本と翻訳と社会学と日経225先物

世界のマーケットとそのほかの個人的趣味

【マーケット記録】2023/09/30(土) 最終版

【総まとめ】

  • 米・8月コアPCE価格指数:前年比+3.9%(予想:+3.9%、7月:+4.3%←+4.2%)、7か月連続の伸び鈍化、21年5月来で最低の伸びとなり、FRBの利上げが効果を表した形

  • 米・9月ミシガン大学消費者信頼感指数確報値:68.1(予想:67.7、速報値:67.7)、速報値67.7から予想外に上方修正、8月69.5からは低下し6月来の低水準

  • 米・9月ミシガン大学1年期待インフレ率確報値:3.2%(予想:3.2%、速報値:3.1%)、21年1月来で最低

  • ロンドン株は2023年第2四半期のGDP堅調を受け続伸、FTSE250種指数は7営業日ぶり反発

  • 英国のGDP確報値はコロナ前の水準を上回り、ドイツやフランスを上回る回復を示す

  • 欧州株はユーロ圏のインフレ率鈍化で続伸、四半期ベースの下落率は1年ぶりの大きさ

  • ユーロ圏の国債利回りは低下、月間と四半期では利回り大幅上昇、ドイツ10年債は月間で2月以来の大きな上昇

  • ユーロ圏の9月消費者物価指数は前年比4.3%で、8月の5.2%から低下

  • 日経225先物、30日夜間取引終値=220円安、3万1800円

  • 米のコアPCE価格指数は8月に前月比で0.1%上昇、前年比では3.9%上昇で鈍化

  • 米議会下院、10月末までのつなぎ予算案を否決、10月1日から政府機関一部閉鎖が確実

  • ドル/円は0.06%高、四半期ベースで3.54%上昇、円は150円台目前で推移

  • NY債券市場、国債利回り下落、FRB利上げ終了の見方が強まる

  • 米国株式市場はまちまち、ダウ平均が158.84ドル安、ナスダックが18.04ポイント高

  • 8月コアPCE価格指数の伸び鈍化で寄り付き後上昇、特にハイテクが好調

  • 月末、四半期末の調整売りと政府機関閉鎖への警戒感、自動車労働組合のストライキ長期化を警戒した売りで下落


【チャート】

◆直近2営業日の値動き=15分足チャート(日経225先物ミニ12月限)

日経225先物ミニ12月限15分足チャート2023/09/28(木)16:30~2023/09/30(土)06:00


◆過去1週間の値動き=1時間足チャート(日経225先物ミニ12月限)

日経225先物ミニ12月限1時間足チャート2023/09/25(月)08:45~2023/09/30(土)06:00


◆過去6ヵ月の値動き=日足チャート(日経225先物ミニ12月限)

日経225先物ミニ12月限日足チャート2023/03/31[半年前]16:30~2023/09/30(土)06:00


【経済イベント指標】

◆2023/09/29(金)の経済指標結果



◆2023/10/02(月)の経済イベント予定


【欧州市況】

◆欧州市場サマリー(29日ロイター)

2023/09/30(土)03:22

要約(ChatGPT併用)

  • ロンドン株は2023年第2四半期のGDP堅調を受け続伸、FTSE250種指数は7営業日ぶり反発

  • 英国のGDP確報値はコロナ前の水準を上回り、ドイツやフランスを上回る回復を示す

  • ステート・ストリートのアンティ・ツヴァリ氏は年内に追加利上げの可能性を指摘

  • 欧州株はユーロ圏のインフレ率鈍化で続伸、四半期ベースの下落率は1年ぶりの大きさ

  • ユーロ圏の国債利回りは低下、月間と四半期では利回り大幅上昇、ドイツ10年債は月間で2月以来の大きな上昇

  • ユーロ圏の9月消費者物価指数は前年比4.3%で、8月の5.2%から低下

  • 米のコアPCE価格指数は8月に前月比で0.1%上昇、前年比では3.9%上昇で鈍化

  • キャピタル・エコノミクスのジャック氏、ユーロ圏のインフレ率低下はECB利上げ終了の補強と指摘

本文ここから

<ロンドン株式市場>
続伸して取引を終えた。2023年第2・四半期の国内総生産(GDP)が堅調だったことが好感され、中型株で構成するFTSE250種指数は1.00%高と、7営業日ぶりに反発した。英国立統計局(ONS)が29日発表した第2・四半期のGDP確報値は、新型コロナウイルス禍前の19年第4・四半期を1.8%上回り、直近推計値から上方改定された。英経済の回復ペースはドイツやフランスを上回っている。ステート・ストリート・グローバル・マーケッツのマルチアセット・ストラテジスト、アンティ・ツヴァリ氏は「英経済は実際に非常に良く持ちこたえており、消費者の回復力も高まっている。つまり、年内に追加利上げが行われ、その後長期にわたって金利が高止まりする可能性があるということだ」と指摘した。トレーダーは、イングランド銀行(英中央銀行)が11月の会合で再び政策金利の据え置きを決める確率は67%と見ている。FTSE350種化学株指数は3.06%、不動産投資信託株指数は2.49%それぞれ上昇。一方、石油・ガス株指数は1.94%下落した。FTSE100種指数は四半期ベースで1.02%上昇したが、週間では0.99%安と、2週連続でマイナスとなった。

<欧州株式市場>
続伸して取引を終えた。ユーロ圏の9月のインフレ率が鈍化したことで欧州中央銀行(ECB)が利上げを停止するとの期待感が高まった。ただ、四半期ベースではSTOXX欧州600種指数は2.54%安と、下落率は1年ぶりの大きさとなった。欧州連合(EU)統計局が29日発表した9月のユーロ圏消費者物価指数(HICP)の上昇率は、2021年10月以来の低水準となった。ECBによる利上げが物価上昇の抑制に成功していることを示唆した。TSロンバードの欧州・グローバルマクロ担当ディレクター、ダビデ・オネグリア氏は投資家向けメモで「我々が考えるようにディスインフレとスタグネーション(景気停滞)が続けば、利下げに関する議論は市場が予想するよりも早く戻ってくるだろう」との見方を示した。ユーロ圏金融・債券市場では、指標となるドイツ10年債利回りが一時15ベーシスポイント(bp)低下し、2.818%となった。金利の動向に敏感な不動産株指数は29日、2.73%高。テクノロジー株指数は1.11%上げた。四半期ベースではテクノロジー株指数は10.08%下げた。高金利の長期化懸念から債券利回りが上昇していたことが背景。個別銘柄では、ドイツのコメルツ銀行が29日、11.1%上昇した。投資家への配当方針を見直して24年に利益の少なくとも70%のリターンを目指すとの発表が材料視された。

