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【マーケット記録】2023/09/29(金) 最終版

【総まとめ】

  • ロンドン株式市場は小幅反発で終了。石油株や鉱業株の購入が相場を支えたが、英国債利回りの上昇や英ポンドのドルに対する上昇が圧迫

  • 欧州株式市場は6営業日ぶりの反発、ドイツの9月インフレ率が市場予想を下回り、資源株や石油・ガス株が上昇

  • ユーロ圏の債券市場では、ドイツ債利回りが12年ぶりの高水準、独伊債利回り格差が半年ぶりの高水準を記録

  • ドイツの9月消費者物価指数は前年同月比で4.3%上昇、ウニクレディトのディ・ベラ氏は「ECBの政策スタンスを軟化させるには不十分」と指摘

  • 米国株は上昇、ダウ平均が116.07ドル高、ナスダックが108.43ポイント高で終了

  • 4-6月期の米GDPや個人消費の伸びが予想下回り、利上げ長期化観測後退で株上昇転換

  • NY外為市場:ドル・円が149円29銭、ユーロ・ドルは1.0567ドルで取引終了

  • NYMEXのWTI先物11月限は、前日比で2.10%減の91.71ドルで通常取引を終了

  • 日経225先物夜間取引終値(29(金)06:00)=150円高の3万2000円

  • 日経平均、小幅続落で31857.62円で終了、32000円の節目近くで戻り歩調

  • 東証プライム、7割以上の銘柄が下落、特に海運や鉄鋼などの下落が目立つ

  • 値がさハイテク株強いものの、バリュー株に利食い売り増加、日経平均の構成銘柄入れ替えや機関投資家の月末調整が影響

  • 日経225先物日中取引終値(29(金)15:15)=170円高、3万2020円

  • 日経225先物は前日比170円高で終了、一時3万2000円回復も9月期末のリバランス売り警戒で小幅安

  • 来週は10月相場入り、GPIFの株式配分比率調整やショートカバーなどで新規資金流入予想


【チャート】

◆直近2営業日の値動き=15分足チャート(日経225先物ミニ12月限)

日経225先物ミニ12月限15分足チャート2023/09/27(水)16:30~2023/09/29(金)15:15


◆過去6ヵ月の値動き=日足チャート(日経225先物ミニ12月限)

日経225先物ミニ12月限日足チャート2023/03/30[半年前]16:30~2023/09/29(金)15:15


【経済イベント指標】

◆2023/09/28(木)の経済指標結果


◆2023/09/29(金)の経済イベント予定


【欧州市況】

◆欧州市場サマリー(28日ロイター)

2023/09/29(金)03:17

要約(ChatGPT併用)

  • ロンドン株式市場は小幅反発で終了。石油株や鉱業株の購入が相場を支えたが、英国債利回りの上昇や英ポンドのドルに対する上昇が圧迫

  • FTSE350種鉱業株指数は2.20%上昇、一方で住宅建設株指数は3.38%下落し、デジタル9インフラストラクチャーは39.5%急落

  • 欧州株式市場は6営業日ぶりの反発、ドイツの9月インフレ率が市場予想を下回り、資源株や石油・ガス株が上昇

  • トタルエナジーズは原油価格上昇の背景で1.1%上昇、イタリアのFTSE・MIB指数は0.54%上昇したが、2023-24年の経済成長率見通しを下方修正

  • ユーロ圏の債券市場では、ドイツ債利回りが12年ぶりの高水準、独伊債利回り格差が半年ぶりの高水準を記録

  • ドイツの9月消費者物価指数は前年同月比で4.3%上昇、ウニクレディトのディ・ベラ氏は「ECBの政策スタンスを軟化させるには不十分」と指摘

  • スペインの総合インフレ率は3.5%上昇、一方ドイツ10年債利回りは9.8bp上昇の2.93%と記録

本文ここから

<ロンドン株式市場>
小幅反発して取引を終えた。石油株や鉱業株が買われたのが相場を支えた。ただ、英国債利回りの上昇を嫌気した売りも出て、上げ幅は限られた。亜鉛などの卑金属の価格上昇を背景に、FTSE350種鉱業株指数は2.20%上昇した。原油価格の上げは一服したが、石油・ガス株指数は0.91%上昇した。28日は英国債価格が大きく値下がりし、英30年債利回りが急上昇した。HYCMのチーフ市場アナリスト、ジャイルズ・コグラン氏は「金利上昇観測がやや強まっているが、これは利回りの動きと一致している可能性が高い」と述べた。英ポンドがドルに対して上昇したことも、相場を圧迫した。利上げ長期化への懸念が部分的に投資家心理の重しとなり、住宅建設株指数は3.38%下落。配当落ちした住宅建設のバラット・デベロップメンツは7.6%下げた。中型株で構成するFTSE250種指数は0.67%安。年間配当目標を撤回した投資会社のデジタル9インフラストラクチャーが39.5%と急落し、下げを主導した。その他の個別銘柄では、オンラインカジノの888ホールディングスが11.6%と大幅下落。第3・四半期の売上高が10%減少したことを受けて通期のコア利益が当初の予想を下回るとの見通しを示したことが嫌気された。

<欧州株式市場>
6営業日ぶりに反発して取引を終えた。資源株が買われて相場を押し上げた。ドイツの9月のインフレ率が予想を下回ったことも投資家心理を高めた。ドイツの9月消費者物価指数(CPI)速報値は、欧州連合(EU)基準(HICP)で前年同月比4.3%上昇。伸びは8月の6.4%から鈍化した。市場予想の4.5%も下回った。HSBCグローバル・リサーチのエコノミスト、ChristianFuertjes氏は「まだインフレとの戦いに勝利したわけではなく、ベース効果による追い風は急速に弱まるだろう」との見方を示した。STOXX欧州600種資源株指数は2.18%上昇した。石油・ガス株指数も0.65%上げた。米国の原油在庫が減り、石油輸出国機構(OPEC)加盟国とロシアなど非加盟産油国で構成するOPECプラスの減産による世界的な需給逼迫への懸念が高まって原油価格が上がったことが背景。フランスのエネルギー大手トタルエナジーズは1.1%上昇し、過去最高を更新した。イタリアの主要株価FTSE・MIB指数は序盤に下げたが、0.54%上昇で終えた。イタリア政府は27日、2023年と24年の経済成長率見通しを下方修正し、財政赤字は当初見通しより拡大するとした。

