本と翻訳と社会学と日経225先物

世界のマーケットとそのほかの個人的趣味

【マーケット記録】2023/10/23(月) 最終版

【総まとめ】

  • 23日の日経平均は259.81円安の30999.55円で、約2週間ぶりに31000円台を割り込んで終了

  • 米国市場の下落流れと日銀での金利操作の再修正論浮上が影響

  • 東証プライムで値下がり銘柄が1300を超え、全体の8割超が下落

  • イスラエル政府がガザ地区の停戦可能性を否定、日経平均の下げ幅は一時280円超

  • 米の長期金利が高止まり、中東情勢悪化の懸念あり

  • 26日に米GDP27日に米PCEデフレータ発表が控え、GDPの高伸びとインフレ上振れの懸念が金融市場へのリスク

  • 日経225先物12月限は前週末清算値比220円安の3万1000円で日中取引終了。この日の日経平均株価の現物終値3万999.55円に対しては0.45円高


【今週の展望】

◆日経225先物(週間展望・株探ニュース)=戻り待ちのショートが入りやすい需給状況

2023/10/22(日)17:00

要約(ChatGPT併用)

  • 日経225先物は下へのバイアスが強まりやすい状況

  • 中東情勢や米長期金利、PCEなどが相場の要因

  • 20日の米市場で主要株価指数下落、S&P500指数が200日移動平均線を下回る

  • 日経225先物の20日のナイトセッションは3万1000円で終了

  • 3万1000円を下回ると短期ショートカバー入りやすく、3万200円辺りがターゲット

  • 20日の米国債券市場で米長期金利が4.925%に低下

  • イスラエルとハマスの衝突でリスク回避の動き

  • イスラエル軍は大規模な軍事作戦を示唆

  • バイデン米政権が約15兆円の緊急予算を議会に要請

  • 日経225先物の支持線は3万1000円、ショートスタンス入りやすい

  • 3万200円から3万1500円辺りのレンジ推移を想定する

  • 新規資金の流入が難しく、外部環境の影響で大きな変動が起こりやすい

  • 米連邦公開市場委員会(FOMC)を前に、ブラックアウト期間でFRB当局者の発言が控えられる

  • 米国の経済指標の結果が米長期金利に影響を及ぼす可能性

  • アルファベット、マイクロソフト、IBM、メタ・プラットフォームズ、アマゾンなどの大手企業が決算を発表

  • テスラは予想を下回る決算でセンチメント低下、ネットフリックスは予想を上回って急伸

  • VIX指数が上昇し、リスク回避の動きが強まる

  • NT倍率が先物中心限月で低下し、75日、200日線に接近

  • 米主要企業の決算がネガティブに作用すると、NT倍率の低下が意識される

  • 10月第2週の海外投資家は4週ぶりに買い越し、個人と信託銀行は売り越し

  • 今週の主要スケジュールには、岸田首相の所信表明演説や米国の経済指標などが予定されている

本文ここから

 今週の日経225先物は、下へのバイアスが強まりやすい需給状況のなか、中東情勢を巡る地政学リスクや米長期金利の動向、個人消費支出(PCE)などの経済指標、さらには米主要企業の決算睨みの相場展開が見込まれる。20日の米国市場では、主要な株価指数が下落し、S&P500指数は弱気相場入りとなる200日移動平均線を下回ってきた。いったんは同線からリバウンドをみせてくる展開が意識されやすいが、4172辺りに位置する52週線(20日終値は4224.16)辺りまでの調整はありそうだ。
 日経225先物は、20日取引終了後のナイトセッションは3万1000円と、ナイトセッションの安値で取引を終えた。節目の3万1000円までの調整で短期的なショートカバーは入りやすいものの、ボリンジャーバンドの-1σ(3万1230円辺り)を明確に下回ってきたため、-2σが位置する3万610円のほか、10月4日に付けた直近安値の3万265円や200日線が位置する3万200円辺りを目先的なターゲットとしてショートが入りやすい。また、-1σ水準では戻り待ちのショートも意識されよう。
 20日の米国債券市場では米長期金利が4.925%に低下したが、前日に一時5%台を付けたこともあり、反動安の範囲と捉えられて株式を買い戻す動きは限られていた。反対にイスラエルとイスラム組織ハマスの衝突が他の中東地域に拡大するとの懸念が強まりリスク回避に向かわせた面が大きい。
 イスラエル軍は「次の段階に向けて攻撃を強化する」と地上侵攻を含む大規模な軍事作戦を示唆している。一方、バイデン米政権はイスラエルとウクライナの支援を目的に合わせて約15兆円規模の緊急予算を議会に要請している。予算案が成立する見通しは不透明だが、中東情勢の一段の混迷が警戒されてリスク資産圧縮の動きにつながる可能性がある。
 そのため、日経225先物は節目の3万1000円が支持線として意識され、早期に-1σを上回ってきたとしても、戻り待ち狙いのショートスタンスに向かわせやすい。そのため、オプション権利行使価格の3万1000円を中心としつつ、3万200円から3万1500円辺りのレンジ推移を想定する。
 また、リスク回避が意識される需給状況のなか、新規資金は流入しづらく、外部環境の影響を受けて大きく振れやすくなる。今週は翌週の米連邦公開市場委員会(FOMC)を前に、米連邦準備理事会(FRB)当局者が発言を控えるブラックアウト期間となる。そのなか米国10月製造業PMI(24日)、米国9月新築住宅販売件数(25日)、米国7-9月期GDP(26日)、米国9月個人所得、米国9月個人消費支(PCEデフレーター)(27日)などの結果を受けた思惑が、米長期金利に影響を与えることになる。
 さらに、アルファベット、マイクロソフト、IBM、メタ・プラットフォームズ、アマゾン・ドット・コムなど主要企業の決算発表が予定されている。先週はテスラの予想を下回る決算が嫌気され、センチメントを冷ます格好だった。ネットフリックスは予想を上回る決算を受けて急伸していたが、現在の需給状況ではマイナス要因に市場は反応しやすい。国内でも23日にニデック <6594> [東証P]の決算発表が予定されており、ポジティブな反応につながらなかった場合には、今後本格化する決算に対して投資家心理を神経質にさせよう。
 VIX指数は21.71(前日は21.40)に上昇した。10月4日に付けた20.88から12日には一時15.44まで低下していたが、75日線を支持線とする格好で急伸しており、3月半ば以来の水準まで切り上がってきた。週足形状では52週線を明確に上回ってきており、3月の年初来高値である26.52を意識したトレンド形成が警戒されてリスク回避に向かわせそうだ。
 なお、先週末のNT倍率は先物中心限月で13.86倍に低下した。足もとで8月末以来の14.00倍を回復し、14.05倍前後で推移する75日、200日線に接近してきたが、両線に上値を抑えられる格好となった。週間形状では13週線での攻防から同線に上値を抑えられる形状であり、いったんは跳ね返されるタイミングであろう。米主要企業の決算がネガティブに作用するようだと、NT倍率の低下が意識されやすいだろう。ただし、地政学リスクへの警戒が強まる局面では、これまで積み上がっていたバリュー株のポジションを圧縮する流れにつながりやすく、NTでのスプレッド狙いの動きは限られよう。
 10月第2週(10月10日-13日)の投資部門別売買動向によると、海外投資家は現物と先物の合算では4週ぶりに買い越しており、買い越し額は8004億円(10月第1週は8963億円の売り越し)だった。なお、現物は4749億円の買い越し(同5262億円の買い越し)と2週連続の買い越しであり、先物は3254億円の買い越し(同1兆4226億円の売り越し)と4週ぶりに買い越している。個人は現物と先物の合算で4796億円の売り越しで4週ぶりの売り越し。信託銀行は現物と先物の合算で1258億円の売り越しとなり、2週連続の売り越しだった。
 主要スケジュールでは、23日に岸田首相の臨時国会での所信表明演説、24日に米国10月製造業PMI、25日に8月景気動向指数改定値、米国9月新築住宅販売件数、26日に欧州中央銀行(ECB)政策金利、米国7-9月期GDP、27日に10月東京都区部消費者物価指数、1-9月中国工業企業利益、米国9月個人所得、米国9月個人消費支出などが予定されている。

