg.co.jp

ダラス連銀総裁、米長期債利回り上昇で利上げの必要性は低下も (2)

www.bloomberg.co.jp

SF連銀総裁、米政策金利は据え置き可能-雇用と物価減速続けば (2)

www.bloomberg.co.jp

原題:
Fed Officials Head Toward Another Pause After Surge in Yields(抜粋)


◆[NEWS]アトランタ連銀総裁、これ以上の米利上げ不要-十分に景気抑制的(10日ブルームバーグ)

2023/10/10(火)23:53

要約(ChatGPT併用)

  • 米アトランタ連銀のボスティック総裁は、政策金利のさらなる引き上げは不要との立場を明確にした

  • 現在の金融政策はインフレ率を2%の目標に適合させるために十分景気抑制的であるとの見解

  • 米政策金利は、インフレを2%に押し下げるための適切な水準にあると考えている

  • 予想外の景気変動があれば利上げの必要が出てくるかもしれないが、現状ではそのような予想はしていない

  • ボスティック総裁は、今年のFOMCでの議決権を持っていない

本文ここから

 米アトランタ連銀のボスティック総裁は、当局が政策金利をこれ以上引き上げる必要はなく、金融政策はインフレ率を2%の当局目標に戻す上で十分に景気抑制的だとの見解をあらためて示した。
 ボスティック総裁は10日、米銀行協会(ABA)年次会合でのイベントで、「米政策金利はインフレ率を2%に押し下げるのに十分に景気抑制的な水準にあると私は考える」と発言。「これ以上の利上げが必要だとは実際思わない」と述べた。
 景気見通しが予想外に変化した場合は利上げが必要になるかもしれないが、それは現時点で自身が予想するものではないと付け加えた。
 ボスティック総裁は今年の連邦公開市場委員会(FOMC)で議決権を持たない。

原題:
Fed's Bostic Says Rates Now High Enough to Lower Inflation to 2%(抜粋)