<ユーロ圏債券>
ドイツ債利回りが12年ぶりの高水準を付けた。経済指標でインフレ鈍化が示されたものの、欧州中央銀行(ECB)が政策スタンスを緩和させるかもしれないとの期待には繋がらなかった。一方、独伊債利回り格差は約半年ぶりの高水準となった。ドイツ連邦統計庁が28日発表した9月の消費者物価指数(CPI)速報値は、欧州連合(EU)基準(HICP)で前年比4.3%上昇した。伸びは前月の6.4%から鈍化し、ロシアによるウクライナ全面侵攻開始以降で最低水準。ロイターがまとめた予想の4.5%も下回り、独経済を大きく圧迫してきた高インフレの収束が示唆された。ウニクレディトの債券ストラテジスト、フランチェスコ・マリア・ディ・ベラ氏は「ドイツではインフレが緩和しているが、ECBのスタンスを軟化させるには不十分」と指摘。「主にベース効果による大幅な減速は予想済みだったが、原油価格が上昇を続け中銀のインフレとの戦いはまだ終わっていないとの懸念をあおった」と述べた。スペインの9月の総合インフレ率は3.5%上昇。エネルギー価格が上昇した。ドイツ10年債利回りは9.8ベーシスポイント(bp)上昇の2.93%。一時2.942%と2011年7月以来の高水準を付けた。1日の上昇幅としては7月上旬以来の大きさを記録した。ディ・ベラ氏は「この勢いが続けばドイツ10年債利回りは3%台に突入する可能性がある」と述べた。ドイツ2年債利回りは5.5bp上昇の3.286%。7月上旬には2008年以来の高水準となる3.393%を付けていた。INGのマクロ経済リサーチ担当グローバルヘッド、カーステン・ブレゼスキ氏は「ドイツの総合インフレ率の鈍化の主因は逆ベース効果にある」と言及。「ドイツや他の多くの欧州諸国のデータは通常よりも多くの統計ノイズに囲まれており、ECBが額面通りに受け取ることを難しくしている」とした。市場ではECBが年末までに0.25%ポイントの利上げを実施する確率を約25%としている。この確率は前日からほぼ変わっていない。欧州連合(EU)欧州委員会が28日発表した9月のユーロ圏景況感指数は93.3と、5カ月連続の低下となった。サービス業、小売業、消費者のマインドが悪化した半面、製造業は8カ月ぶりに改善した。イタリア10年債利回りは16bp上昇の4.94%。一時約11年ぶりの高水準となる4.96%を記録した。1日の上昇幅としては7月上旬以来の大きさだった。独伊10年債の利回り格差は196bp。一時199.80bpと6カ月超ぶりの高水準を記録した。


【要人発言】

◆主な要人発言(OANDA証券)

2023/09/29(金)05:10

本文ここから

28日10:36 鈴木財務相
「(為替について)緊張感をもって動きを見ている」
「過度な変動は好ましくない」
「過度な変動があればあらゆる手段を排除せず適切に対応」

28日21:09 ナーゲル独連銀総裁
「データがさらなるステップと必要性を示している場合は、更なる利上げが必要になるかもしれない」
「どこが利上げのピークかはまだ分からない」
「基本的シナリオは、経済のソフトランディングが利上げサイクルの終了」

28日22:07 グールズビー米シカゴ連銀総裁
「最近のデータでは、雇用の減少なしにインフレが鈍化しており、過去のパターンに反している」
「今後数四半期のインフレ継続のカギを握るのは住宅」
「インフレ目標を2%から引き上げる提案を極めてリスキーなものにしている」
「物価面で進展がないと判断すれば、金融引き締めが必要となる」
「次回FOMCで何をするかは決まっていない」

29日04:09 メキシコ中銀声明
「今回の決定は全会一致」
「政策金利を現在の水準で長期間維持する必要がある」
「2023年第4四半期のインフレ率は4.7%になると予想」
「2024年第4四半期のインフレ率は3.4%になると予想」
「2025年第3四半期のインフレ率は3.1%になると予想」
「メキシコ経済の回復力がインフレを遅らせる可能性がある」
「8月以降、中長期債利回りが上昇」

※時間は日本時間


【日経先物ナイトセッション】

◆日経225先物夜間取引クロージング:29日夜間取引終値=150円高、3万2000円

2023/09/29(金)06:03

本文ここから

29日6時00分、大阪取引所の日経225先物期近2023年12月限は前日比150円高の3万2000円で夜間取引を終えた。日経平均株価の現物終値3万1872.52円に対しては127.48円高。出来高は2万842枚だった。
TOPIX先物期近は2352ポイントと前日比12ポイント高、TOPIX現物終値比6.49ポイント高だった。

銘柄       清算値(終値) 前日清算値比   出来高
日経225先物        32000     +150    20842
日経225mini        32005     +155   459516
TOPIX先物         2352      +12    20403
JPX日経400先物      21195     +120    1836
マザーズ指数先物      719      +1     928
東証REIT指数先物  売買不成立


【主要ニュース】

◆今朝の主要ニュース(29日ブルームバーグ)

2023/09/29(金)06:01

要約(ChatGPT併用)

  • シカゴ連銀のグールスビー総裁は、インフレ抑制と失業率上昇のトレードオフに過度に固執するリスクに警戒を呼びかけ

  • 米第2四半期のGDP統計、個人消費の伸びが1年ぶりの低水準だが、設備投資や輸出の上方修正により補った

  • ECBのナーゲル総裁は、インフレが2%目標に遅れれば政策金利の追加引き上げの用意があると示唆

  • UAWは大手自動車メーカー3社に少なくとも30%の賃上げを要求、加入者数の拡大に繋がることを期待

  • 中国恒大集団、許家印会長が「強制的な措置」の対象となった通知を受け取り、詳細は不明だが株式は取引停止

本文ここから

過度な利上げ
シカゴ連銀のグールスビー総裁は、インフレ抑制には著しい失業率の悪化が必要だとする伝統的な経済理論を金融政策担当者は過度に重視すべきではないとの考えを示し、固執すれば政策金利を必要以上に引き上げるリスクがあると述べた。こうした従来の理論は「最近のインフレ動向に関する重要な特徴を見逃しており、現在の環境でインフレと失業率の間にある多大なトレードオフは不可避だとの考えをかたくなに信じれば、目先の金融政策運営で見誤る深刻なリスクがある」と語った。

GDP確定値
4-6月(第2四半期)の米実質国内総生産(GDP)確定値の統計では、個人消費の伸びが前期比で年率0.8%増と、改定値(1.7%増)のほぼ半分に下方修正され、約1年ぶりの低い伸びとなった。サービスへの支出鈍化が主に反映された。GDP全体では、設備投資が上方修正され、個人消費の減速を補った。純輸出と在庫も上方修正され、成長への足かせではもはやなくなっている。食品とエネルギーを除いた個人消費支出(PCE)コア価格指数は4-6月に前期比3.7%上昇で、改定値から変わらず。これは2021年1-3月期以来の小幅な伸び。

追加利上げ
インフレが予想以上に根強ければ欧州中央銀行(ECB)は政策金利をさらに引き上げる用意があると、ECB政策委員会メンバーのナーゲル・ドイツ連邦銀行総裁が今月18日のセントラル・バンキングとのインタビューで語った。ユーロ圏諸国の大半でインフレは鈍化しているものの、ECBが目指すインフレ率2%への低下は2025年下期とみられている。このシナリオに遅れが生じれば、ナーゲル氏のようなタカ派寄りの当局者は追加利上げを求める可能性が高い。

30%の賃上げ要求
全米自動車労組(UAW)は少なくとも30%の賃上げを大手自動車メーカー3社に要求する考えだ。事情に詳しい関係者が明らかにした。UAWは当初40%ほどの賃上げをフォード・モーターとゼネラル・モーターズ(GM)、ステランティスに求めていた。一般的な賃上げのほか、生活費調整(COLA)も考慮に入れている。少なくとも30%の賃上げなら自動車産業の非組合員の関心を呼び起こし、UAWの加入者数拡大に寄与することが期待されると、関係者は述べた。UAWの組合員数は1970年代には100万人を超えていたが、現在は40万人となっている。