――プレイバック・マーケット――

●SQ値
11月限 日経225 28225.86  TOPIX  1978.52
12月限 日経225 27576.37  TOPIX  1945.27
01月限 日経225 26325.21  TOPIX  1900.71
02月限 日経225 27779.75  TOPIX  1986.19
03月限 日経225 28377.34  TOPIX  2047.32
04月限 日経225 28519.43  TOPIX  2019.76
05月限 日経225 29235.08  TOPIX  2090.33
06月限 日経225 32018.38  TOPIX  2211.13
07月限 日経225 32484.24  TOPIX  2245.68
08月限 日経225 32013.86  TOPIX  2278.68
09月限 日経225 32921.39  TOPIX  2370.93
10月限 日経225 32360.91  TOPIX  2326.75

◆日経225先物(日足)
         始値   高値   安値   清算値  前日比
23/12 10月20日  31440  31730  31110  31220  -180
23/12 10月19日  31960  32070  31400  31400  -640
23/12 10月18日  32020  32230  31820  32040  ±0
23/12 10月17日  31690  32260  31590  32040  +360
23/12 10月16日  32320  32340  31560  31680  -570

◇TOPIX先物(日足)
         始値   高値   安値   清算値  前日比
23/12 10月20日  2266.0  2279.0  2242.0  2251.0  -11.5
23/12 10月19日  2291.0  2296.0  2256.5  2262.5  -33.0
23/12 10月18日  2291.0  2310.0  2279.0  2295.5  +4.0
23/12 10月17日  2277.0  2310.5  2270.5  2291.5  +15.0
23/12 10月16日  2308.0  2311.0  2265.5  2276.5  -29.0

●シカゴ日経平均 円建て
          清算値  前日大阪比
10月20日(12月限) 31060  -160
10月19日(12月限) 31315  -85
10月18日(12月限) 31640  -400
10月17日(12月限) 32110  +70
10月16日(12月限) 31960  +280
※前日比は大阪取引所終値比

□裁定取引に係る現物ポジション裁定残(金額)
        売り   前週末比   買い    前週末比
10月13日    476億円  -346億円  6717億円  -877億円
10月06日    823億円  +548億円  7594億円  -4435億円
09月29日    274億円  +263億円 1兆2030億円  -2481億円
09月22日     11億円  +11億円 1兆4512億円  -575億円

□裁定取引に係る現物ポジション(株数)
        売り      前日比  買い       前日比
10月18日    880万株   -303万株  2億8383万株   +99万株
10月17日    1184万株     0万株  2億8284万株   -1234万株
10月16日    1184万株    -66万株  2億9518万株   -484万株
10月13日    1251万株   -1433万株  3億0002万株   -1531万株
10月12日    2685万株   +420万株  3億1534万株   -1785万株
10月11日    2265万株   +1092万株  3億3319万株   -365万株
10月10日    1172万株   -1200万株  3億3684万株   -319万株
10月06日    2372万株   +229万株  3億4003万株   -5078万株
10月05日    2143万株   +566万株  3億9082万株   -2385万株
10月04日    1577万株   +326万株  4億1467万株   -3539万株
10月03日    1250万株   +301万株  4億5006万株   -2111万株
10月02日    949万株    +23万株  4億7118万株   -4445万株

■日本銀行による指数連動型上場投資信託(ETF)買い入れ推移(通常ETF分)
【2022年】
1月14日  701億円
1月25日  701億円
2月14日  701億円
3月07日  701億円
4月07日  701億円
5月19日  701億円
6月13日  701億円
6月17日  701億円
12月2日  701億円
【2023年】
3月13日  701億円
3月14日  701億円
10月4日  701億円


【チャート】

◆1日の値動き=15分足チャート(日経225先物ミニ12月限)

日経225先物ミニ12月限15分足チャート2023/10/20(金)16:30~2023/10/23(月)15:15


◆過去2週間の値動き=1時間足チャート(日経225先物ミニ12月限)

日経225先物ミニ12月限1時間足チャート2023/10/09(月)16:30~2023/10/23(月)15:15


◆過去6ヵ月の値動き=日足チャート(日経225先物ミニ12月限)

日経225先物ミニ12月限日足チャート2023/04/23(日)16:30~2023/10/23(月)15:15


【経済イベント指標】

◆2023/10/20(金)の経済指標結果


◆2023/10/23(月)の経済イベント予定


【主要ニュース】

◆今朝の主要ニュース(23日ブルームバーグ)

2023/10/23(月)06:01

要約(ChatGPT併用)

  • アジア時間23日の外為市場で円が1ドル=150円台に落ち、日米金利差による円売り・ドル買い圧力が強まり、日本の通貨当局の為替介入への警戒が増加

  • イスラエルはガザのイスラム組織ハマスによる人質解放の外交努力を支持し、ヒズボラのレバノン戦争リスクに警戒、イラクの米軍基地がロケット攻撃の危険性

  • 台湾の鴻海精密工業が中国当局の調査に協力、環球時報はフォックスコン関連の税務当局調査と土地利用精査を報道

  • 米下院議長選に共和党から9人が立候補、ジョーダン議員の指名取消で選出が遅れ、エマー議員やセッションズ議員も含まれる

  • 米の自動車ローン滞納率が30年ぶりに上昇、背景には自動車価格の上昇と借入コスト増、学生ローン再開と金融当局の高金利方針が影響

本文ここから

再び150円台
アジア時間23日早朝の外国為替市場で円相場が再び1ドル=150円台に下落した。日米金利差を意識した円売り・ドル買い圧力が強く、日本の通貨当局による為替介入への警戒感が高まっている。円相場は対ドルで一時前営業日比0.2%安の150円11銭まで下落。3日の海外市場では150円16銭と昨年10月21日以来の安値を付けた後、147円43銭まで急反発する場面があった。日本銀行がディーラーに相場水準を尋ねる「レートチェック」や実弾介入の有無は明らかでないが、市場の警戒感の強さを示した。

地上侵攻後ずれも
イスラエルはガザでイスラム組織ハマスによって捕らえられている人質を早急かつ大規模な形で解放するための外交努力を支持していると、交渉に詳しい複数の関係者が語った。ガザへの地上侵攻の先延ばしや作戦の変更につながる可能性もあるという。イスラエル軍は親イラン民兵組織ヒズボラが隣国レバノンを戦争に引きずり込む危険性があると警告。一方、米軍と多国籍軍が駐留するイラクの空軍基地がロケット弾の標的となり、ブリンケン米国務長官はイランの代理勢力に対して米軍を攻撃しないよう強くけん制した。

中国当局が調査
アップルのスマートフォン「iPhone」の受託生産で知られる台湾の鴻海精密工業は、中国当局の調査に協力すると明らかにした。内容については明示していない。中国共産党系の新聞、環球時報はこれに先立ち、税務当局が広東省と江蘇省にあるフォックスコンの関連会社に対する調査を行っていると報道。河南省と湖北省におけるフォックスコンの土地利用について天然資源当局が精査しているとも報じていた。

下院議長選
米下院議長選はこれまでに共和党から9人が立候補を表明した。ジョーダン議員の候補指名取り消しで振り出しに戻っていた議長選出のプロセスがさらに長引く可能性がある。マッカーシー前議長に近いトム・エマー議員、下院議事運営委員会の委員長を務めたピート・セッションズ議員ら9人が立候補を表明。マクヘンリー暫定議長によると、共和党は23日にワシントンに戻り、午後6時半から議長候補者に関する会合を開催。24日に選出手続きを開始する。

約30年ぶり高水準
米自動車ローンの滞納率がおよそ30年ぶりの水準に上昇している。格付け会社フィッチによると、サブプライム層向け自動車ローンの延滞率(60日以上)は9月に6.11%となり、データがさかのぼれる1994年以降で最も高い水準となった。背景には、自動車価格の値上がりと借り入れコストの上昇がある。米金融当局は長期にわたって高金利を維持する方針を示唆しており、とりわけ数百万人に上る最近の学生ローン返済再開を踏まえれば、自動車ローンの延滞増加は今後も続く可能性が高い。

その他の注目ニュース:
債券トレーダーが「シートベルト」、米国債の乱高下は始まったばかり www.bloomberg.co.jp

ECBはピーク金利を長期維持へ、経済への脅威にもかかわらず-調査 www.bloomberg.co.jp

不動産投資で広がるESG考慮、「社会貢献」主因-三井住友信託調査 www.bloomberg.co.jp


◆海外ヘッドライン一覧(23日ロイター)