<ユーロ圏債券>
域内国債利回りが低下した。ユーロ圏のインフレ率が予想を下回ったことを受けた。ただ、月間および四半期では利回りは大幅に上昇した。ドイツ10年債利回りは15ベーシスポイント(bp)低下の2.818%。前日には一時2011年以来の高水準となる2.98%を付けていた。ドイツ10年債利回りは月間では35bp上昇と2月以来の大幅な上げとなる見通し。四半期では43bp上昇となる見込み。ジェフリーズのチーフ欧州エコノミスト、モヒト・クマール氏は「重要なのは売りが続くのか、それとも市場を買う好機なのかだ」と指摘。「マクロ的な観点からは、売りはそれほど続かないと見ている」と述べた。欧州連合(EU)統計局が29日発表した9月のユーロ圏消費者物価指数(HICP)上昇率(速報値)は前年同月比4.3%と、8月の5.2%から低下し、2021年10月以来の低水準となった。米商務省が29日発表した変動の大きい食品とエネルギーを除いたコアPCE価格指数は8月に前月比で0.1%上昇。7月は0.2%上昇だった。前年同月比では8月に3.9%上昇し、伸びは7月の4.3%から鈍化した。イタリア10年債利回りは16bp低下の4.766%。週間では18bp上昇する見通し。キャピタル・エコノミクスのジャック・アレン・レイノルズ氏はユーロ圏のインフレ率の低下は「欧州中央銀行(ECB)が利上げを終了したとの見方を補強する」とした。ドイツ2年債利回りは9bp低下の3.206%。長期債とは異なり週間では4bp低下の見込み。


【要人発言】

◆主な要人発言(OANDA証券)

2023/09/30(土)05:10

本文ここから

29日08:02 バーキン米リッチモンド連銀総裁
「9月のFOMCでの金利据え置きは適切だった」
「FRB、金利の次の動きを決めるまでデータを検証する時間ある」
「今後の動向はインフレ次第」
「政策の手掛かりとして労働市場を注視」

29日12:08 鈴木財務相
「急激な変動にあらゆる選択肢を排除せずに適切に対応する」
「為替相場で防衛ラインはない」
「円安がだいぶ進展、強い緊張感を持っている」

29日14:38 カザークス・ラトビア中銀総裁
「欧州中央銀行(ECB)は、しばらく金利を据え置く見通し」

29日16:20 フローデン・リクスバンク(スウェーデン中銀)副総裁
「インフレは正しい方向に進展しているが、まだなすべきことがある」
「クローナは過小評価されている」
「次回の会合も、来年の最初の会合も不確定のまま」

29日23:42 全米自動車労組(UAW)のショーン・フェイン委員長
「UAWはフォードとGMに対するストライキを拡大」
「フォードとGMの交渉は有意義な進歩を遂げていない」

30日01:48 ウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁
「政策金利はピークまたはそれに近い水準にある」
「2023年のインフレ率を約3.25%、24年は約2.5%と予想」
「24年のGDP成長率は1~1.25%に減速すると予想」
「FRBの政策が経済とインフレに影響を与えるには時間がかかるだろう」
「24年の失業率は4%強に上昇するとみている」
「しばらくは制限的な政策が必要になると予想」
「労働市場の不均衡が縮小しつつある多くの兆しがある」

30日02:07 イエレン米財務長官
「政府機関の閉鎖は実際に困難な状況を引き起こす可能性」
「米上院での協議が前進することを期待」

※時間は日本時間


【日経先物ナイトセッション】

◆日経225先物夜間取引クロージング:30日夜間取引終値=220円安、3万1800円

2023/09/30(土)06:03

本文ここから

 30日6時00分、大阪取引所の日経225先物期近2023年12月限は前日比220円安の3万1800円で夜間取引を終えた。日経平均株価の現物終値3万1857.62円に対しては57.62円安。出来高は2万463枚だった。
 TOPIX先物期近は2321.5ポイントと前日比12ポイント安、TOPIX現物終値比1.89ポイント安だった。

銘柄       清算値(終値) 前日清算値比   出来高
日経225先物        31800     -220    20463
日経225mini        31800     -215   432905
TOPIX先物        2321.5      -12    22940
JPX日経400先物      20895     -100    3741
マザーズ指数先物      723      -2    1363
東証REIT指数先物  売買不成立


【主要ニュース】

◆オーバーナイト・ヘッドライン一覧(30日ロイター)

2023/09/30(土)06:50

本文ここから

  • 米金融・債券市場=利回り低下、インフレ懸念緩和で 
  • 中南米金融市場=通貨おおむね上昇、四半期ベースでは低調
  • 米政府機関の閉鎖、経済発展「損なう」=イエレン財務長官
  • NY外為市場=ドル、四半期ベースで今年最大の上げ幅 11週連騰へ
  • 米国株式市場=S&P下落、インフレ指標受け
  • 原油先物、第3四半期30%上昇 世界的な供給減で
  • 〔情報BOX〕米連邦政府機関閉鎖に伴う経済指標発表への影響
  • 米下院、つなぎ予算案否決 共和強硬派が反対 政府閉鎖ほぼ確実に
  • UAW、フォード・GMのスト拡大へ ステランティスは交渉進展
  • 米コアPCE価格指数、8月の伸び2年ぶり4.0%下回る 基調圧力軽減
  • 欧州株式市場=続伸、四半期では下落
  • ロンドン株式市場=続伸、堅調な英GDPを好感
  • 米FRB、利上げを終了する可能性を示唆=NY連銀総裁
  • アゼル、国連派遣団を招請 「近日中に」カラバフ訪問へ
  • 米9月ミシガン大消費者信頼感、上方改定 1年先インフレ期待3.2%
  • ロシア、秋の定期徴兵で13万人徴集 プーチン氏が法令に署名
  • 米NY市、集中豪雨で鉄砲水発生 地下鉄不通に 警報発令
  • イタリア国債リスクプレミアム、警戒基準は340bp=財務省高官
  • ユーロ圏金融・債券市場=利回り低下、予想下回るインフレ受け
  • ミリー米統合参謀本部議長が退任、後任はブラウン氏 黒人として2人目
  • 米民主ファインスタイン上院議員が90歳で死去、在職31年
  • 現在の金利水準は適切、仏インフレ減速が裏付け=仏中銀総裁

◆TOP_NEWS_海外主要ニュース一覧(30日ロイター)

2023/09/30(土)06:49

本文ここから

●米下院、つなぎ予算案否決 共和強硬派が反対 政府閉鎖ほぼ確実に
ワシントン29日ロイター--米議会下院は29日、マッカーシー下院議長(共和党)が提案した10月末までのつなぎ予算案を賛成198、反対232で否決した。共和党強硬派が反対に回った。

●UAW、フォード・GMのスト拡大へ ステランティスは交渉進展
デトロイト29日ロイター--全米自動車労働組合(UAW)は29日、ゼネラル・モーターズ(GM)とフォードの各工場で追加ストライキを実施することを決めた。