強制的な措置
中国の不動産開発大手、中国恒大集団は香港証券取引所に提出した文書で、許家印会長が「強制的な措置」の対象になっているとの通知を関連当局から受けたと報告した。強制的な措置の内容や、関与したとされる犯罪について具体的には説明していない。同社の株式はあらためて通知があるまで取引停止になるという。許会長は警察当局に今月連行され、指定された場所で監視されていると、関係者が述べていた。

その他の注目ニュース
FF金利先物市場、11月の米利上げ見込むポジションが急増-CME www.bloomberg.co.jp

ブラックストーン、直接融資ファンド2本で100億ドル超調達模索 www.bloomberg.co.jp

ヒートアイランド対策の切り札か、異常気象で「地中熱」を見直す声


◆オーバーナイト・ヘッドライン一覧(29日ロイター)

2023/09/29(金)06:30

本文ここから

  • 米金融・債券市場=利回り上昇テクニカル要因で失速、一時16年ぶり高水準
  • インフレ抑制には雇用喪失が伴うとの見方に誤りある可能性=シカゴ連銀総裁
  • NY外為市場=円11カ月ぶり安値近辺、介入警戒感続く
  • 〔表〕NY外為市場=対ドル/各国通貨相場(28日) 
  • 中南米金融市場=メキシコペソ上昇、中銀が金利据え置き
  • 米追加利上げ巡る判断は時期尚早─リッチモンド連銀総裁=報道
  • 米中古住宅仮契約指数、8月は約1年ぶりの大幅低下 金利上昇で
  • 米国株式市場=上昇、経済指標消化と金利上昇失速で 
  • 米追加利上げ巡る判断は時期尚早─リッチモンド連銀総裁=報道
  • シカゴ日経平均先物(28日) 
  • 北海ブレント先物1%安、10カ月ぶり高値形成後に利食い売り優勢
  • 米下院、大統領弾劾調査で初の公聴会 個人的利益の証拠示されず
  • 全米自動車労組、30%賃上げ要求 従来の40%から引き下げ=報道
  • 米国務省、連邦政府閉鎖に備え緊急策 大使館は業務継続
  • 米GDP、第2四半期確報値は+2.1% 力強い成長ペース維持
  • 欧州市場サマリー(28日) 
  • 欧州株式市場=6営業日ぶり反発、資源株買われる 
  • ロンドン株式市場=小幅反発、エネルギーや鉱業株が上昇
  • 環境政策の不確実性で投資阻害、物価不安定化も=グリーン英中銀委員
  • ベラルーシ、ポーランドのヘリが領空侵犯と主張 ポーランドは否定
  • 中国経済に安定化の兆し、改革で中期成長加速=IMF報道官
  • BUZZ-南アランド上昇、国内貿易収支などの発表控え 
  • ユーロ圏金融・債券市場=独債利回り12年ぶり高水準、伊債との利回り差拡大
  • 北朝鮮への越境米兵が帰国、処遇は後日対処 
  • OPECプラス、ロシア禁輸補填の供給増は協議せず=大統領府
  • 米政府閉鎖リスクは「回避可能」、両党は合意を=IMF報道官
  • 中国の習国家主席、国慶節に先立ち演説 
  • ナゴルノのアルメニア系行政府が解体宣言、住民半数以上が避難
  • 米中、習主席の訪米に向け準備=WSJ 
  • 米新規失業保険申請、0.2万件増の20.4万件 
  • NATO事務総長がウクライナ電撃訪問、「反転攻勢に進展」
  • 独CPI、9月は前年比4.3%に鈍化 ウクライナ戦争開始後最低
  • 中国恒大、違法行為の疑いで許会長に強制措置と発表

◆TOP_NEWS_海外主要ニュース一覧(29日ロイター)

2023/09/29(金)06:28

本文ここから

●米GDP、第2四半期確報値は+2.1% 力強い成長ペース維持
米商務省が28日発表した第2・四半期の実質国内総生産(GDP)確報値は、年率換算で前期比2.1%増となった。改定値と一致し、第2・四半期もかなり力強い成長ペースが維持された。市場予想も2.1%増だった。

●インフレ抑制には雇用喪失が伴うとの見方に誤りある可能性=シカゴ連銀総裁
米シカゴ地区連銀のグールスビー総裁は28日、米連邦準備理事会(FRB)が今後の政策を立案する上で過去のインフレとの戦いの歴史に頼りすぎることには「特に注意」する必要があるとの見解を示した。雇用や成長に大きな打撃を与えることなくインフレ率を低下させるという「稀有な事象」の端緒に立っている可能性があるためとした。

●米追加利上げ巡る判断は時期尚早─リッチモンド連銀総裁=報道
米リッチモンド地区連銀のバーキン総裁は28日、連邦準備理事会(FRB)が年末に向けてどのような金融政策をとる必要があるかは、まだ明確ではないと述べた。

●米新規失業保険申請、0.2万件増の20.4万件
米労働省が28日発表した9月23日までの1週間の新規失業保険申請件数(季節調整済み)は2000件増の20万4000件となった。ロイターがまとめたエコノミスト予想は21万5000件だった。

●米GDP、20─22年の第1四半期それぞれ下方改定
米商務省が28日発表した実質国内総生産(GDP)は、2020年、21年、22年の各第1・四半期がそれぞれ下方改定された。主に個人消費の下振れが要因。

●独CPI、9月は前年比4.3%に鈍化 ウクライナ戦争開始後最低
ドイツ連邦統計庁が28日発表した9月の消費者物価指数(CPI)速報値は、欧州連合(EU)基準(HICP)で前年比4.3%上昇した。伸びは前月の6.4%から鈍化し、ロシアによるウクライナ全面侵攻開始以降で最低水準。ロイターがまとめた予想の4.5%も下回り、独経済を大きく圧迫してきた高インフレの収束が示唆された。

●ナゴルノのアルメニア系行政府が解体宣言、住民半数以上が避難
アゼルバイジャンとアルメニアの係争地ナゴルノカラバフのアルメニア系住民の行政府「アルツァフ共和国」は28日、2024年1月1日に解体すると宣言した。

●NATO事務総長がウクライナ電撃訪問、「反転攻勢に進展」
北大西洋条約機構(NATO)のストルテンベルグ事務総長は28日、ウクライナの首都キーウ(キエフ)を電撃訪問した。ウクライナの反転攻勢は徐々に進展していると述べたほか、NATO同盟国に防空システムの納入を早めるよう働きかけていると明らかにした。

●北朝鮮への越境米兵が帰国、処遇は後日対処
米国防当局者は28日、7月に韓国から南北軍事境界線を越えて北朝鮮に入ったトラビス・キング米軍兵士を乗せた航空機が同日、米テキサス州の米軍基地に着陸したと明らかにした。

●中国の習国家主席、国慶節に先立ち演説
中国の習近平国家主席は28日、建国74周年の国慶節(建国記念日)に先立つレセプションで、国民に「団結して協力する」よう呼びかけた。


【米国市場】

◆NY株式市場クローズ(28日)