2023/10/23(月)07:03

本文ここから

  • 中国、持続的景気回復を促進へ リスクは抑制=人民銀総裁
  • 〔今週の主要材料〕海外市場 
  • 中国船、南シナ海でフィリピン船と衝突 非難の応酬 
  • 米主要500社の第3四半期、1.1%増益の見込み=LSEG
  • 米石油・ガス掘削リグ稼働数、2週連続増加 
  • 豪首相、11月に中国訪問 ワイン関税見直しで合意 
  • 米、中東に防空システム追加配備へ 米軍への攻撃増加受け
  • 米が安保理決議案、イスラエルの自衛支持 イランに武器供与停止要求
  • ガザ情勢巡り「カイロ平和サミット」、打開策なく閉幕
  • イスラエル・レバノン国境で交戦、ヒズボラ戦闘員6人死亡
  • ハマス、人質解放の意向「拒否された」、イスラエルは否定
  • ガザ支援物資が初めて到着、イスラエルは攻撃強化を警告
  • 米英がカナダ支持表明、シーク教徒殺害事件巡るインドとの対立で
  • ウクライナ、東部アブデーフカでロシアの猛攻撃退=ゼレンスキー氏
  • イスラエル首相「勝利まで戦う」、ハマスによる人質2人解放後に声明

【日中取引OPEN前まとめ】

◆日経225先物テクニカルポイント(21日夜間取引終了時点)

2023/10/21(土)07:10

本文ここから

 21日ナイトセッションの日経225先物は前日清算値比220円安の3万1000円で取引を終えた。夜間取引終了時点のテクニカルポイントは以下の通り。

33952.05円  ボリンジャーバンド3σ
33270.30円  ボリンジャーバンド2σ
32588.55円  ボリンジャーバンド1σ
32520.00円  一目均衡表・先行スパン2(雲上限)
32515.00円  一目均衡表・先行スパン1(雲下限)
32257.20円  75日移動平均
31906.80円  25日移動平均
31875.00円  一目均衡表・基準線
31830.00円  一目均衡表・転換線
31540.00円  5日移動平均
31259.36円  20日日経平均株価現物終値
31225.05円  ボリンジャーバンド-1σ
31000.00円  21日夜間取引終値
30543.30円  ボリンジャーバンド2σ
30170.05円  200日移動平均
29861.55円  ボリンジャーバンド3σ


◆日経225先物(寄り前コメント)=リバウンド狙いのロングは限られ、ショートカバーが入りやすい

2023/10/23(月)08:20

要約(ChatGPT併用)

  • NYダウ、S&P500、ナスダックの主要な株価指数が下落

  • 米長期金利の上昇が一服、しかし中東情勢に関する地政学リスクが増大

  • イスラエルとガザの緊張が高まり、バイデン米大統領が緊急予算を要請

  • テスラ、アマゾン、アップル、アルファベットなどの大型テック株が売られる

  • S&P500業種別指数の中で電気通信サービスと食品・飲料・タバコが上昇

  • シカゴ日経平均先物は大阪比160円安、日経225先物は取引をナイトセッションの安値で終了

  • 売り先行の展開が予想され、中東情勢のリスクで戻りが鈍る可能性

  • 日経225先物のナイトセッションではボリンジャーバンドの-1σを下回り、次なるターゲットは3万300円と予測

  • VIX指数は21.71に上昇し、リスク回避の流れが強まる

  • FOMCを控え、米経済指標や大型テック企業の決算が市場の焦点となる

  • NT倍率は13.86倍に低下し、大型テック銘柄の売り流れを意識

  • 地政学リスクの増大でバリュー株の売りが起こり、スプレッド狙いが困難と予想される

本文ここから

大阪12月限ナイトセッション
日経225先物 31000 -220 (-0.70%)
TOPIX先物 2238.0 -13.0 (-0.57%)
シカゴ日経平均先物 31060 -160
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)

 20日の米国市場は、NYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が下落。前日に一時5.0%台を付けた米長期金利が4.9%台前半と上昇は一服したものの、中東情勢を巡る地政学リスクの高まりが重荷となった。ガザ地上戦が近づくとの見方が強まるなか、バイデン米大統領がイスラエル支援などの緊急予算を議会に要請したと伝わり、中東情勢の悪化に対する警戒感が強まった。リスク回避の流れからテスラが6月以来の安値水準を付けたほか、アマゾン・ドット・コムやアップル、アルファベットなど大型テック株が売られた。S&P500業種別指数は電気通信サービス、食品・飲料・タバコの2セクターのみが上昇した一方で、自動車・同部品、銀行、ソフトウエア・サービス、保険、エネルギーが下落。
 シカゴ日経平均先物(12月限)清算値は、大阪比160円安の3万1060円だった。日経225先物(12月限)は日中比10円高の3万1230円で始まり、一時3万1370円まで買われた。その後は軟化し、3万1210円~3万1340円辺りで保ち合いを継続。米国市場の取引開始後にレンジを下放れ、3万1040円まで下落した。売り一巡後はリバウンドにより3万1270円とプラスに転じる場面も見られたが、終盤にかけて売り直され、3万1000円とナイトセッションの安値で取引を終えた。
 シカゴ先物にサヤ寄せする格好から、売り先行で始まることになりそうだ。節目の3万1000円まで下げてきたことで、いったんはショートカバーが入りやすいタイミングと考えられる。ただし、中東情勢を巡る地政学リスクの高まりを背景にリバウンド狙いのロングは限られ、戻りの鈍さが次第に意識されやすい。反対に、戻り待ち狙いのショートが入りやすい需給状況であろう。
 日経225先物はナイトセッションでボリンジャーバンドの-1σ(3万1230円)を明確に下回り、-2σが位置する3万550円辺りのほか、10月5日に付けた直近安値の3万300円処が目先のターゲットとして意識されてきそうだ。そのため、3万1000円処での底堅さを見極めつつ、-1σ接近で上値の重さが意識される局面では、ショートスタンスに向かわせそうだ。オプション権利行使価格の3万1000円を中心に3万500円から3万1250円のレンジを想定する。
 VIX指数は21.71(前日は21.40)に上昇した。10月4日に付けた20.88から12日には一時15.44まで低下したが、その後は同水準に位置する75日移動平均線を支持線として上昇しており、3月半ば以来の水準まで切り上がってきた。週足形状では52週線を明確に上回ってきており、3月の年初来高値である26.52を意識したトレンド形成が警戒されてリスク回避に向かわせやすい。
 来週に米連邦公開市場委員会(FOMC)を控えていることもあり、今週発表される米経済指標の結果に米長期金利は反応しやすいだろう。また、大型テック企業の決算を控えていることも様子見姿勢につながりやすく、商いは膨らみづらい状況が続くと考えられる。リバランス中心の需給となるなか、より短期的な売買の影響を受けやすく、その後のカバーも速そうだ。
 なお、先週末のNT倍率は先物中心限月で13.86倍に低下した。足もとで節目の14.00倍を回復した後の低下である。米国で大型テック銘柄が売られた流れもあり、目先的には13.78倍辺りに位置する25日線水準までの低下は意識しておきたい。ただし、地政学リスクの高まりに伴うポジション圧縮は、積み上がっていたバリュー株の売りにつながり、NTでのスプレッド狙いは取りづらいと考えられる。


【日経225先物08:45~15:15取引中】

【日本株09:00~15:00取引中】


【日本市場】

◆日経225先物日中取引クロージング:23日清算値=220円安、3万1000円

2023/10/23(月)15:17

本文ここから

 23日15時15分、大阪取引所の日経225先物期近2023年12月限は前週末清算値比220円安の3万1000円で取引を終えた。出来高は5万1849枚だった。この日の日経平均株価の現物終値3万999.55円に対しては0.45円高。


◆東京株式市場クローズ(23日)

日本市場クローズ-2023/10/23(月)-15:30


◆日本株市況クロージング=2週間ぶりに31000円台を割り込む(23日フィスコ)

2023/10/23(月)15:52

要約(ChatGPT併用)