●米政府機関の閉鎖、経済発展「損なう」=イエレン財務長官
ワシントン29日ロイター--イエレン米財務長官は29日、米連邦政府機関の一部閉鎖は中小企業向けや子供向けの主要なプログラムを空回りさせ、米経済の発展を「損なう」と述べた。

●米コアPCE価格指数、8月の伸び2年ぶり4.0%下回る 基調圧力軽減
ワシントン29日ロイター--米商務省が29日発表した8月の個人消費支出(PCE)価格指数は、変動の大きい食品とエネルギーを除いたコア指数の伸びが前年同月比3.9%と、前月の4.3%から減速し、2021年6月以降で初めて4.0%を下回った。

●米FRB、利上げを終了する可能性を示唆=NY連銀総裁
ニューヨーク29日ロイター--米ニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁は29日、インフレ圧力は依然として高いものの、目標の2%に向かって戻りつつあることから、米連邦準備理事会(FRB)は利上げを終了する可能性があると述べた。

●アゼル、国連派遣団を招請 「近日中に」カラバフ訪問へ
バクー29日ロイター--アゼルバイジャン外務省は29日、国連派遣団が「近日中」にアルメニアとの係争地ナゴルノカラバフを訪問するよう招請したと発表した。アゼルバイジャンの軍事攻勢を受けてナゴルノカラバフからアルメニア系住民が大挙脱出している。

●ロシア、秋の定期徴兵で13万人徴集 プーチン氏が法令に署名
29日ロイター--ロシアのプーチン大統領は、秋の定期的な徴兵期間に13万人を徴集する法令に署名した。政府が29日にウェブサイトに掲載した文書で明らかになった。

●米NY市、集中豪雨で鉄砲水発生 地下鉄不通に 警報発令
ニューヨーク29日ロイター--米ニューヨーク市で29日、集中豪雨により鉄砲水が発生し、地下鉄が運行不能となったほか、一部の道路で冠水するなど被害が相次いだ。同市では1週間にわたり雨が続いていた。

●ミリー米統合参謀本部議長が退任、後任はブラウン氏 黒人として2人目
ワシントン29日ロイター--米軍制服組トップのミリー統合参謀本部議長が29日、退任した。同氏は2019年にトランプ前大統領の指名を受けて就任。


【米国市場】

◆NY株式市場クローズ(29日)

2023/09/30(土)07:02


◆NY市場サマリー(29日ロイター)=ドル四半期ベースで年初来最大の上げ幅

2023/09/30(土)06:33

要約(ChatGPT併用)

  • NY為替市場でドル指数小幅下落、四半期ベースでは年初来最大上昇

  • 投資家は米経済の持続と金利上昇の可能性を考慮

  • ブラウン・ブラザーズ・ハリマンのウィン・シン氏、四半期末のリバランスによるドル下落を指摘

  • 米議会下院、10月末までのつなぎ予算案を否決、10月1日から政府機関一部閉鎖が確実

  • ドル/円は0.06%高、四半期ベースで3.54%上昇、円は150円台目前で推移

  • NY債券市場、国債利回り下落、FRB利上げ終了の見方が強まる

  • 米商務省、8月の個人消費支出(PCE)価格指数でコアPCE前月比0.1%上昇

  • イールドカーブは3月以来のタイトなスプレッド、四半期ではスプレッド縮小

  • NY株式市場、S&P500が下落、米インフレ指標と四半期末のポートフォリオ調整が影響

  • 米商務省、8月のPCE価格指数でコア指数の伸びが前年同月比3.9%で4.0%を下回る

本文ここから

<為替>
ドル指数が小幅下落した。ただ、四半期ベースでは年初来最大の上げ幅を記録し、週間でも11週連続上昇となる基調にある。投資家は堅調な米経済の持続と金利上昇長期化の可能性を織り込んでいる。ドル指数は、この日は0.05%安の106.09となった。27日に付けた10カ月ぶり高値106.84からは下落したものの、今四半期は3.13%上昇し、週間でも11週連騰を記録する勢いとなっている。複数のアナリストがドル高は続くとみている。ブラウン・ブラザーズ・ハリマン(ニューヨーク)の為替戦略担当グローバルヘッド、ウィン・シン氏は「今日のドル下落は四半期末のリバランスによる可能性が高いとみている。この調整がいつまで続くかはわからないが、投資家は割安な水準で再びドルを買い持ちにする機会をうかがうべきだ」と述べた。一方、政府機関の一部閉鎖が迫っていることは、経済指標の発表に影響を与え、経済成長に水を差す可能性がある。米議会下院は29日、マッカーシー下院議長(共和党)が提案した10月末までのつなぎ予算案を賛成198、反対232で否決した。これにより10月1日から連邦政府機関が一部閉鎖されることがほぼ確実となった。ドル/円は0.06%高の149.41円となった。27日につけた11カ月ぶり高値149.71円からは下落した。前四半期の8.66%上昇に続き、今四半期は対円で3.54%上昇した。円は150円台目前で推移しており、日本当局による介入警戒感が高まっている。ユーロ/ドルは0.10%高の1.0578ドルとなったが、四半期では3.08%下落し、この1年で最大の下げ幅を記録した。英ポンドは0.04%上昇の1.2206ドル。四半期ベースでは3.85%安となる見通しで、この1年で最悪のパフォーマンスとなっている。

<債券>
国債利回りが低下した。米連邦準備理事会(FRB)が利上げを終了するとの見方が強まった。指標となる10年債利回りは終盤には2.2bp低下し4.575%と、28日に付けた2007年9月以来16年ぶり高水準である4.688%から11bp低下した。それでも、10年債利回りは週間で13.7ベーシスポイント(bp)上昇し、7月以来の大幅上昇を記録した。月間では48.6bp上昇し、今年最大の上昇幅となった。第3・四半期には76bp上昇し、四半期としては22年9月以来の大幅上昇となった。米商務省が29日発表した8月の個人消費支出(PCE)価格指数によると、コアPCE価格指数は前月比で0.1%上昇。伸びは7月の0.2%から鈍化し、20年11月以来の小ささとなった。SLCマネジメントの投資戦略・資産配分担当マネージングディレクター、デック・マラーキー氏は「データは引き続きディスインフレが軌道に乗っていることを裏付けており、FRBは年内いっぱい金利を据え置くことができるだろう」と述べた。2年債と10年債の利回り格差はマイナス46.80bpまで縮小した。月間では、イールドカーブは28.8bpスティープ化し、3月以来のタイトなスプレッドとなった。四半期ではスプレッドは59.20bp縮小した。2年債利回りは1.9bp低下し5.052%となった。CMEのフェドウオッチによると、フェデラルファンド(FF)金利先物市場は11月の利上げ確率をわずか14%と見積もっている。1カ月前には40%を超えていた。30年債利回りは2.6bp低下し4.703%。物価連動国債(TIPS)と通常の国債の利回り差で期待インフレを示すブレーク・イーブン・インフレ率(BEI)は、10年物が2.343%だった。