2023/09/29(金)07:10


◆28日の米国市場ダイジェスト=NYダウは116ドル高、金利やドルの上昇一服で安心感

2023/09/29(金)07:59

要約(ChatGPT併用)

  • 米国株は上昇、ダウ平均が116.07ドル高、ナスダックが108.43ポイント高で終了

  • 4-6月期の米GDPや個人消費の伸びが予想下回り、利上げ長期化観測後退で株上昇転換

  • 米10年債利回りが16年ぶり高水準、しかしFRBの利上げ観測後退で市場は上昇転換

  • セクターでは自動車と半導体が上昇、一方で公益事業は下落

  • ペロトンとルルレモンがフィットネスコンテンツで業務提携、ウーバーは新CFOを発表

  • カーマックス、アクセンチュア、マイクロンは四半期決算で市場予想を外れ下落

  • ナイキの1株利益が予想を上回り、時間外取引で株価が上昇

  • NY外為市場:ドル・円が149円29銭、ユーロ・ドルは1.0567ドルで取引終了

  • NYMEXのWTI先物11月限は、前日比で2.10%減の91.71ドルで通常取引を終了

本文ここから

■NY株式:NYダウは116ドル高、金利やドルの上昇一服で安心感
米国株式市場は上昇。ダウ平均は116.07ドル高の33,666.34ドル、ナスダックは108.43ポイント高の13,201.28で取引を終了した。
10年債利回りが16年ぶり高水準に達したため警戒感から売られ、寄り付き後、下落。その後、4-6月期の国内総生産(GDP)や個人消費の確定値の伸びが予想を下回ったため連邦準備制度理事会(FRB)の利上げ長期化観測も後退し金利低下に伴い買戻しに拍車がかかり、相場は上昇に転じた。ハイテクも買われ、プラス圏で終了。セクター別では自動車・自動車部品や半導体・同製造装置が上昇した一方で、公益事業が下落した。
在宅フィットネス事業を展開するペロトン・インタラクティブ(PTON)はヨガアパレルのルルレモン(LULU)とフィットネスコンテンツを巡り5年間の業務提携で合意したと発表し、上昇。ルルレモン(LULU)は軟調となった。配車サービスのウーバーテクノロジー(UBER)は新最高財務責任者(CFO)として、半導体メーカー、アナログ・デバイセズでCFOを務めたマヘンドララジャ氏の採用を発表し、買われた。
中古車販売のカーマックス(KMX)は四半期決算で高いローン金利が重しとなり売り上げが低迷したため調整後の1株利益が予想を下回り、下落。ITサービスを提供するアクセンチュア(ACN)は四半期決算で発表した売り上げ見通しが予想を下回り、下落。半導体メーカーのマイクロン・テクノロジー(MU)は昨日引け後に発表した四半期決算でパソコンやスマートフォーンの需要低迷が影響することを理由とし損益見通しが市場の予想を上回る赤字となったことに失望し、下落した。
スポーツ用品メーカ―のナイキ(NKE)は取引終了後に決算を発表。1株利益が予想を上回り、時間外取り引きで上昇している。

■NY為替:米Q2GDP確定値が予想下回る、ドル反落
28日のニューヨーク外為市場でドル・円は、149円50銭まで上昇後、149円15銭まで反落し、149円29銭で引けた。米金利上昇に伴うドル買いが優勢となったのち、米4-6月期国内総生産(GDP)確定値が上方修正予想に反し改定値と同水準にとどまり1年ぶり最低の伸びにとどまったほか、8月中古住宅販売成約指数や9月カンザスシティ連銀製造業活動が予想を下回ったため成長減速懸念にドル売りに転じた。さらに、グールズビー米シカゴ連銀総裁が過剰な政策で景気後退につながリスクを警告し金利も低下に転じたためドル売りが継続。
ユーロ・ドルは、1.0518ドルまで弱含んだのち、1.0579ドルまで上昇し、1.0567ドルで引けた。ユーロ・円は157円20銭から157円87銭まで上昇。日欧金利差拡大観測に伴う円売り、ユーロ買いが優勢となった。ポンド・ドルは、1.2176ドルへ下落後、1.2225ドルまで上昇した。ドル・スイスは0.9198フランへ上昇後、0.9147フランまで下落した。

■NY原油:反落で91.71ドル、92ドルを下回る
NY原油先物11月限は反落(NYMEX原油11月限終値:91.71 ↓1.97)。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物11月限は、前営業日比-1.97ドル(-2.10%)の91.71ドルで通常取引を終了した。時間外取引を含めた取引レンジは91.39ドル-95.03ドル。アジア市場の中盤にかけて95.03ドルまで一段高となったが、需給ひっ迫を警戒した買いはロンドン市場で一巡し、米国市場の後半にかけて91.39ドルまで反落。通常取引終了後の時間外取引では主に92ドルを下回る水準で推移。

■主要米国企業の終値
銘柄名⇒終値⇒前日比(騰落率)
バンクオブアメリカ(BAC) 27.56ドル +0.29ドル(+1.06%)
モルガン・スタンレー(MS) 82.19ドル +0.54ドル(+0.66%)
ゴールドマン・サックス(GS)325.20ドル +3.25ドル(+1.01%)
インテル(INTC) 35.18ドル +0.57ドル(+1.65%)
アップル(AAPL) 170.69ドル +0.26ドル(+0.15%)
アルファベット(GOOG) 133.13ドル +1.67ドル(+1.27%)
メタ(META) 303.96ドル +6.22ドル(+2.09%)
キャタピラー(CAT) 276.24ドル +3.53ドル(+1.29%)
アルコア(AA) 28.14ドル +1.94ドル(+7.40%)
ウォルマート(WMT) 162.54ドル +0.82ドル(+0.51%)


【日中取引OPEN前まとめ】

◆日経225先物テクニカルポイント(29日夜間取引終了時点)

2023/09/29(金)07:10

本文ここから

29日ナイトセッションの日経225先物は前日清算値比150円高の3万2000円で取引を終えた。夜間取引終了時点のテクニカルポイントは以下の通り。

33817.14円  ボリンジャーバンド3σ
33384.63円  ボリンジャーバンド2σ
32952.11円  ボリンジャーバンド1σ
32593.60円  75日移動平均
32590.00円  一目均衡表・先行スパン2(雲上限)
32519.60円  25日移動平均
32510.00円  一目均衡表・転換線
32495.00円  一目均衡表・基準線
32185.00円  一目均衡表・先行スパン1(雲下限)
32112.00円  5日移動平均
32087.09円  ボリンジャーバンド-1σ
32000.00円  29日夜間取引終値
31872.52円  28日日経平均株価現物終値
31654.57円  ボリンジャーバンド2σ
31222.06円  ボリンジャーバンド3σ
29827.00円  200日移動平均


◆日経225先物(寄り前コメント)=3万2000円辺りでの攻防

2023/09/29(金)08:17

要約(ChatGPT併用)