  • 23日の日経平均は259.81円安の30999.55円で、約2週間ぶりに31000円台を割り込んで終了

  • 米国市場の下落流れと日銀での金利操作の再修正論浮上が影響

  • 日経平均は後場中盤に30974.26円まで落ち込み、寄り付き水準での下げ止まりの動きも

  • 中東情勢の緊迫化や米重要経済指標への警戒感が強まり、終盤は弱含む流れ

  • 東証プライムで値下がり銘柄が1300を超え、全体の8割超が下落

  • 医薬品、水産農林、食料品を除く30業種が下落、石油石炭、鉱業、鉄鋼、卸売の下げが目立つ

  • 第一三共、アステラス薬、資生堂、KDDIがしっかり、ファーストリテ、アドバンテス、ソフトバンクG、ダイキンが軟調

  • 米国市場は中東情勢の懸念で下落、東京市場もこれに影響

  • イスラエル政府がガザ地区の停戦可能性を否定、日経平均の下げ幅は一時280円超

  • 米の長期金利が高止まり、中東情勢悪化の懸念あり

  • 26日に米GDP、27日に米PCEデフレータ発表が控えている

  • GDPの高伸びとインフレ上振れの懸念、PCEデフレータの市場予想上振れが金融市場へのリスク

  • 中東の戦闘激化と国内企業決算本格化で、短期的な調整色強まる可能性

本文ここから

 23日の日経平均は3営業日続落。259.81円安の30999.55円(出来高概算11億6000万株)と6日以来約2週間ぶりに31000円台を割り込んで取引を終えた。前週末の米国市場が下落した流れを引き継ぐ格好から、日経平均は売り先行で始まった。また、「日銀で長短金利操作(イールドカーブ・コントロール、YCC)の再修正論が浮上している」と一部で伝えられたこともあり、後場中盤にかけて下げ幅を広げ、30974.26円まで下押した。その後は寄り付き水準まで下げ渋る動きも見られたが、中東情勢の緊迫化や米国での重要経済指標など見極め要因が多く、引けにかけて再び弱含む流れとなった。
 東証プライムの騰落銘柄は、値下がり銘柄が1300を超え、全体の8割超を占めた。セクター別では、医薬品、水産農林、食料品の3業種を除く30業種が下落。石油石炭、鉱業、鉄鋼、卸売の下げが際立っていた。指数インパクトの大きいところでは、第一三共<4568>、アステラス薬<4503>、資生堂<4911>、KDDI<9433>がしっかりだった半面、ファーストリテ<9983>、アドバンテス<6857>、ソフトバンクG<9984>、ダイキン<6367>が軟調だった。
 前週末の米国市場は、中東情勢の緊迫化が懸念されるなか、リスク回避の動きから主要株価指数は下落。東京市場もこの流れを受けて、値がさハイテク株を中心に売りが先行して始まった。また、「イスラエル政府の高官はパレスチナ自治区ガザ地区での停戦の可能性を否定した」と米メディアが伝えたこともあり、地政学リスクへの懸念が強まり、日経平均の下げ幅は一時280円を超えた。ただ、心理的な節目の31000円水準を割り込むと、押し目を拾う動きもみられた。
 米長期金利が高止まりしているほか、中東情勢悪化への警戒感もくすぶり地合いは良くない。今週は26日に7-9月期の米実質国内総生産(GDP)、27日に9月の米個人消費支出(PCEデフレータ)の発表が控える。GDPは高い伸びが予想されており、景気加速によるインフレ上振れ懸念が強まる可能性がある。PCEデフレータは、消費者物価指数(CPI)などから減速が予想されているが、市場予想を大きく上振れた場合には、世界的に金融市場にマイナスの影響が出る可能性が残ることには注意する必要がありそうだ。中東情勢も戦闘の激化が懸念されており、国内主要企業の決算も本格化するため、目先は調整色の強い展開を強いられそうだ。


◆日経平均大引け【↓】=3日続落、欧米株安や金利高で3万1000円台割れ (10月23日)

2023/10/23(月)18:52

要約(ChatGPT併用)

  • NYダウが3日続落し、286ドル安

  • 米長期金利の上昇一服、中東緊張拡大警戒で売り優勢

  • 東京市場の日経平均は3万1000円台を下回り終了

  • 欧米株の全面安影響で買いが入りづらい

  • 23日の東京市場はリスク回避ムードが強まる

  • 米国と欧州株市場での下落が続き、東京もマイナス圏

  • 中東情勢の不透明と米長期金利の高止まりが売りの要因

  • 国内長期金利10年ぶり高水準、日銀政策修正警戒感も

  • プライム市場では82%の銘柄が下落、売買代金3兆円台を割る

  • 個別銘柄でレーザーテック、アドバンテスト、ソシオネクスト、キーエンス等が下落

  • ディスコや第一三共、アステラス製薬、資生堂が上昇

  • 日経平均プラス寄与度上位は第一三共、アステラス、資生堂、KDDI、キッコマン

  • 日経平均マイナス寄与度上位はファストリ、アドテスト、SBG、ダイキン、ファナック

  • 東証33業種で上昇は医薬品、水産・農林業、食料品の3業種

  • 下落率小さい業種は電気・ガス、パルプ・紙、空運、その他製品、化学

  • 下落率大きい業種は石油石炭製品、鉱業、鉄鋼、卸売業、機械

本文ここから

日経平均株価
始値  31151.98
高値  31177.41(09:12)
安値  30974.26(13:40)
大引け 30999.55(前日比 -259.81 、 -0.83% )
売買高  11億6406万株 (東証プライム概算)
売買代金  2兆8792億円 (東証プライム概算)

■本日のポイント
 1.日経平均は3日続落、3万1000円台を割り込む
 2.前週末の欧米株が全面安でリスクオフ相場継続
 3.中東や米長期金利に加え、国内金利上昇も嫌気
 4.日銀の次回決定会合での政策修正観測も重荷に
 5.値下がり銘柄数は後場急増、全体の8割強が下落

■東京市場概況
 前週末の米国市場では、NYダウは前日比286ドル安と3日続落した。米長期金利の上昇は一服も中東の緊張拡大への警戒から売りが優勢となった。
 週明けの東京市場では、終始売り優勢の展開で日経平均株価はわずかながら3万1000円台を下回って引けた。前日の欧米株が全面安だったことを受け買いが入りにくかった。
 23日の東京市場は、前週後半の地合いを引き継ぎリスク回避ムードの強い地合いとなった。前週末の欧州株市場が総じて売られたほか、米国株市場でもNYダウをはじめ主要株価指数が下値を探る動きを継続、東京市場でも日経平均は終始マイナス圏での推移を強いられた。途中買い戻しで下げ渋る場面も何度かあったが、上値を買い進む動きには発展せず、結局この日の安値圏で着地している。中東情勢の不透明感や米長期金利の高止まりを嫌気する売りが続いている。国内長期金利が10年ぶりの高水準となったことも逆風材料。次回の日銀金融政策決定会合で日銀が政策修正を行うことへの警戒感が見送りムードを助長した。プライム市場の値下がり銘柄数は後場に入り急増、全体の82%の銘柄が下げたほか、売買代金も低調で3兆円台を下回った。
 個別では、レーザーテック<6920>が軟調、アドバンテスト<6857>も売りに押された。ソシオネクスト<6526>も安い。キーエンス<6861>が売りに押され、INPEX<1605>、三菱商事<8058>、三菱重工業<7011>なども安い。霞ヶ関キャピタル<3498>が急落したほか、アルインコ<5933>、アンビスホールディングス<7071>が大幅安。ヨシムラ・フード・ホールディングス<2884>、プラスアルファ・コンサルティング<4071>、インフォマート<2492>なども大きく下げた。
 半面、ディスコ<6146>が商いを膨らませ上昇したほか、第一三共<4568>が物色人気となり、アステラス製薬<4503>なども高い。資生堂<4911>が値を上げ、アシックス<7936>も買いが優勢だった。物語コーポレーション<3097>が値上がり率トップ、三信電気<8150>、ジンズホールディングス<3046>などが高く、東洋水産<2875>の上げ足も目立った。
 日経平均へのプラス寄与度上位5銘柄は第一三共 <4568>、アステラス <4503>、資生堂 <4911>、KDDI <9433>、キッコマン <2801>。5銘柄の指数押し上げ効果は合計で約30円。
 日経平均へのマイナス寄与度上位5銘柄はファストリ <9983>、アドテスト <6857>、SBG <9984>、ダイキン <6367>、ファナック <6954>。5銘柄の指数押し下げ効果は合計で約133円。
 東証33業種のうち上昇は医薬品、水産・農林業、食料品の3業種のみ。下落率の小さかった上位5業種は(1)電気・ガス業、(2)パルプ・紙、(3)空運業、(4)その他製品、(5)化学。一方、下落率の大きかった5業種は(1)石油石炭製品、(2)鉱業、(3)鉄鋼、(4)卸売業、(5)機械。