<株式>
S&P総合500種が下落して取引を終えた。投資家は米インフレ指標が連邦準備理事会(FRB)の金融政策に及ぼす影響を消化した。第3・四半期末のポートフォリオ調整も重しとなった。S&P500とナスダック総合は月間で今年最大の下落率を記録。四半期では主要3指数全てが今年初の下げとなった。米商務省が29日発表した8月の個人消費支出(PCE)価格指数は、変動の大きい食品とエネルギーを除いたコア指数の伸びが前年同月比3.9%と、前月の4.3%から減速し、2021年6月以降で初めて4.0%を下回った。PCE発表を受け株価は当初上昇していたが、その後下げに転じた。USバンク・ウェルス・マネジメントのエリック・フリードマン最高投資責任者(CIO)は「インフレ率は予想より好転しているものの、なお高止まりしている」と指摘。一方で「四半期末を迎え、株式と債券の両市場であらゆる動きが見られる」とした。業種別では、エネルギーが約2%、金融が0.9%それぞれ下落した。ただ第3・四半期のパフォーマンスではエネルギーが最も上昇したセクターとなった。フリードマン氏は「エネルギーと金融は相対的に上昇しており、きょうはある程度のリバランス効果が見られる」とした。四半期ベースではS&P500が約3.6%、ダウ工業株30種が2.6%、ナスダックが4.1%それぞれ下落した。月間ではS&P500が4.9%安、ダウが3.5%安、ナスダックが5.8%安となった。個別銘柄では、米スポーツ用品大手ナイキが6.7%高。28日発表した第1・四半期(6─8月)決算は、利益が市場予想を上回った。ニューヨーク証券取引所では値下がり銘柄数が値上がり銘柄数を1.2対1の比率で上回った。ナスダックでは1.1対1で値上がり銘柄が多かった。米取引所の合算出来高は約113億株。直近20営業日の平均は104億株。

<金先物>
ドル安に伴う買いが先行したものの、あと利益確定の売りに押され、5営業日続落した。中心限月12月物の清算値(終値に相当)は、前日比12.50ドル(0.67%)安の1オンス=1866.10ドルと、3日連続で今年3月中旬以来6カ月半ぶりの安値を更新した。

<米原油先物>
米中経済への懸念がくすぶる中、続落した。米国産標準油種WTIの中心限月11月物の清算値(終値に相当)は前日比0.92ドル(1.00%)安の1バレル=90.79ドル。この日は7~9月期の最終取引日で、中心限月の前四半期末比では約28.5%高となった。12月物は0.79ドル安の88.80ドル。


◆NY株式(フィスコ)=米国株式市場はまちまち、政府機関閉鎖への警戒感が上値抑制(29日)

2023/09/30(土)09:30

要約(ChatGPT併用)

  • 米国株式市場はまちまち、ダウ平均が158.84ドル安、ナスダックが18.04ポイント高

  • 8月コアPCE価格指数の伸び鈍化で寄り付き後上昇、特にハイテクが好調

  • 月末、四半期末の調整売りと政府機関閉鎖への警戒感、自動車労働組合のストライキ長期化を警戒した売りで下落

  • セクター別では耐久消費財・アパレルが上昇、エネルギーが下落

  • ナイキは四半期決算で1株利益が予想を上回り、買われた

  • ブルー・アプロンはワンダーグループによる買収の報道で上昇

  • フォード、ゼネラル・モーターズはUAWのストライキ拡大発表で下落

  • エクソン、シェブロンは原油価格の下落でそれぞれ下落

  • VIX指数は17.67まで上昇

本文ここから

 米国株式市場はまちまち。ダウ平均は158.84ドル安の33,507.50ドル、ナスダックは18.04ポイント高の13,219.32で取引を終了した。
 8月コアPCE価格指数の伸び鈍化で、金利高を警戒した売りが後退し、寄り付き後、上昇。長期金利の低下に伴い特にハイテクが上昇した。その後、月末、四半期末の調整売りに加えて、連邦予算案期限を明日に控えて下院が共和党のつなぎ予算案を否決したため政府機関閉鎖への警戒感が一段と強まったほか、自動車労働組合(UAW)ストライキ長期化を警戒した売りが強まり、下落に転じた。終盤にかけ、ダウは下落幅拡大もナスダックはかろうじてプラス圏を保ちまちまちで、終了。セクター別では耐久消費財・アパレルが上昇した一方で、エネルギーが下落した。
 スポーツ用品メーカ―のナイキ(NKE)は昨日引け後に発表した四半期決算で、1株利益が予想を上回ったほか、在庫状況改善が需要鈍化懸念を相殺し、買われた。宅配サービスを提供するブルー・アプロン(APRN)は同業スタートアップのワンダーグループが買収することが明らかになり、上昇。自動車メーカーのフォード(F)、ゼネラル・モーターズ(GM)は自動車労働組合(UAW)が労働条件を巡る交渉が行き詰まりストライキ拡大を発表し、長期化の様相で生産、販売を妨げるとの警戒感にそれぞれ下落。また、石油化学メーカーのエクソン(XOM)や再生可能燃料会社のシェブロン(CVX)は原油価格の下落で収益増期待が後退し、それぞれ下落した。投資家の恐怖心理を示すVIX指数は17.67まで上昇した。


【今週のまとめと来週の見通し】

◆今週の株式市況まとめ(株探ニュース)=続落、米金融引き締め懸念根強くセンチメント悪化

2023/09/30(土)06:40

要約(ChatGPT併用)

  • 東京株式市場で日経平均株価は2週連続で下落

  • 米金融引き締めへの懸念とハイテク株の逆風で軟調な地合い

  • 25日、日銀金融政策決定会合で「現状維持」、植田日銀総裁が早期政策修正に慎重な姿勢を示す

  • 26日、欧州・米国株市場の上値の重さや米長期金利の上昇で東京市場も軟調

  • 27日、9月の権利付き最終売買日で配当権利取りの動き活発

  • 28日、配当権利落ちと市場センチメントの急速な悪化で日経平均が大幅安

  • 29日、四半期末のリバランス売りで小幅下落

  • 来週、日経平均の3万2000円回復が焦点

  • 米国の政府機関閉鎖問題を波乱要因として警戒

  • 重要イベントとして国内の日銀短観、景気動向指数、海外の米国ISM景況指数、ADP雇用統計、ISM非製造業PMI、米国雇用統計が注目

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■今週の相場ポイント
 1.日経平均は2週続落、3万2000円台割れ
 2.月曜は上昇、日銀「現状維持」で安心感
 3.米引き締め懸念根強く、ハイテク株に逆風
 4.9月配当取りの動き活発化、相場に底堅さも
 5.権利落ちに絡み日経平均急落、軟調展開続く