  • 米主要株価指数上昇、長期金利が16年ぶり高水準にも関わらず後半は買い戻し

  • シカゴ日経平均先物、大阪比で140円高、ナイトセッションは3万2000円で終了

  • 日本市場では、日経平均のリバランスやGPIFの需給影響を受けやすい展開予想

  • 日経225先物、ボリンジャーバンドの-2σ調整後-1σまで回復、3万2000円攻防予想

  • VIX指数は17.34に低下、リスク選好の兆しもFRBのPCE発表前にはロング控えめ予想

  • NT倍率は13.61倍に下落、半導体株買われるもリバランスの影響を確認する必要

本文ここから

大阪12月限ナイトセッション
日経225先物 32000 +150 (+0.47%)
TOPIX先物 2352.0 +12.0 (+0.51%)
シカゴ日経平均先物 31990 +140
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)

 28日の米国市場は、NYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が上昇。米長期金利が約16年ぶりの高水準を付けるなか、売りが先行して始まった。その後、リッチモンド連銀のバーキン総裁、シカゴ連銀のグールズビー総裁のハト派寄りの発言が伝わったほか、4-6月の米実質国内総生産(GDP)個人消費の確定値が予想を下回ったことで、金融引き締め長期化への懸念が和らいだ。これを受けて米長期金利が低下したほか、NY原油先物も下落したことから、午後に入り買い戻しが強まった。S&P500業種別指数は自動車・同部品、半導体・同製造装置、メディアが上昇した一方で、公益事業、家庭用品・パーソナル用品、医薬品・バイオテクノロジーが下落。
 シカゴ日経平均先物(12月限)清算値は、大阪比140円高の3万1990円だった。日経225先物(12月限)は日中比20円安の3万1830円で始まり、3万1660円まで売られた。売り一巡後は3万1750円~3万1850円辺りでの保ち合いが続いた。米国市場の取引開始後にリバウンド基調が強まり、中盤にかけて一時3万2060円まで買われる場面が見られた。その後、終盤にかけては3万1920円~3万2020円処で推移し、3万2000円でナイトセッションの取引を終えた。
 シカゴ先物にサヤ寄せする格好から、買い優勢の展開になりそうだ。しかし、国内では日経平均株価の定期入れ替えに伴うリバランスや年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の株式配分比率の調整に伴う需給の影響を受けやすく、米国株高のインパクトは限られる可能性がある。そのため、リバランスの影響を受けやすい値がさ株の動向を睨みながらの相場展開となろう。
 日経225先物はボリンジャーバンドの-2σ水準まで調整した後に、-1σ辺りまで切り返してきた。-1σが位置する3万2000円辺りで攻防をみせてくると考えられるが、同水準を上回って推移するようだと、リバランスを狙った先回り的なショートポジションをカバーする流れへ向かいやすい。イベント通過後の10月相場を睨んだ押し目待ち狙いのロングも意識されそうだ。一方で、3万2000円水準で上値の重さがみられるようだと、戻り待ち狙いのショートが入りやすいため、オプション権利行使価格の3万1750円から3万2250円辺りのレンジ推移を想定する。
 VIX指数は17.34(前日は18.22)に低下し、200日移動平均線を下回ってきた。ややリスク選好に向かわせやすいとみられるが、29日の米国市場では米連邦準備制度理事会(FRB)がインフレ指標として重視する米個人消費支出(PCE)の発表を控えているため、積極的なロングは期待しづらいところであろう。
 なお、昨日のNT倍率は先物中心限月で13.61倍に低下した。一時13.55倍まで下げており、1月安値の13.62倍を下回った。米国市場では半導体株の一角が買われており、これを受けたNTショートの巻き戻しがありそうだが、日経平均株価の定期入れ替えに伴うリバランスの影響を見極める必要がある。


【日経225先物08:45~15:15取引中】

【日本株09:00~15:00取引中】


【日本市場】

◆日経225先物日中取引クロージング:170円高、3万2020円

2023/09/29(金)15:17

本文ここから

 29日15時15分、大阪取引所の日経225先物期近2023年12月限は前日清算値比170円高の3万2020円で取引を終えた。出来高は7万4186枚だった。この日の日経平均株価の現物終値3万1857.62円に対しては162.38円高。


◆東京株式市場クローズ(29日)



◆日本株市況クロージング=半期末の需給要因から不安定な相場展開(29日フィスコ)

2023/09/29(金)16:07

要約(ChatGPT併用)

  • 日経平均、小幅続落で31857.62円で終了、32000円の節目近くで戻り歩調

  • 東証プライム、7割以上の銘柄が下落、特に海運や鉄鋼などの下落が目立つ

  • 米国市場、金利・原油の上昇一服で主要指数上昇、東京市場にも波及

  • 値がさハイテク株強いものの、バリュー株に利食い売り増加、日経平均の構成銘柄入れ替えや機関投資家の月末調整が影響

  • 来週、今年度下期相場入り、月初の株高アノマリー継続も不安材料多数、不安定な動き予想

本文ここから

 29日の日経平均は小幅続落。14.90円安の31857.62円(出来高概算18億8000万株)で取引を終えた。米ハイテク株高を受け、半導体や電子部品関連株などを中心に買いが先行。日経平均は32000円台を回復して始まり、直後には32027.46円まで水準を切り上げた。ただ、米連邦政府機関の閉鎖が警戒されるなか、買いは続かなかったほか、機関投資家による月末調整売りや日経平均の構成銘柄入れ替えに伴う売りを見越した動きなどから、日経平均は後場中盤にかけ下げ幅を広げ、31717.74まで下落した。しかし、心理的な節目の32000円を割り込んだ水準では、長期目線の資金が入るとされ、大引けにかけては戻り歩調に転じていた。
 東証プライムの騰落銘柄は、値下がり銘柄が1300を超え、全体の7割超を占めた。セクター別では、その他製品と精密機器を除く31業種が下落し、海運、鉄鋼、鉱業、電気ガス、石油石炭の下落が目立っていた。指数インパクトの大きいところでは、東エレク<8035>、アドバンテス<6857>、TDK<6762>、ソフトバンクG<9984>が堅調だった半面、デンソー<6902>、ホンダ<7267>、第一三共<4568>、トヨタ<7203>は軟化した。
 前日の米国市場は、米金利や原油市況の上昇が一服したことから過度な警戒感が後退し、主要株価指数は上昇。東京市場もこの流れが波及し、日経平均は心理的な節目の32000円台を回復して始まった。ただ、値がさハイテク株が買われる半面、海運や鉄鋼などのバリュー株には利食い売りなどが増加する展開だった。また、日経平均の構成銘柄入れ替えについては、新規採用銘柄の購入資金を捻出するため、他の指数採用銘柄に対して売りが出たほか、上半期末に伴う機関投資家の持ち高調整売りが警戒されていた。
 来週は名実ともに今年度下期相場入りする。月替わりに伴う新規資金配分などから月初の株高アノマリーは今年2月以降今月まで8カ月連続で続いている。ただ、米国のインフレ高止まりによる利上げ長期化懸念や中国の不動産問題など懸念材料は多く、目先的には不安定な動きが続く可能性がある。


◆日経平均大引け【↓】=小幅続落、機関投資家からのリバランス売りを警戒 (9月29日)

2023/09/29(金)16:03

要約(ChatGPT併用)