■個別材料株
△エムビーエス <1401> [東証G]
 10万株を上限とする自社株買いを実施へ。
△物語コーポ <3097> [東証P]
 TBSテレビ番組で「焼肉きんぐ」が取り上げられる。
△アステラス <4503> [東証P]
 ESMOにおける良好な試験結果発表を好感。
△キャンバス <4575> [東証G]
 CBP501の第2相臨床試験結果がESMO公式メディアでで報じられたと紹介。
△デルタフライ <4598> [東証G]
 ケミファ <4539> への第三者割当増資などによる資金調達を好感。
△ペルセウス <4882> [東証G]
 PPMX-T003第1相試験で被験者組み入れ完了。
△ディスコ <6146> [東証P]
 三菱UFJモルガン・スタンレー証券が目標株価を3万3200円に引き上げ。
△JET <6228> [東証S]
 半導体洗浄装置好調で成長力評価の見直し買い流入。
△ミナトHD <6862> [東証S]
 割安感強く一段の業績上振れも期待。
△三信電 <8150> [東証P]
 半導体販売想定以上に好調で4~9月期営業利益大幅増額。
▼monoAI <5240> [東証G]
 今期は一転最終赤字の見通しで失望売り。
▼エスユーエス <6554> [東証G]
 23年9月期業績の計画下振れを嫌気。

 東証プライムの値上がり率上位10傑は(1)物語コーポ <3097>、(2)三信電 <8150>、(3)JINSHD <3046>、(4)わらべ日洋 <2918>、(5)東洋水 <2875>、(6)資生堂 <4911>、(7)フリュー <6238>、(8)北洋銀 <8524>、(9)第一三共 <4568>、(10)瑞光 <6279>。

 値下がり率上位10傑は(1)霞ヶ関C <3498>、(2)アルインコ <5933>、(3)アンビスHD <7071>、(4)ヨシムラHD <2884>、(5)PAコンサル <4071>、(6)ウェルビー <6556>、(7)未来工業 <7931>、(8)テラスカイ <3915>、(9)マルマエ <6264>、(10)インフォMT <2492>。

大引け
 日経平均は前日比259.81円(0.83%)安の3万0999.55円。TOPIXは前日比16.84(0.75%)安の2238.81。出来高は概算で11億6406万株。東証プライムの値上がり銘柄数は265、値下がり銘柄数は1357となった。東証マザーズ指数は635.40ポイント(21.90ポイント安)。


◆日経225先物テクニカルポイント(23日日中取引終了時点)

2023/10/23(月)16:10

本文ここから

 23日の日経225先物は前日清算値比220円安の3万1000円で取引を終えた。テクニカルポイントは以下の通り。

33952.05円  ボリンジャーバンド3σ
33270.30円  ボリンジャーバンド2σ
32588.55円  ボリンジャーバンド1σ
32520.00円  一目均衡表・先行スパン2(雲上限)
32515.00円  一目均衡表・先行スパン1(雲下限)
32257.20円  75日移動平均
31906.80円  25日移動平均
31875.00円  一目均衡表・基準線
31815.00円  一目均衡表・転換線
31540.00円  5日移動平均
31225.05円  ボリンジャーバンド-1σ
31000.00円  23日先物清算値
30999.55円  23日日経平均株価現物終値
30543.30円  ボリンジャーバンド2σ
30170.05円  200日移動平均
29861.55円  ボリンジャーバンド3σ


◆日経225先物(引け後コメント)=戻り待ちのショートが入りやすい需給状況

2023/10/23(月)18:26

要約(ChatGPT併用)

  • 日経225先物(12月限)は3万1000円で取引終了

  • 寄り付きは3万1120円で、シカゴ日経平均先物清算値にサヤ寄せ、売りが先行

  • ナイトセッションで3万1000円まで調整、寄り付き直後は3万1170円まで下げ幅縮小

  • 前場中盤に軟化し、ランチタイムには3万1000円を記録

  • 後場中盤に3万970円まで下落し、3万1150円まで持ち直すも終値はナイトセッションと同じ

  • ボリンジャーバンドの-1σに接近し、押し目狙いのロングは慎重

  • 3万1000円を割り込み、リバウンド狙いも戻りは鈍い

  • ボリンジャーバンドの-1σが抵抗線、-2σがターゲットとなりそう

  • 東証プライムの売買高は11億6400万株、売買代金は約2カ月ぶりに3兆円未満

  • NT倍率は13.84倍に低下、25日移動平均線(13.78倍)が支持線

  • ニデックは2024年3月期第2四半期決算発表後、私設取引で初動2.0%超上昇

  • 日経225先物の主な取引先: 野村、みずほ、クレディスイス、日産、BNPパリバ、モルガンMUFG、バークレイズ、ソシエテジェネラル、ビーオブエー、ABNクリアリン

  • TOPIX先物の主な取引先: JPモルガン、SBI、ドイツ、三菱UFJ、ABNクリアリン、バークレイズ、ゴールドマン、ソシエテジェネラル、シティグループ、モルガンMUFG

本文ここから

日経225先物 31000 -220 (-0.70%)
TOPIX先物 2239.0 -12.0 (-0.53%)

 日経225先物(12月限)は、前日比220円安の3万1000円で取引を終了。寄り付きは3万1120円と、シカゴ日経平均先物清算値(3万1060円)にサヤ寄せする形、売りが先行した。ナイトセッションで節目の3万1000円まで調整したほか、グローベックスの米株先物が小幅ながらプラス圏で推移していたこともあり、寄り付き直後には3万1170円まで下げ幅を縮める場面も見られた。しかし、押し目狙いのロングは限られ、前場中盤にかけて軟化すると、3万1030円~3万1130円処で保ち合い、ランチタイムで3万1000円を付けた。狭いレンジでの推移が続くなか、後場中盤には3万970円まで売られ、売り一巡後に3万1150円まで持ち直したものの、結局はナイトセッションの終値水準で終えた。
 日経225先物はナイトセッションの終値を上回って始まったこともあり、短期のショートカバーを誘う動きもみられた。ただ、ボリンジャーバンドの-1σに接近する場面では押し目狙いのロングを慎重にさせた。同水準突破を仕掛けてくる流れとはならず、その後はショート優勢のなかで前引けにかけて軟化し、3万1000円水準での攻防となった。後場中盤に3万1000円を割り込み、いったんは調整一巡からリバウンド狙いの動きもみられたが戻りは鈍く、再びショートに向かわせたようだ。
 ボリンジャーバンドの-1σが引き続き抵抗線として意識されやすく、-2σが位置する3万530円辺りが目先的なターゲットになりそうだ。また、週足の形状も、-1σ(3万1240円)が抵抗となる一方で、-2σ(3万580円)が射程に入っている。そのため、3万1000円を挟んでの攻防を続けつつも、-2σをターゲットとした戻り待ち狙いのショートが入りやすい需給状況だろう。
 なお、東証プライムの売買高は11億6400万株と4営業日ぶりに12億株を下回り、売買代金は約2カ月ぶりに3兆円を下回る薄商いだった。積極的にポジションを積み上げてくる動きは限られ、スキャルピング中心の売買が続きそうである。
 NT倍率は先物中心限月で13.84倍に低下し、一時13.80倍まで下げた。25日移動平均線(13.78倍)が支持線として意識されやすく、同線に接近するなかでは、ややNTショートを巻き戻す動きに向かわせたようだ。NT倍率は直近では低下傾向にあるが、NTスプレッド狙いというよりは、リスク回避に伴う持ち高調整が中心とみられる。
 また、取引終了後に2024年3月期第2四半期決算を発表したしたニデック <6594> [東証P]は、私設取引で初動は2.0%超上昇するなど買いで反応したが、その後は2.0%ほど下落して推移しており、投資家心理を神経質にさせそうだ。
 手口面では、日経225先物は野村証券が847枚、みずほ証券が691枚、クレディスイス証券が300枚、日産証券が163枚、BNPパリバ証券が161枚の買い越しに対して、モルガンMUFG証券が548枚、バークレイズ証券が534枚、ソシエテジェネラル証券が338枚、ビーオブエー証券が293枚、ABNクリアリン証券が213枚の売り越しだった。
 TOPIX先物は、JPモルガン証券が1952枚、SBI証券が1684枚、ドイツ証券が308枚、三菱UFJ証券が271枚、ABNクリアリン証券が262枚の買い越しに対して、バークレイズ証券が1345枚、ゴールドマン証券が1214枚、ソシエテジェネラル証券が936枚、シティグループ証券が444枚、モルガンMUFG証券が340枚の売り越しだった。