■週間 市場概況
 今週の東京株式市場で日経平均株価は前週末比544円(1.7%)安の3万1857円と、2週連続で下落した。
 今週は週開け月曜こそ買い優勢だったが、その後は軟調な地合いが継続。米金融引き締め長期化に対する懸念が依然として根強く、半導体関連など主力ハイテク株に逆風となった。日経平均は3万2000円台を割り込んだ。
 25日(月)の東京株式市場は上昇してスタート。前週末の日銀金融政策決定会合で「現状維持」が決定され、会合後の植田日銀総裁の記者会見では早期の政策修正に慎重な姿勢が示された。これを受けてマーケットに安心感が広がり、この流れが週明け月曜も続いた。しかし一転、26日(火)は売り優勢の地合いとなった。米金融引き締め長期化への懸念が拭えないなか、前日の欧州株市場がほぼ全面安商状となったほか、米国株市場も上値の重い展開に。米長期金利の上昇を背景にハイテク株への向かい風が強まり、東京市場でも半導体関連など主力銘柄に売りがかさみ全体指数を押し下げた。27日(水)は前日の東京市場やその後の欧米株市場の軟調を受け、朝方はリスク回避ムードが強かった。ただ、この日が9月の権利付き最終売買日ということもあり、配当権利取りの動きが活発化。先物を絡め徐々に水準を戻し、日経平均はプラス圏に切り返す底堅さをみせた。28日(木)は再び売り優勢の地合い。日経平均は配当権利落ちに伴い220円程度の下落圧力が想定されていたが、この日の前引け間際に突如下げ幅を拡大。後場に入って一時700円近く下落する場面があった。市場センチメントは急速に悪化し、結局大引けも499円安と大幅安で3万2000円台を割り込んだ。そして29日(金)も小幅に下げた。四半期末で機関投資家などからのリバランス売りが警戒され、軟調な値動きとなった。

■来週のポイント
 来週から10月相場入りとなるが、日経平均はフシ目の3万2000円を早期に回復できるかが焦点となりそうだ。日米の金融政策と金利動向を市場が注視しているほか、波乱要因としては米国の政府機関閉鎖問題も気がかりである。ただ、国内の景況感は悪くないだけに、市場に安心感が広がれば大きく値を伸ばすことも期待できそうだ。
 重要イベントとしては、国内では10月2日朝に発表される日銀短観、6日に発表される8月景気動向指数が注目される。海外では2日に発表される米国9月ISM製造業景況指数、4日発表の米国9月のADP雇用統計とISM非製造業PMI、6日に発表される米国9月雇用統計に注視が必要だろう。

■日々の動き(9月25日~9月29日)
【↑】9月25日(月)―― 5日ぶり反発、日銀の金融緩和策維持で買い優勢
日経平均 32678.62( +276.21)  売買高12億6935万株 売買代金 3兆1720億円
【↓】9月26日(火)―― 反落、半導体株を中心にリスク回避の売り優勢
日経平均 32315.05( -363.57)  売買高13億1856万株 売買代金 3兆2590億円
【↑】9月27日(水)―― 小反発、朝安も配当取りと配当再投資で切り返す
日経平均 32371.90(  +56.85)  売買高15億8606万株 売買代金 3兆9250億円
【↓】9月28日(木)―― 急反落、米金利高や配当落ちで3万2000円台割れ
日経平均 31872.52( -499.38)  売買高16億6147万株 売買代金 3兆9872億円
【↓】9月29日(金)―― 小幅続落、機関投資家からのリバランス売りを警戒
日経平均 31857.62(  -14.90)  売買高18億8589万株 売買代金 4兆9096億円

■セクター・トレンド
 (1)全33業種中、32業種が値下がり。
 (2)値下がり率トップは郵船 <9101> など海運。景気敏感株は日本製鉄 <5401> など鉄鋼や住友鉱 <5713> など非鉄も大幅安
 (3)三菱UFJ <8306> など銀行、野村 <8604> など証券、SOMPO <8630> など保険といった金融株も大きく売られた。
 (4)輸出株はトヨタ <7203> など自動車、コマツ <6301> など機械、オリンパス <7733> など精密機器が安い
 (5)内需株も軟調。なかでも三井倉HD <9302> など倉庫・運輸、SGHD <9143> など陸運、日本郵政 <6178> などサービスの下落幅が大きい
 (6)唯一の上昇は中外薬 <4519> など医薬品

■【投資テーマ】週間ベスト5 (株探PC版におけるアクセス数)
 1(44) 01銘柄
 2(2) 半導体
 3(1) 地方銀行
 4(5) 人工知能
 5(4) JPX日経400
 ※カッコは前週の順位


◆来週の重要イベント(株探ニュース)=日銀短観、米ISM製造業、米雇用統計 (10月2日~8日)