  • 米国市場、NYダウが3日ぶり反発、ハイテク株や景気敏感株の買いが優勢

  • 東京市場、日経平均は小幅続落、9月期末による機関投資家のリバランス売り警戒

  • 日経平均、一時3万2000円回復も上値重く、小幅安で終了

  • 個別銘柄、金融や自動車関連が軟調、半導体関連やソフトバンク、ファーストリテイリングは堅調

  • 日経平均寄与度上位、東エレクやアドテストなどがプラス寄与、デンソーやホンダなどがマイナス寄与

  • 東証33業種、上昇は2業種のみ、電気機器やサービス業が下落率小、海運業や鉄鋼が大きく下落

本文ここから

日経平均株価
始値  32018.64
高値  32027.46(09:00)
安値  31717.74(13:49)
大引け 31857.62(前日比 -14.90 、 -0.05% )
売買高  18億8589万株 (東証プライム概算)
売買代金  4兆9096億円 (東証プライム概算)

■本日のポイント
 1.日経平均は14円安と小幅続落、朝高後は売り優勢で軟調
 2.前日のNYダウはハイテク株が買い戻され116ドル高に
 3.9月期末で機関投資家からのリバランス売りが警戒される
 4.郵船や商船三井など海運株は配当権利取りの一巡で軟調展開
 5.東エレクやアドテスト、ディスコなど半導体関連株が堅調

■東京市場概況
 前日の米国市場では、NYダウは前日比116ドル高と3日ぶりに反発した。金利上昇と原油高への警戒が和らぎ、ハイテク株や景気敏感株を中心に買いが優勢となった。
 東京市場では、日経平均株価は小幅続落。9月期末で機関投資家などからのリバランスの売りも警戒され軟調な値動きとなった。
 前日の米株式市場では、NYダウが3日ぶりに反発。米長期金利の低下を受け、ハイテク株などに買い戻しが入った。これを受けた、東京市場も日経平均は朝方反発してスタートした。一時3万2000円を回復する場面があった。ただ、上値は重く買い一巡後はマイナス圏に転じた。この日は9月期末ということもあり、機関投資家からのリバランス売りが警戒された。引けにかけ下げ幅は縮小したが、結局、小幅安で取引を終えた。
 個別銘柄では、三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306>や三井住友フィナンシャルグループ<8316>が軟調。トヨタ自動車<7203>や日立製作所<6501>も値を下げた。三菱重工業<7011>やホンダ<7267>、コマツ<6301>が下落。川崎汽船<9107>や日本郵船<9101>、商船三井<9104>といった海運株は配当権利取りの一巡もあり軟調だった。三菱商事<8058>や三井物産<8031>など商社株も安い。
 半面、東京エレクトロン<8035>やアドバンテスト<6857>、ディスコ<6146>といった半導体関連株がしっかり。ソフトバンクグループ<9984>やファーストリテイリング<9983>も値を上げた。ソニーグループ<6758>やダイキン工業<6367>が高く、村田製作所<6981>やニデック<6594>も買われた。
 日経平均へのプラス寄与度上位5銘柄は東エレク <8035>、アドテスト <6857>、TDK <6762>、SBG <9984>、ファストリ <9983>。5銘柄の指数押し上げ効果は合計で約111円。
 日経平均へのマイナス寄与度上位5銘柄はデンソー <6902>、ホンダ <7267>、第一三共 <4568>、トヨタ <7203>、伊藤忠 <8001>。5銘柄の指数押し下げ効果は合計で約42円。
 東証33業種のうち上昇はその他製品、精密機器の2業種のみ。下落率の小さかった上位5業種は(1)電気機器、(2)サービス業、(3)ガラス土石製品、(4)情報・通信業、(5)金属製品。一方、下落率の大きかった5業種は(1)海運業、(2)鉄鋼、(3)鉱業、(4)電気・ガス業、(5)石油石炭製品。

■個別材料株
△アスクル <2678> [東証P]
 6月の単体売上プラス回復で見直し買い。
△エコナック <3521> [東証P]
 株主優待制度の実質拡充を好感。
△JCRファ <4552> [東証P]
 「グロウジェクト」伸長で今期業績予想を上方修正。
△住友ベ <4203> [東証P]
 10月31日付で271万1500株を消却へ。
△弁護士COM <6027> [東証G]
 AI搭載の弁護士用書籍検索サービスの提供開始。
△タメニー <6181> [東証G]
 東京都の結婚支援業務実施企業に選定。
△正興電 <6653> [東証P]
 グループ会社が国交省と港湾技術開発業務の委託契約を締結。
△ウェルスナビ <7342> [東証G]
 楽天証券と業務提携に向け基本合意。
△FPパートナ <7388> [東証P]
 株主優待制度を年2回に変更。
△キユソ流通 <9369> [東証S]
 6~8月期の最終増益確保を好感。
▼メドレックス <4586> [東証G]
 今期業績下方修正を嫌気
▼東電HD <9501> [東証P]

 原油相場上昇一服も売り圧力が継続。
 東証プライムの値上がり率上位10傑は(1)JCRファ <4552>、(2)芝浦 <6590>、(3)マーケットE <3135>、(4)ADWG <2982>、(5)アスクル <2678>、(6)ピックルス <2935>、(7)エムアップ <3661>、(8)FPパートナ <7388>、(9)スタティアH <3393>、(10)トーホー <8142>。
 値下がり率上位10傑は(1)品川リフラ <5351>、(2)水戸 <8622>、(3)ユナイテド海 <9110>、(4)合同鉄 <5410>、(5)トプコン <7732>、(6)楽天銀 <5838>、(7)岡三 <8609>、(8)商船三井 <9104>、(9)冶金工 <5480>、(10)中部電 <9502>。

【大引け】
 日経平均は前日比14.90円(0.05%)安の3万1857.62円。TOPIXは前日比22.12(0.94%)安の2323.39。出来高は概算で18億8589万株。東証プライムの値上がり銘柄数は429、値下がり銘柄数は1360となった。東証マザーズ指数は729.64ポイント(4.35ポイント高)。


◆日経225先物テクニカルポイント(29日日中取引終了時点)

2023/09/29(金)16:10

本文ここから

29日の日経225先物は前日清算値比10円高の3万1860円で取引を終えた。テクニカルポイントは以下の通り。

33834.14円  ボリンジャーバンド3σ
33394.09円  ボリンジャーバンド2σ
32954.05円  ボリンジャーバンド1σ
32591.73円  75日移動平均
32590.00円  一目均衡表・先行スパン2(雲上限)
32514.00円  25日移動平均
32510.00円  一目均衡表・転換線
32495.00円  一目均衡表・基準線
32185.00円  一目均衡表・先行スパン1(雲下限)
32084.00円  5日移動平均
32073.95円  ボリンジャーバンド-1σ
31860.00円  29日先物清算値
31857.62円  29日日経平均株価現物終値
31633.91円  ボリンジャーバンド2σ
31193.86円  ボリンジャーバンド3σ
29826.30円  200日移動平均


◆日経225先物(引け後コメント)=需給イベントのなかNTショートを巻き戻す動きに

2023/09/29(金)18:17

要約(ChatGPT併用)