【NEWS】

◆海外ヘッドライン一覧(23日ロイター)

2023/10/23(月)20:17

本文ここから

  • ドイツ経済、第3四半期は縮小した可能性高い=中銀月例報告
  • 米シェブロン、ヘスを530億ドルで買収 全額株式交換 
  • 中国の鴻海系列会社への税務調査、総統選絡みで公表か=関係筋
  • 中国の黒鉛輸出規制、代替調達加速へ 対応には時間も

  • パイプライン破損調査で中国船が焦点に、中国は客観的調査求める

  • ガザ情勢「非常に深刻」と中国特使、UAEなど中東歴訪へ
  • 中国、フィリピン船との衝突巡る米国声明に反発 「事実を無視」
  • イスラエルがガザとレバノン空爆、西岸で衝突 ハマス・イラン協議

  • 〔アングル〕中ロ、ガザ危機で「パレスチナ支援」の共通大義

  • 〔インサイト〕軍事関与避けるイラン、ハマス支援との整合性に苦慮
  • 〔FEDフォーカス〕債券利回り上昇でタームプレミアムに注目、利上げの必要性低下か
  • 〔アングル〕投資家は逃避先探しで苦戦か、米株の変動率拡大で
  • 〔GRAPHIC〕アジア債券市場、9月に資金が大量流出 米国債利回り急騰で
  • 〔ロイター調査〕アルゼンチン経済、24年も景気後退続く
  • 〔ロイター調査〕カナダ中銀、金利を5%に据え置きか 
  • 〔ロイター調査〕サハラ以南アフリカ経済、24年は3.7%拡大へ インフレ低下で
  • 〔今週の主要材料〕海外市場 

  • 中国でiPhone15販売低迷、電子商取引サイトが大幅値引き

  • 中国の9月資本流出は750億ドル、2016年以来の高水準=ゴールドマン

  • BUZZ-南アランド小動き、今週は国外要因が相場左右か 

  • イスラエルがガザとレバノン空爆、西岸で衝突 ハマス・イラン協議
  • フィリピン、中国を「侵略者」と批判 南シナ海船舶衝突で
  • ロシュ、腸疾患治療薬開発のテラバント買収へ 71億ドル
  • 中国の鴻海系列会社への税務調査、総統選絡みで公表か=関係筋

  • 中国、金融政策会議を来週開催 中期課題設定へ=通信社

  • シンガポール9月コアCPI、前年比+3.0%に鈍化 
  • 中国ストックコネクト、香港からの投資データ開示縮小も
  • 中国アリババ、「独身の日」セールで大幅値引きへ 
  • アルゼンチン大統領選、与党候補首位で市場の懸念緩和へ

  • ロシアが世界中で選挙妨害、米情報分析を100カ国超に通知

  • 豪トレジャリー・ワイン、関税見直し後の中国事業再建に期待
  • グラファイト消費国で11月に輸入加速か、中国の輸出許可制で
  • トヨタ、インド政府にハイブリッド車税率引き下げ要請
  • 韓国・現代自動車、サウジ政府系ファンドと合弁工場建設へ
  • 独VW、通期の営業利益率見通しを下方修正 ヘッジで損失
  • サムスンSDI、現代自動車にEV用電池を供給へ 
  • 北朝鮮、ウクライナへのミサイル供与巡り米国を非難 
  • シンガポール政府、電力業界向けガス購入・供給を一元管理へ

  • S&P、エジプト長期ソブリン債「Bマイナス」に格下げ

  • 印ペイティーエムの7─9月期、4四半期連続で営業黒字 融資が堅調
  • アルゼンチン大統領選、与党と第三極候補が決選へ 
  • S&P、オランダのトリプルA格付け維持 見通し「安定的」
  • 中国、中東情勢巡り先行き懸念 紛争拡大で=国営メディア
  • 原油先物下落、ガザ支援物資到着や紛争拡大阻止の取り組み受け
  • インドネシア大統領選、現職ジョコ氏長男が副大統領候補に
  • 北海ブレント原油先物が1ドル超下落、1バレル=91.14ドル
  • 欧米首脳、イスラエルに民間人保護を要請 6カ国が共同声明

  • イスラエル軍、ガザの病院付近を空爆=パレスチナメディア

  • イタリアのメローニ政権発足1年、景気低迷と高金利が主要問題
  • 米、中東派遣軍に攻撃激化の可能性想定 イランの動き警戒
  • イラン、アルメニア・アゼル外相による和平協議を23日主催へ
  • 米財政赤字、23年度は23%増の1.7兆ドル コロナ禍以降で最大
  • イスラエル軍、レバノンのヒズボラ2拠点を空爆と発表 
  • パリでパレスチナ支持の大規模デモ、衝突発生後警察が初許可
  • ロシア、ウクライナ東部アブデーフカや南部ヘルソン州で攻撃強化
  • 中国副首相、アップルに投資や協力強化を呼び掛け 
  • 世界の大富豪に最低税率導入を提唱、年2500億ドル徴収も=パリの調査機関
  • ムーディーズ、英国の見通しを「ネガティブ」から「安定的」に変更
  • S&P、ギリシャを投資適格級に格上げ 2010年の危機以来
  • スイス総選挙、第1党の右派が勢力拡大 移民抑制策に支持
  • 米とEU、鉄鋼・アルミ関税で合意に至らず 交渉継続へ
  • イスラエル・ハマス戦闘激化、周辺国への拡大懸念高まる
  • 鴻海、中国当局が系列会社の税務と土地使用を調査=環球時報
  • 金利高止まりと商業用不動産が最大の懸念=FRB金融安定報告書
  • ガザに2日連続で支援物資搬入、イスラエル戦車がエジプト拠点に誤射

  • 中国、持続的景気回復を促進へ リスクは抑制=人民銀総裁

  • 中国船、南シナ海でフィリピン船と衝突 非難の応酬 
  • 米主要500社の第3四半期、1.1%増益の見込み=LSEG
  • 米石油・ガス掘削リグ稼働数、2週連続増加 
  • 豪首相、11月に中国訪問 ワイン関税見直しで合意 
  • 米、中東に防空システム追加配備へ 米軍への攻撃増加受け
  • 米が安保理決議案、イスラエルの自衛支持 イランに武器供与停止要求
  • ガザ情勢巡り「カイロ平和サミット」、打開策なく閉幕
  • イスラエル・レバノン国境で交戦、ヒズボラ戦闘員6人死亡
  • ハマス、人質解放の意向「拒否された」、イスラエルは否定
  • ガザ支援物資が初めて到着、イスラエルは攻撃強化を警告
  • 米英がカナダ支持表明、シーク教徒殺害事件巡るインドとの対立で
  • ウクライナ、東部アブデーフカでロシアの猛攻撃退=ゼレンスキー氏
  • イスラエル首相「勝利まで戦う」、ハマスによる人質2人解放後に声明

◆[NEWS]Analysis: Time for central bank digital currencies to prove their worth 分析:中央銀行がデジタル通貨の価値を証明する時がきた(22日ロイター)

October 22, 2023 05:08 PM GMT+9

要約(ChatGPT併用)