2023/09/30(土)11:30

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―――――――――――――――――――10月 2日 (月) ――
◆国内経済
 ★日銀短観 (8:50)
 ・日銀金融政策決定会合の主な意見(9月21~22日分、8:50)
 ・9月新車販売 (14:00)
 ・9月軽自動車販売 (14:00)
◆国際経済etc
 ・中国(~10月6日、中秋節・国慶節)、香港、韓国、インド市場休場
 ・ドイツ9月製造業PMI[確報値] (16:55)
 ・ユーロ圏9月製造業PMI[確報値] (17:00)
 ・ユーロ圏8月失業率 (18:00)
 ・米国9月製造業PMI[確報値] (22:45)
 ★米国9月ISM製造業景況指数 (23:00)
 ・米国8月建設支出 (23:00)
 ・パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が討議に参加(0:00)
 ・ASEAN財務相・中央銀行総裁会議(インドネシア、~4日)
 ・ノーベル生理学・医学賞の発表
◆新規上場、市場変更 など
 ★NISSOホールディングス <9332> :東証P上場(テクニカル上場)
 ★リケンNPR <6209> :東証P上場(テクニカル上場)
 ★京都フィナンシャルグループ <5844> :東証P上場(テクニカル上場)
 ★ミガロホールディングス <5535> [東証P]:東証P上場(テクニカル上場)
―――――――――――――――――――10月 3日 (火) ――
◆国内経済
 ・9月マネタリーベース (8:50)
 ・ファストリ <9983> が9月国内ユニクロ売上推移速報を公表 (15:00頃)
 ・10年国債入札
◆国際経済etc
 ・中国、韓国(建国記念日)市場休場
 ・米国8月JOLTS求人件数(23:00)
 ・オーストラリア中銀が政策金利を発表
 ・ノーベル物理学賞の発表
◆新規上場、市場変更 など
 ★西部技研 <6223> :東証S上場
 ★ニッポンインシュア <5843> :東証S上場
―――――――――――――――――――10月 4日 (水) ――
◆国内経済
 ・需給ギャップと潜在成長率 (14:00)
 ・岸田政権発足から2年目
 ・投資の日
◆国際経済etc
 ・中国市場休場
 ・ドイツ9月サービス業PMI[確報値] (16:55)
 ・ユーロ圏9月サービス業PMI[確報値] (17:00)
 ・ラガルドECB総裁が講演 (17:00)
 ・ユーロ圏8月卸売物価指数 (18:00)
 ・ユーロ圏8月小売売上高 (18:00)
 ・米国MBA住宅ローン申請指数 (20:00)
 ★米国9月ADP雇用統計 (21:15)
 ・米国9月サービス業PMI[確報値] (22:45)
 ・米国8月製造業新規受注 (23:00)
 ★米国9月ISM非製造業PMI (23:00)
 ・米国8月耐久財受注[確報値] (23:00)
 ・米国週間石油在庫統計 (23:30)
 ・ニュージーランド中銀が政策金利を発表
 ・ノーベル化学賞の発表
◆新規上場、市場変更 など
 ★キャスター <9331> :東証G上場
 ★くすりの窓口 <5592> :東証G上場
―――――――――――――――――――10月 5日 (木) ――
◆国内経済
 ・週間対外及び対内証券売買契約等の状況 (8:50)
 ・9月輸入車販売 (10:30)
 ・9月車名別新車販売 (11:00)
 ・30年国債入札
◆国際経済etc
 ・中国市場休場
 ・ドイツ8月貿易収支 (15:00)
 ・米国8月貿易収支 (21:30)
 ・米国週間新規失業保険申請件数 (21:30)
 ・ノーベル文学賞の発表
【海外決算】
[米]コンステレーションブランズA
―――――――――――――――――――10月 6日 (金) ――
◆国内経済
 ・8月全世帯家計調査 (8:30)
 ・8月毎月勤労統計調査 (8:30)
 ★8月景気動向指数 (14:00)
 ・消費活動指数 (14:00頃)
◆国際経済etc
 ・中国市場休場
 ・ドイツ8月製造業新規受注 (15:00)
 ★米国9月雇用統計 (21:30)
 ・米国8月消費者信用残高 (7日4:00)
 ・インド中銀が政策金利を発表
 ・ノーベル平和賞の発表
◆新規上場、市場変更 など
〇セルソース <4880> :東証G→東証P
〇霞ヶ関キャピタル <3498> :東証G→東証P
―――――――――――――――――――10月 7日 (土) ――
特になし
―――――――――――――――――――10月 8日 (日) ――
特になし
 ※「★」は特に注目されるイベント。カッコ ()内は日本時間。


◆米国株式市場見通し(フィスコ)=リスク警戒感が台頭

2023/09/30(土)14:46

要約(ChatGPT併用)

  • 米国の政府機関が閉鎖のリスク。自動車労働組合(UAW)のストも長期化の可能性

  • 政府機関閉鎖で経済指標の発表に遅延が予想。影響を受ける可能性も

  • 11月のFOMCでは、失業率が3.7%へ低下する見通し。年内の追加利上げを正当化の可能性

  • 10月の金融市場のアノマリー「オクトーバー・エフェクト」で株式の下落を警戒

  • 金利高や原油価格の上昇によるFRBの金利引き上げと、その影響に投資家が神経質

  • UAWのスト長期化、政府機関の閉鎖で空港職員不足や旅行需要の減少、景気へのマイナス影響

  • 9月の製造業PMI、8月の建設支出、ISM製造業景況指数などの経済指標発表が予定

  • マコーミック、ティルレイ、コンステレーション・ブランズ、リーバイ・ストラウスの企業決算予定

  • リーバイ・ストラウスの売り上げ減、コンステレーションが競合失敗で恩恵を受ける可能性

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 来週は、政府機関閉鎖や自動車労働組合(UAW)のスト長期化の可能性がリスクになるだろう。週末の交渉で合意にいたらなければ、米国政府機関の一部は閉鎖されることになる。直前に合意されたとしても、来週の経済指標発表などに影響をもたらす可能性があり、警戒だ。
 政府機関が通常通り機能した場合、11月の連邦公開市場委員会(FOMC)で金融政策決定に重要な材料となる雇用統計の結果に注目だ。9月雇用統計では失業率が3.7%に低下、非農業部門の雇用者数は17万人増と、前回の18.7万人増から伸びが鈍化する見通しとなっている。雇用者数は減速傾向にあるものの失業率は依然歴史的にも低い水準を維持する可能性が強く、予想通りの結果は年内あと1回の追加利上げを正当化するだろう。ただ、政府機関閉鎖に強いられた場合は、民間が発表するISMやADP雇用統計を除き、雇用統計や新規失業保険申請件数などの発表が延期される可能性があり、リスク要因だ。金融政策にも影響を与えかねないだろう。格付け会社による格下げに伴うトリプル安にもつながりかねず警戒だ。
 第4四半期入りで、10月効果、オクトーバー・エフェクトという金融市場のアノマリーのひとつで「10月は株式が下落しやすい」と警戒し、投資家は買いに慎重になるだろう。大恐慌が1929年10月、ブラックマンデーが1987年10月に起きたことが発端。ただ、統計的には10月よりも9月が下げ相場となる傾向が多く、慎重な押し目買いの好機となりそうだ。
 今年は、10年債利回りが2007年来の高水準付近で推移しているほか、原油価格も再び100ドルを目指す勢いで上昇しており、FRBが想定以上に高い水準にまでに金利を引き上げ、長期にわたり維持する可能性など相場に対するマイナス材料が重なるため、投資家は例年に比べてより神経質になるだろう。銀行のJPモルガンのダイモンCEOは顧客に政策金利が7%まで上昇する可能性にも備えるよう警告したと報じられている。
 また、UAWのストが拡大されたが、長期化するリスクがある。政府機関閉鎖により空港職員不足などで旅行需要も落ち込む可能性があり景気にマイナスだ。また、学生ローン返済が10月から再開する予定で消費に影響、スタグフレーションリスクも浮上する可能性がありそうだ。経済や金融市場にマイナスとなる材料が多々くすぶっており、投資家の恐怖心が台頭し、手仕舞い売りが上値を抑制するだろう。
 経済指標では、9月製造業PMI、8月建設支出、9月ISM製造業景況指数(2日)、8月JOLT求人(3日)、9月ADP雇用統計、9月サービス業PMI、8月製造業受注、8月耐久財受注、9月ISM非製造業景況指数(4日)、8月貿易収支、週次失業保険申請件数(5日)、9月雇用統計(6日)、などが予定されている。
 主要企業決算では、調味料メーカーのマコーミック(3日)、大麻・製品メーカーのティルレイ・ブランズ(4日)ビール、ワインなどの蒸留酒製造・販売のコンステレーション・ブランズや加工食品メーカーのコナグラ・ブランズ、衣料品メーカーのリーバイ・ストラウス(5日)、などが予定されている。
 リーバイ・ストラウスは小売りの中で最も早い決算発表となるため、傾向を確認したい。すでに売り上げ減を警告しているため、見通しに警戒だ。コンステレーション・ブランズは、競合のアンハイザー・ブッシュ・インべブがソーシャルメディア広告の失敗で販売が激減しており、恩恵を受けることになりそうだ。