  • 日経225先物は前日比170円高で終了、一時3万2000円回復も9月期末のリバランス売り警戒で小幅安

  • 来週は10月相場入り、GPIFの株式配分比率調整やショートカバーなどで新規資金流入予想

  • 米国市場では8月のPCE発表予定、政府機関の閉鎖や全米自動車労組のストが影響する可能性

  • 日経225先物、ボリンジャーバンドの-1σ水準で攻防、3万2000円を中心とした攻防が続く予想

  • NT倍率、先物中心限月で13.72倍に上昇、修正の動きが注目

  • 日経225先物の取引、野村証券やSMBC日興証券が買い越し、シティグループ証券やソシエテジェネラル証券が売り越し

  • TOPIX先物、SMBC日興証券や野村証券が買い越し、バークレイズ証券やビーオブエー証券が売り越し

本文ここから

大阪12月限
日経225先物 32020 +170 (+0.53%)
TOPIX先物 2333.5 -6.5 (-0.27%)

 日経225先物(12月限)は前日比170円高の3万2020円で取引を終了。寄り付きは3万2020円と、シカゴ日経平均先物清算値(3万1990円)にサヤ寄せする形で、買いが先行した。しかし、寄り付き直後に付けた3万2030円を高値に軟化し、現物の寄り付き時点で下げに転じた。日経平均株価の定期入れ替えに伴うリバランスや年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の株式配分比率の調整に伴う需給の影響なども警戒され、前場終盤にかけて一時3万1730円まで売られた。その後ランチタイムで買い戻しが入り、後場の取引開始直後には3万1930円と上昇に転じたものの、中盤にかけて再び軟化し、3万1710円まで下落する場面も見られた。しかし、終盤にかけて急速に切り返し、3万2000円を上回って終えた。
 来週は名実ともに10月相場入りとなるなか、引けにかけてはショートカバーのほか、GPIFの株式配分比率に伴う売り需要に向かう形で新規の資金流入を見込んだロングが入ったようだ。ただし、3万2000円処では上値の重さもみられた。そのため、オプション権利行使価格の3万2000円を中心とした3万1750円から3万2250円辺りのレンジが意識されやすいだろう。
 29日の米国市場では米連邦準備理事会(FRB)がインフレ指標として重視する8月の米個人消費支出(PCE)が発表される。ナイトセッションではPCEの結果を受けた米国市場の動向に振られやすい。また、米議会で9月末までに新年度予算が成立しないと、政府機関の閉鎖につながる可能性がある。
 そのほか、全米自動車労組(UAW)によるストが長期化していることで、米国経済への影響なども警戒されている。これら不安要因が解消してくると、アク抜け期待からロングに向かう可能性が高い一方で、長期化すれば積極的なロングは手控えられるため、しばらくは米国の動向を睨んだ展開を余儀なくされよう。
 日経225先物は、ボリンジャーバンドの-1σ水準での攻防を見せている。弱含む局面では-2σが支持線として意識されるなか、バンドは若干ながら収斂してきており、3万2000円処での底堅さが意識されてくるようだと、25日、75日移動平均線が位置する3万2450円辺りまでレンジを切り上げる展開も想定しておきたい。
 なお、NT倍率は先物中心限月で13.72倍に上昇した。リバランスの流れからバリュー株の持ち高調整の動きが強まり、相対的に弱い値動きが続いていた値がさハイテク株を買い戻す格好となり、NTショートの巻き戻しに向かわせた。今週は13.55倍まで低下し、1月以来の年初来安値を更新したが、下半期は修正の動きがみられるかが注目されそうだ。
 手口面では、日経225先物は野村証券が2424枚、SMBC日興証券が1782枚、日産証券が1514枚、JPモルガン証券が802枚、auカブコム証券が730枚の買い越しに対して、シティグループ証券が2556枚、ソシエテジェネラル証券が2196枚、バークレイズ証券が1260枚、SBI証券が1202枚、モルガンMUFG証券が1163枚の売り越しだった。
 TOPIX先物は、SMBC日興証券が3484枚、野村証券が2614枚、大和証券が1319枚、BNPパリバ証券が1204枚、SBI証券が592枚の買い越しに対して、バークレイズ証券が3268枚、ビーオブエー証券が1978枚、モルガンMUFG証券が1499枚、ソシエテジェネラル証券が1205枚、UBS証券が1105枚の売り越しだった。


【NEWS】

◆海外ヘッドライン一覧(29日ロイター)

2023/09/29(金)20:29

本文ここから

  • ユーロ圏インフレ率、9月は2年ぶり低水準 ECBの利上げ奏功か 
  • 英8月住宅ローン承認件数、6カ月ぶり低水準 消費者向け融資は急増 
  • 独9月失業者は1万人増、予想を下回る 失業率は横ばい 
  • スイス中銀、外貨売却を拡大 第2四半期は442億ドル相当 
  • 英GDP第2四半期、コロナ前1.8%上回る 前期比0.2%増 
  • タイ経常収支、8月は4億ドルの黒字 輸出は前年比-1.8% 
  • インド経常赤字、4─6月期は前四半期から拡大 今期も大幅悪化か 
  • 米リスク助言会社クロール幹部、中国本土出国禁止に=WSJ 
  • パキスタン南西部で自爆攻撃、少なくとも52人死亡 
  • プーチン大統領、元ワグネル司令官と会談 義勇兵活用を協議 

  • 〔焦点〕汚染咳止めシロップでインドなど死亡数百件、米当局も検査強化へ

  • 〔アングル〕「ロシアは守ってくれなかった」、アルメニア系避難民の嘆き
  • 〔アングル〕「嵐」に見舞われる欧州洋上風力発電、脱炭素目標に黄信号
  • 〔ロイター調査〕豪中銀、10月は金利据え置き 年内に利上げも
  • 〔ロイター調査〕NZ中銀は10月4日に政策金利据え置き、来年央に利下げ開始か
  • 〔中国指標予測〕9月製造業PMIは50に改善か 

  • ドイツ、値上げ計画する企業が1年ぶりに増加=IFO 

  • 独9月失業者は1万人増、予想を下回る 失業率は横ばい 
  • スウェーデン中銀、今後の政策決定会合の見通し不透明=副総裁 
  • 英GDP第2四半期、コロナ前1.8%上回る 前期比0.2%増 

  • BUZZ-南アランド上昇、米債利回り低下で 

  • プーチン氏、イタリア銀行最大手のロシア資産売却を許可
  • 仏9月EU基準CPIは前年比+5.6%に鈍化、食品価格の上昇緩和
  • クレディ・スイス、融資再分類で第3四半期に損失16億ドル計上へ
  • BofA、日本10年国債利回りの年末予想を0.90%に引き上げ
  • 英GDP第2四半期、確報値も前期比0.2%増 コロナ前1.8%上回る
  • 独小売売上高指数、8月は前月比-1.2% 予想外のマイナス
  • プーチン大統領、元ワグネル司令官と会談 義勇兵活用を協議
  • ドイツ輸入物価、8月は前年比-16.4% 約40年ぶり大幅下落
  • カリフォルニア州、ファストフード最低賃金を時給20ドルに
  • SVB破綻、経営陣と監察官はリスク認識できず=FRB報告書
  • 世界のM&A、第3四半期は米国で活況 欧州・アジア低調