  • 欧州中央銀行(ECB)は、数年以内にデジタルユーロを導入する方向で動いており、新しい形態の通貨がその価値を証明する時が来ている。

  • 一部の国々は中央銀行デジタル通貨(CBDC)を導入しており、中国は2億人のユーザーを対象にプロトタイプの元を試験している。

  • ECBの最近の動きは、デジタル通貨の導入を進める西洋の主要な中央銀行として初めてのもので、これが世界的な基準となる可能性がある。

  • CBDCの支持者は、新しい機能で支払いを近代化し、急速に減少している物理的な現金の代替として機能すると主張している。

  • しかし、CBDCがどのように進歩を示すのかについての疑問が残っており、導入された国々では採用率が低い。

  • ECBのデジタルユーロプロジェクトを監督するFabio Panettaは、デジタルユーロは通貨を「未来に備える」手助けとなると述べている。

  • 中央銀行は、Facebookが独自の通貨を計画した5年前に行動を起こすようになったが、多くの政策立案者はCBDCが必要である理由を完全に説明できてはいない

  • 米国の連邦準備銀行や日本銀行がリテールCBDCを導入するかは未知数

  • インドは、10億人以上の人口を持つアジアの巨人であるが、開かれた経済を持つため、中国よりも効果的なテスト環境となり得る

  • カナダなどはCBDCの導入を控えめに進めている一方、既にCBDCを使用している国々は大きな関心を集めていない

  • バハマは2020年に世界初のデジタル通貨を導入したが、今年のデータによれば、SandDollarの個人取引が年初から7か月で11%減少

  • IMFの論文は、ナイジェリアのeNairaの公衆による採用が「期待外れに低い」とし、ウォレットの98.5%が使用されていないことを指摘

  • ナイジェリア中央銀行はeNairaの現在の採用状況がCBDCの初期の認知度を反映していると応答

  • IMFの副専務理事、Bo Liは、多数の国々がCBDC計画を進めており、ガイドを公開予定で、XCプラットフォームの構築を進めている

  • Atlantic CouncilのLipskyは、ECBやインドが選択する技術が、VHSがビデオテープ時代に果たしたように、世界標準を定義し始める可能性がある

  • CBDCの開発に関する「包括的な問い」は、金融システムをどのように改善するかであるとLipskyは述べている

本文ここから

LONDON, Oct 22 (Reuters) - A milestone move by the European Central Bank toward launching a digital euro within a few years means the time has come for the newest incarnation of money to prove its worth.

A few countries have introduced central bank digital currencies (CBDCs), China is trialling a prototype yuan with 200 million users, India is gearing up for a pilot and some 130 countries representing 98% of the global economy are exploring digital cash.

The ECB's move on Wednesday to establish a pilot that could lead to a digital currency for the 20 countries that use the common currency, making it the first heavyweight Western central bank to formally forge ahead, could become a global blueprint.

Supporters say CBDCs will modernise payments with new functionality and provide an alternative to physical cash, which seems in terminal decline.

But questions remain why CBDCs represent an advance, with uptake low in countries such as Nigeria that have adopted them, as well as protests against the ECB’s plans, showing public concern about snooping.

Commercial bankers fret about the costs and possible deposit bleeds as customers could move money into central bank accounts, while developing countries worry that an easily accessible digital dollar, euro or yuan could cause havoc in their systems.

'WHAT IS MONEY?' The ECB's plan "is a very big deal, and a lot of the rest of the world is watching this closely", said Josh Lipsky, who runs a global CBDC tracker at the Atlantic Council.

"It is one of the biggest central banks, so if it comes up with answers to the privacy and cyber security issues and the ability to use it offline, it will be a very influential."

Central banks were spooked into action five years ago when Facebook floated plans for a breakaway currency. Now, though, policymakers have yet to fully persuade many why CBDCs are needed.

Fabio Panetta, the ECB Executive Board member overseeing the bank's digital euro work, said it would help "future-proof" the currency and reduce what he called an over-reliance on the payment systems of U.S.-based credit cards.

But experts are scratching their heads.

"It's not yet clear what the thing is that could be done with a retail CBDC that couldn't also be replicated with commercial bank money," said Barclays' managing director of advanced technologies, Lee Braine, who has been involved in some of the Bank of England's digital pound projects.

"You are potentially breaking some of the singleness of money" he said, flagging the risk of a two-tier system if CBDCs are allowed different functionality or data disclosure rules than bank accounts.

"This all comes down to, what is money?"

DEFINING A GLOBAL STANDARD A key unknown is whether the U.S. Federal Reserve or Bank of Japan will launch retail CBDCs.

India could be a more effective test environment than China because, while each Asian giant has more than 1 billion people, India has a far more open economy.

In contrast, Canada and some others appear to be tapping the brakes, while most of those already using CBDCs are seeing very little interest.

Data this month from the Bahamas, which launched the world's first digital currency in 2020, showed personal transactions of its SandDollar were down 11% in the first seven months of the year while wallet top-ups had plunged four fold.

An International Monetary Fund (IMF) paper in May described public adoption of Nigeria's eNaira as "disappointingly low", with 98.5% of wallets never even used.

"The current adoption level of eNaira has been reflective of the early stage of CBDC awareness," the country's central bank said in a written response to questions, adding it had been "consistent" with expectations.

Bo Li, an IMF deputy managing director, said this month the multilateral lender was helping dozens of countries with CBDC plans and would soon publish a how-to guide. It is building what it calls its XC platform, meant to process or "settle" CBDCs transactions.

The Atlantic Council's Lipsky said this, along with the technology choices the ECB and India make, could start defining a worldwide standard, as VHS did early in videotape era.

"The overarching question" about developing CBDCs, Lipsky said, "is how does this improve the financial system? That it really what it's all about".

(This story has been refiled to add dropped word 'the' in paragraph 1)


◆[NEWS]日銀マイナス金利「解除後」に関心強める市場、金利到達点で議論百出(23日ブルームバーグ)

2023/10/23(月)12:12

要約(ChatGPT併用)

  • 金融市場は日銀の金利上昇幅や長期金利の上昇を注視

  • ブルームバーグによるマイナス金利解除の予測:年内20%、4月まで100%

  • 丹治倫敦氏:中立金利は金利上昇の基準となる

  • エコノミストの中立金利のイメージ:0.5%~2%

  • 日銀の方針転換は市場での既定路線とされる

  • 関根敏隆氏:中立金利を1.8%と見る、長期金利は2%まで上昇の可能性

  • 前田栄治元理事:中立金利は2%と指摘、2%到達は28年1月の可能性

  • SMBC日興の丸山義正氏:中立金利を0.5-1.5%と位置付け

  • 奥村任氏:現在の4年後1年フォワード金利は1%強

  • 中立金利の変動の要因として、米国の自然利子率上昇が考えられる

  • 丹治氏:日銀が中立金利を早期に示すことは長期金利の安定に寄与

本文ここから

 早期のマイナス金利解除を既に織り込んだ金融市場は、日本銀行がその後どこまで金利を上げるのか、長期金利はどこまで上がるのかに関心を向け始めている。
 ブルームバーグがOIS(オーバーナイト・インデックス・スワップ)カーブから導き出すマイナス金利解除の織り込みは年内が20%、4月までが100%だ。
 みずほ証券の丹治倫敦チーフ債券ストラテジストは、日銀が本格的な正常化に踏み込んだ場合、「どこまで利上げするか」がイールドカーブ(利回り曲線)形成を考える上で重要であり、その基準となるのが景気や物価に対し緩和的でも引き締め的でもない「中立金利」だと言う。
 エコノミストらが現状イメージする中立金利は0.5%から2%と幅広い。日本は2%の政策金利を30年近く経験してないが、日銀の元チーフエコノミストはそこまで利上げされる可能性があると警告している。一方、利上げ幅が0.5%にとどまれば、前回利上げ局面の2006-07年と同じで、金融政策の正常化は道半ばで頓挫することになる。
 金利上昇圧力が高まる中、世界で唯一マイナス金利を続ける日銀の方針転換はもはや既定路線と市場ではみられている。マイナス金利解除後の長期金利の動向は外債保有を増やしてきた国内投資家の円債回帰の鍵を握るほか、日銀が政策金利の展望を示すことが金利の安定につながるとの見方もある。