◆新興市場見通し(フィスコ)=神経質な展開か、米金利や需給面が気掛かり、IPOは4社

2023/09/30(土)14:47

要約(ChatGPT併用)

  • 新興市場は週間で小幅高。日経平均は-1.68%、東証グロース市場指数は+0.37%、マザーズ指数は+0.42%

  • 米NASDAQ総合株価指数は下げ止まり。日本の新興市場は大きく上げ下げする動き

  • 岸田首相の物流緊急対策でロジザード、デジタル技術支援のプロジェクトカンパニー、デジプラとMacbeePの提携が注目

  • 週間売買代金上位にカバー、ジーエヌアイグループ

  • 来週の新興市場はじり高が期待。米長期金利の上昇が一服し、マザーズ指数は低水準

  • 米9月雇用統計が10月6日に発表。失業率の低下と非農業部門雇用者数の増加鈍化予想

  • 平均時給の伸びは前月比で加速予想。米国の年内追加利上げ観測が高まる可能性

  • 新興市場で時価総額上位銘柄やトライト、コアコンセプト・テクノロジーなどが注目

  • 来週の新規公開株式は東証グロース・スタンダード合わせて4社予定

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■値ごろ感が新興市場を下支え
 今週の新興市場はやや強含み。先週も米連邦準備制度理事会(FRB)による金融引き締め長期化の観測が根強いままで、米長期金利は上値追いの動きにあったが、頭打ちの兆しも引き続き見せた。このため、株価収益率(PER)の高いハイテク株を中心とした米NASDAQ総合株価指数は、米長期金利頭打ちの兆しと約4カ月ぶりの安値圏にあったことで台頭した値頃感を評価する形で、下げ止まりから持ち直しの兆しを見せ始めた。そうした中、高PER銘柄の多い日本の新興市場は、日替わりで大きく上げ下げした。しかし、上述の米長期金利頭打ちの兆しと米NASDAQ総合株価指数下げ止まりの動き、年初来安値圏にあることで強まった日本の新興市場の値頃感に支えられ、相場は週間で小幅高を確保、下げ止まりの動きに。先週の騰落率は、日経平均が-1.68%だったのに対し、東証グロース市場指数は+0.37%、マザーズ指数は+0.42%だった。
 個別では、岸田首相の物流緊急対策表明が材料視されたロジザード<4391>、デジタル技術で新規事業開発や既存事業変革を支援するプロジェクトカンパニー<9246>、MacbeeP<7095>と資本業務提携すると発表したデジプラ<3691>などが週間上昇率の上位に入った。その一方、21日に新規上場した後で換金売りに押された揚羽<9330>、23年12月期業績予想を下方修正したメドレックス<4586>、24年2月期上半期業績見込みを下方修正したサマンサタバサジャパンリミテッド<7829>が週間下落率の上位となった。週間売買代金上位にはカバー<5253>やジーエヌアイグループ<2160>が入っている。

■上昇基調継続なるか、押し目買い継続に期待、IPOは4社
 来週の新興市場はじり高か。今週後半に米長期金利の上昇が一服し、東証グロース市場指数、マザーズ指数は上昇に転じた。マザーズ指数は依然として年初来でみて低水準にある。値ごろ感からの押し目買いが入りやすいと考えられ、米長期金利の動きが落ち着いていれば、新興株の堅調な展開が見込めそうだ。
 10月6日には注目度の高い米9月雇用統計が発表される。8月と比較して失業率は低下するものの、非農業部門雇用者数の増加は鈍化すると予想されており、労働需給逼迫に対する過剰な警戒感が和らぐ期待がある。一方、平均時給の伸びは前年同月比では8月と同じ+4.3%の予想となっている一方、モメンタムを示す前月比では+0.3%と8月(+0.2%)から加速する見込みだ。雇用者数の伸びの鈍化が限定的であれば、むしろ、米国での年内の追加利上げ観測が高まる可能性がある。その場合、米長期金利が一段と上昇し、新興市場の重しになる可能性があるため、注意が必要だろう。週末にかけては米雇用統計を控えた手仕舞い売りなどに注意したい。
 来週の新興市場では値ごろ感からの買いが継続する中、株価調整が進んでおり、なおかつ業績が拡大基調にある時価総額上位の銘柄が注目されやすくなると考える。個別では介護・看護・保育の人材紹介や派遣が主力のトライト<9164>、製造業・建設業向けDX支援やIT人材調達支援が主力のコアコンセプト・テクノロジー<4371>などに注目しておきたい。なお、来週の新規公開株式(IPO)は東証グロース・スタンダード合わせて4社となっている。


◆国内株式市場見通し(フィスコ)=年度後半相場入りで方向性を探る週に

2023/09/30(土)14:49

要約(ChatGPT併用)

  • 今週の日経平均は2週連続で下落し、544.79円安の31857.62円で取引を終了

  • 米長期金利の上昇を背景に日経平均は重い展開、しかし27日には権利取りの買いなどで持ち直しの動き

  • 米国では政府予算案審議や自動車労組のストライキ問題が相場を圧迫、一方でナスダックは3日続伸

  • 来週の東京市場は米金利や為替の動向、国内企業の上半期決算などが焦点

  • 10月2日には日銀短観の発表が予定され、大企業製造業の業況判断DIが市場の関心

  • 米政府の一部閉鎖リスクや海外投資家の売買動向も市場の重要な要因

  • 6-8月期決算発表が始まり、アパレル関連銘柄の業績回復が注目される

  • 安川電機の第2四半期決算は市場の関心が高く、その後の株価動向が注目

  • ノーベル賞の発表も週間スケジュールに上がっており、特に生理学・医学賞や物理学賞が焦点

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■日米金利動向と期末事情で日経平均乱高下
 今週の日経平均は週間で544.79円安(-1.7%)の31857.62円と2週連続で下落した。先週の中銀イベントを波乱なく通過した週明けは5営業日ぶり反発でスタートしたが、その後は米長期金利の上昇が重しになった。27日には一時32000円割れとなる場面もあったが、9月権利付最終売買日とあって、権利取りの買いや機関投資家による配当再投資が下支えとなり持ち直した。一方、権利落ち日となる28日は、日経平均ベースで224円程度の配当落ち分の下げに加え、四半期末に伴う年金基金の持ち高調整や29日の日経平均構成銘柄入れ替えに伴う超過売り需要が意識され、前引けにかけて急落。日経平均は直近2週間における大幅な下落で押し目買いが入りやすかったはずだが、上値は重く週末29日も続落した。