  • 中国、データ海外移転の安全評価を一部免除へ 

  • 対中ハイテク投資規制、米は「慎重に検討」を 中国貿易団体要請
  • NY市で料理配達員に最低賃金適用、ウーバーなどの訴え認めず
  • 米国務長官、インドに協力促す シーク教徒殺害巡り外相会談で
  • 米政府閉鎖迫る、議会足並みそろわず 上下院が異なる予算案推進
  • タイ首相、海外投資誘致に改革実施へ 外交は中立姿勢
  • インド国債、FTSE新興国債券指数の組み入れ見送り
  • エジプトとパキスタン、FTSE株価指数で降格可能性
  • タイ中銀、当面は利上げ停止が適切=総裁 
  • ベトナム、第3四半期GDPは前年比+5.33%の見通し=統計総局
  • 米雇用機会均等委、テスラが黒人差別と提訴 旗艦工場で

  • 米株ボラに警戒、JPモルガン・ファンドのオプションリセットで

  • ブラジル中銀、23年成長率予想を2.9%に引き上げ 24年は1.8%
  • IMF、世界経済のブロック化に警鐘 GDP7%減も 
  • フィリピン中銀、緊急利上げ排除せず=総裁 
  • 中国のヘッジファンドが低調な株式市場で大幅なリターン確保、高レバレッジの手法駆使
  • 米ゲームストップ、物言う株主コーエン氏をCEOに起用
  • イタリア人口、2050年には3分の1以上が65歳以上に=統計局
  • ECB、物価情勢のより適切な把握などにAI活用模索
  • 米エピック・ゲームズが830人削減へ、音楽配信サービスも売却
  • ベトナム、第3四半期GDPは前年比+5.33%の見通し=統計総局
  • チェチェン指導者がプーチン氏と会談、重病説を一蹴 
  • 中国国債、投資家は価格持ち直しを予想 足元の利回り高騰行き過ぎと判断
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◆[NEWS]世界的に債券下落、英国債が大幅安-金利の長期高止まり観測浸透(29日ブルームバーグ)

2023/09/29(金)02:29

要約(ChatGPT併用)

  • 世界的に債券が下落、特に英国債が中心。投資家は金融引き締めの長期化を予測

  • 英10年債利回りは4.56%に上昇、約1年ぶりの大きな1日の上昇幅

  • ドイツ10年債利回り3%弱、米10年債利回りは07年以来の4.69%へ

  • 債券トレーディングの再評価が進行中。特に長期債投資の魅力が低下

  • 高インフレと原油高が長期債投資の魅力を低下させる要因

  • サクソ銀行のスピノッツィ氏は金利の高止まりは政策当局者の視野内と指摘

  • 債券供給増加の懸念。ECBの債券売却加速と政府の高水準債券発行予想

  • 日本の国債利回りも変動。20年物国債利回りは2014年以来の高水準

  • イングランド銀行の政策金利は据え置きだが、市場予想は変動。来年の金融緩和観測後退

  • 英国債の最近のアウトパフォーマンスにより、売却が加速

  • ジュピター・アセットのナッシュ氏、英国債の下落は米欧債との均衡調整と分析

本文ここから

28日の市場では、英国債を中心に世界的に債券が下落。金融引き締めが長期化するとの見方を、世界の投資家が甘受しつつある。
英10年債利回りは一時20ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇して4.56%に達した。このまま引ければ、1日の上昇幅として約1年ぶりの大きさとなる見込み。
ドイツ10年債利回りは14bp上昇して3%弱となった。3%の水準は2011年以降付けていない。米10年債利回りは4.69%と、07年以来の水準に上昇した。

Gilt Prices Drop Amid Global Bond Selloff | 10-year yield on track to post biggest jump since at least Feb.

この動きは、今月に入り加速した急激なリプライシングの一環だ。今年の市場で好まれていた債券トレーディングの一つが、手痛い目に遭っている。
トレーダーらは景気の急減速に対するヘッジとして、長期債に多額の資金を投じていた。だが、高インフレを持続させかねない原油高などの逆風が吹きつけ、長期債投資の妙味は薄れている。
サクソ銀行のストラテジスト、アルテア・スピノッツィ氏は英国債の売りについて、「金利をしばらく高止まりさせることが政策当局者の視野に入っているのは明らかだ」と指摘した。
市場は債券供給の増加にも直面している。欧州では、欧州中央銀行(ECB)がバランスシートに抱える債券の売却を加速させる可能性がある一方、政府も景気が減速し始める中で支出を支えるため高水準の債券発行を続けると見込まれる。
先進国市場のうち金融緩和を最後まで続けている日本の国債利回りすら、動きつつある。金利を低水準に維持する日銀の能力を投資家が試す中、28日に新発20年物の日本国債利回りは2014年以来の高水準を付けた。
イングランド銀行(英中央銀行)は政策金利を先週据え置いたが、短期金融市場はこれ以降で初めて同中銀の0.25ポイント利上げを完全に織り込んだ。来年の金融緩和観測は後退させ、現在5.25%の政策金利が来年中に5%に低下することをもはや完全には見込んでいない。
英国債は最近アウトパフォームしていたため、激しく売られているという面もある。月初来の利回り上昇幅は英10年債が20bp足らずだが、ドイツ債と米国債は50bp前後に上る。
ジュピター・アセット・マネジメントのポートフォリオマネジャー、マーク・ナッシュ氏は「米国債や欧州国債に追い付こうとする動きだ」と英国債の下落を説明。「原油価格は上昇している。英国は外国から大規模に借り入れを行っており、資金状況は厳しくなる。利回りは上がらざるを得ない」と語った。
原題:UK Bonds Lead Global Selloff as Higher-for-Longer Bets Sink In www.bloomberg.com

(抜粋)

関連記事: 新発20年債利回りが1.475%に上昇、2014年5月以来の高水準(1) www.bloomberg.co.jp


◆[NEWS]FF金利先物市場、11月の米利上げ見込むポジションが急増-CME(29日ブルームバーグ)

2023/09/29(金)03:47

要約(ChatGPT併用)

  • 米短期金融市場で、FOMC会合の利上げ可能性が過小評価との認識

  • CMEグループの暫定データ:フェデラルファンド金利先物11月限の未決済約定残高が27日に増加

  • 約7万枚の増加は、利上げを見込む新規のショートポジションと一致

  • 11月限の出来高が前回のFOMC会合の翌日を上回り、過去最高を記録

  • 金利スワップ市場は11月会合での利上げを約6bp織り込み、25bpの利上げを約25%の確率で予想

本文ここから

 米短期金融市場は10月31日ー11月1日に開催される米連邦公開市場委員会(FOMC)会合について、利上げの可能性が過小評価されていると判断し始めている。
 CMEグループが28日に公表した暫定データによると、フェデラルファンド(FF)金利先物11月限の未決済約定残高が27日に急増した。同データは先物の新規ポジションの動向を示す。
 約7万枚の増加は、利上げを見込んでいることを示す新規のショートポジションと一致した。同日に11月限の出来高は23万8000枚と、前回FOMC会合の翌日に当たる9月21日の23万3000枚を上回り、過去最高を記録した。
 金利スワップ市場は現在、11月会合での利上げ幅を約6ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)織り込んでいる。これは25bpの利上げを約25%の確率で予想していることを示している。

原題:Big Short in Fed Fund Futures Targets a Rate Hike in November(抜粋)