日銀の短期政策金利が2%だったのは30年前 | 日銀が誘導目標としてきた無担保コール翌日物金利の推移

 元日銀調査統計局長の関根敏隆氏は中立金利を1.8%とみている。中立金利は自然利子率とインフレ率の和で、前者は日銀の分析でゼロ%程度。生鮮食品とエネルギーを除く消費者物価(CPI)の2年先の見通しが「日銀が考える基調的なインフレ率」で、双方を足した水準だ。長期金利は「さらに1ノッチ(段階)上がっていくのが自然な姿」であり、2%程度まで上昇する可能性があるとしている。
 同じく調査統計局長経験者の前田栄治元理事は16日付の日本経済新聞で、中立金利は2%程度と指摘した。早ければ24年1月にマイナス金利解除、その後半年に0.25%ずつ引き上げ、「2%程度まで利上げする可能性もゼロではない」としている。そのペースで進むなら、2%到達は28年1月となる。
 一方、SMBC日興証券の丸山義正チーフマーケットエコノミストは中立金利を広いレンジで0.5-1.5%と位置付けており、日銀は下限の0.5%程度までの利上げを念頭に正常化プロセスを開始すると予測。正常化開始後1年以内に政策金利は0.5%に達する可能性があるとみる。丸山氏が想定する正常化開始時期の確率(9月15日時点)は24年3月以前が15%、4月が35%、同10月が40%だ。
 同証の奥村任シニア金利ストラテジストは、政策金利到達点の市場の織り込みを反映しているとして、足元で1%強にある4年後1年フォワード金利に注目している。数年前は日銀が利上げできても0.5%程度とみられていたが、米国で自然利子率が上昇しているとの議論が活発化し、日本の中立金利も変化している可能性があると分析。「真実は0.5%と2%の中間ではないか」と言う。
政策金利到達点の織り込みを反映か | 4年後1年フォワード金利は1%強で推移

 みずほ証券の丹治氏は、日銀がイメージする中立金利を早期に示すことは短期金利の長期平均見通しを基に形成される長期金利の安定に大きく寄与するとの見方だ。正常化入りの際、日銀が中立金利のイメージを示す可能性は「相応に高いように思える」と話している。

エコノミストの見方

バークレイズ証券の山川哲史チーフエコノミスト
 日本の中立的な実質金利をマイナス0.5%、中長期的なCPI上昇率の基調を2%水準とすると、中立金利は最終的に1.5%前後に収れんする。日銀は当面、同水準を下回る0.5-1.0%を目安に短期政策金利を緩やかに誘導する可能性が高い。

モルガン・スタンレーMUFG証券の山口毅日本チーフエコノミスト
 日本の期待インフレ率はゼロ%ないしマイナスから抜け出したとは考えているが、 依然2%物価目標に十分アンカーされたかについては懐疑的だ。長期の期待インフレ率は1%程度で、名目の中立金利も1%程度にとどまる。

BNPパリバ証券の河野龍太郎チーフエコノミスト
 日本の自然利子率はマイナス0.5%程度なので、2%インフレが定着する場合、政策金利は本来1.5%程度まで引き上げる必要がある。ただ、ゼロ金利政策が四半世紀続いた日本でそこまで引き上げるのは金融経済にストレスがかかる。金利上昇がインフレ上昇に追いつかない場合、実質金利の低下が円安インフレのスパイラルを引き起こすリスクがあるだろう。

野村証券の松沢中チーフストラテジスト
 中立水準として1.8%はやや高過ぎる。この景気サイクル中に日銀が中立水準まで利上げできるかも疑わしい。2%インフレを定着させるほど賃金上昇率がすう勢的に高まるにはかなりの時間を要する。政策金利が1%に達する頃には米国で見られたような銀行破たんに発展するリスクが意識される。

関連記事
長期金利0.8%と10年超ぶり高水準、スワップ1%到達-日銀修正観測 www.bloomberg.co.jp

市場のインフレ期待が約9年ぶり高水準、原油高と円安で物価先高観 www.bloomberg.co.jp

日本の金融機関、金利上昇に耐え得る損失吸収力を維持-日銀 www.bloomberg.co.jp

機動的に対応しつつ粘り強く緩和継続、不確実性極めて高い-日銀総裁 www.bloomberg.co.jp

24年春闘の基本構想、賃上げ目標「5%以上」の方針固める-連合 www.bloomberg.co.jp

長期金利2%に上昇も、マイナス金利解除後に備えを-日銀元調査局長 www.bloomberg.co.jp


◆[NEWS]米10年国債利回りが一時5%突破、2007年以来(23日ブルームバーグ)

2023/10/23(月)18:17 更新日時 2023年10月23日 19:31 JST

要約(ChatGPT併用)

  • 米10年国債利回りが23日に16年ぶりの5%を突破し、米金融当局の高金利維持と米政府の債券増発観測が背景

  • 利回りは11ベーシスポイント上昇して2007年以来の5.02%を記録

  • FRBのパウエル議長は景気が底堅くインフレリスクが高まる場合、追加の利上げも考慮していることを示唆

  • 米政府の財源不足による債券供給増加の予測と米財政の持続性への懸念が米国債相場を圧迫

  • TDセキュリティーズのストラテジストは、短期的な魅力的な利回りも、投資家はリスクを待つ姿勢で、金利の高ボラティリティが続くと予想

  • モルガン・スタンレー・インベストメント・マネジメントは5%超の米10年債利回りは「買い」とし、フェアバリューを超えていると評価

本文ここから

 米10年国債利回りが23日の金融市場で、16年ぶりに5%を突破した。米金融当局が高水準の金利を維持し、米政府も拡大する財政赤字を賄うため債券を増発するとの観測が背景だ。
 米10年債利回りは一時11ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇し、2007年以来の高水準となる5.02%を付けた。
米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は先週、金融当局が11月の連邦公開市場委員会(FOMC)での金利据え置きに傾いているが、景気が底堅くインフレリスクをあおる場合には、引き続き追加利上げを辞さない構えも示唆した。

US 10-Year Yield Rises to 5% for First Time Since 2007 | Traders are wagering the Fed will keep policy rates high for longer

 財源不足で米政府は債券供給の増加を強いられる公算が大きく、米財政の持続性可能性に対する懸念が高まっていることも、米国債相場を押し下げている。8月の四半期定例入札は2年半ぶりの規模に上ったが、米財務省は11月の借り換えを今準備している。
 TDセキュリティーズのストラテジスト、ゲンナジー・ゴールドバーグ、モリー・マクガウン両氏は最近のリポートで、「短期的には魅力的に見える水準だが、テクニカル的に弱い中で投資家は落ちてくるナイフをつかもうとはせず、(地政学的なリスクや鈍化するデータなど)材料を引き続き待とうとするのではないか」と指摘。「これにより極めて高水準の金利ボラティリティーが短期的に続く可能性がある」と予想した。
 一方、モルガン・スタンレー・インベストメント・マネジメントによれば、5%を超える米10年債利回りは買い。この水準では同社が判断するフェアバリューをオーバーシュートしているとみている。

関連記事
パウエル議長、FOMCは「慎重に進んでいる」-利上げの選択肢残す www.bloomberg.co.jp

利回り5%の米国債は買い、「絶好の水準」-モルガン・スタンレー www.bloomberg.co.jp

原題:
Treasury 10-Year Yield Breaches 5% for First Time Since 2007 (1)(抜粋)


【昨日の世界の新聞一面】

◆2023-10-22 Sun - The New York Times - New York, N.Y. USA

2023-10-22 Sun - The New York Times - New York, N.Y. USA


◆2023-10-22 Sun - Los Angeles Times - Los Angeles, Calif. USA

2023-10-22 Sun - Los Angeles Times - Los Angeles, Calif. USA


◆2023-10-22 Sun - The Pioneer New - Delhi, India

2023-10-22 Sun - The Pioneer New - Delhi, India


◆2023-10-22 Sun - Frankfurter Allgemeine Zeitung - Frankfurt, Germany

2023-10-22 Sun - Frankfurter Allgemeine Zeitung - Frankfurt, Germany


◆2023-10-22 Sun - The Jerusalem Post - Jerusalem, Israel

2023-10-22 Sun - The Jerusalem Post - Jerusalem, Israel


◆2023-10-22 Sun - Muscat Daily - Muscat, Oman

2023-10-22 Sun - Muscat Daily - Muscat, Oman


◆2023-10-22 Sun - Daily Mail - London, UK

2023-10-22 Sun - Daily Mail - London, UK