■日銀短観は大企業製造業で上振れの可能性
 先週末29日の米国市場では、予算案審議の混迷や全米自動車労組のストライキ拡大表明などがリスク要因となり、NYダウは158.84ドル安と反落した。一方、半導体関連の一角が買われたナスダック総合指数は小幅ながら3日続伸となった。強弱材料が交錯して、買い手掛かりに掛ける中、週明けの東京市場は気迷いムードのスタートとなりそうだ。
 10月相場入りとなるが、引き続き日米の金利や為替の動向、原油市況を睨みながら方向性を探る展開となりそうだ。国内企業の上半期決算動向などにも関心が移っていこう。
 週初となる10月2日は、寄り付き前に7-9月期日銀短観が発表される。大企業製造業の業況判断DIの市場予想中央値は6と前回5から小幅改善が見込まれている。短観の大企業製造業の業況判断DIは輸出セクターを中心に上振れとなる可能性が一部で指摘されている。特に自動車や金属製品、木材・木製品といった業種での上振れの可能性が高く、中間決算発表による業績相場への移行に向けた物色の手掛かりにつながることに期待したい。
 ほか、目先に迫った外部要因としては、米国の新年度予算成立の遅れに伴う政府機関の閉鎖問題が懸念材料として横たわっている。米下院は9月29日、野党共和党が提案した10月末までのつなぎ予算を反対多数で否決し、政府機関の一部閉鎖リスクが高まった。29日のNYダウ反落の一つの要因としても働いている。ただ、仮に政府閉鎖の事態打開に向けた議会などの動きが出てくれば、相場にはポジティブサプライズとして大きくプラスに作用しよう。
 また、海外投資家の売買動向にも目配せが必要だ。東証が9月28日に発表した9月第3週(19-22日)の投資部門別売買動向では、海外投資家が総合で9371億円の売り越し(前の週は3151億円の買い越し)に転じている。内訳としては、現物が8644億円の売り越し、TOPIX先物は380億円の買い越し、225先物は1107億円の売り越しとなっている。この週は日米の長期金利上昇が警戒され、日経平均株価が前週末比1130円安の32402円と2週ぶりに急反落した週にあたる。この売り越しスタンスにブレーキが掛かるかが注目される。

■好調アパレル注目、ノーベル賞サプライズあるか
 物色的には消費・小売関連銘柄を中心とする6-8月期決算発表の前半戦が始まる。10月2日はしまむら<8227>、象印マホービン<7965>、4日は不二越<6474>、5日はキユーピー<2809>、オンワードホールディングス<8016>、6日は三陽商会<8011>などが発表を予定している。なかでも外出需要の回復を受けてアパレル関連の業績回復は著しい。オンワードHDや三陽商会などはすでに増額修正を発表しており、さらなる上乗せがあるかに関心が向いている。
 ほか、6日の安川電機<6506>の第2四半期決算の注目度は高い。その決算発表後の株価動向は設備投資、中国関連の主力株に影響を与えるとみられる。
 また、ノーベル賞の発表が2日に生理学・医学賞、3日に物理学賞、4日に化学賞、5日に文学賞、6日に平和賞、9日に経済学賞がそれぞれ予定されている。日本人受賞期待の分野では、不眠症の治療薬開発やナノ医療におけるナノマシンなどが注目されている。受賞のサプライズがあれば、個別株物色が盛り上がる可能性がある。

■日銀短観、米9月雇用統計、など
 来週は10月2日に7-9月期日銀短観、日銀金融政策決定会合(9月21-22日開催)の「主な意見」公表、米9月ISM製造業景況指数、パウエル米FRB議長発言、5日は米8月貿易収支、6日は8月景気動向指数、安川電機決算発表、米9月雇用統計などがそれぞれ予定されている。このほか、中国市場は中秋・国慶節で6日まで休場となる。


◆為替週間見通し(フィスコ)=ドルは底堅い値動きか、日米金利差にらみ150円超えの可能性も

2023/09/30(土)14:13

要約(ChatGPT併用)

  • 今週のドル・円は強い動きを見せ、一時149円71銭まで上昇

  • 8月の米耐久財受注は増加し、ミネアポリス連銀総裁は年内追加利上げを想定

  • 日本政府は過度な円安を懸念、しかし日米金利差の拡大で円買い介入の懸念は限定的

  • 29日のNY外為市場で、ドル・円は148円96銭から149円49銭まで動き、8月コアPCE価格指数は市場予想と一致

  • 来週のドル・円は底堅い展開が予想され、1ドル=150円突破の可能性も

  • 鈴木財務相は為替介入を示唆しており、政府のけん制姿勢が強まる可能性

  • 米の経済指標は堅調で、FRBの引き締め方針を後押し

  • 米10年債利回りは2007年10月以来の水準に近づいており、9月の雇用統計も市場の注目点

  • 欧州の中央銀行は政策金利の据え置きを予想、FRBとの金利差でドル選好が強まる見込み

本文ここから

【今週の概況】
■強含み、米追加利上げを想定したドル買い継続
 今週のドル・円は強含み。9月27日発表の8月米耐久財受注速報値は予想に反して増加したこと、ミネアポリス連銀カシュカリ総裁は年内追加利上げを想定し、利下げは2025年以降になるとの見方を伝えたことから、リスク選好的な米ドル買い・円売りが観測された。ドル・円は一時149円71銭まで買われた。日本政府は過度な円安を懸念しており、円買い介入が実施される可能性はあるものの、日米金利差の拡大が想定されており、円買い介入を警戒した米ドル売り・円買いの動きは一部にとどまった。
 29日のニューヨーク外為市場でドル・円は、148円96銭まで下落後、149円49銭まで
 反発した。この日発表された8月コアPCE価格指数は市場予想と一致し、上昇率は7月実績を下回ったことから、ドル売りが一時強まった。しかし、市場の年内追加利上げ観測は後退せず、米長期金利は下げ渋ったことを意識してドル買い・円売りが再び強まる展開となった。ドル・円は149円37銭でこの週の取引を終えた。ドル・円の取引レンジ:148円25銭-149円71銭。

【来週の見通し】
■ドルは底堅い値動きか、日米金利差にらみ150円超えの可能性も
 来週のドル・円は底堅い値動きとなりそうだ。日米金利差が意識され1ドル=150円突破の可能性はあるが、日本政府による円安けん制がさらに強まり、リスク選好的な円売りが後退した場合、ドルの上値はやや重くなる可能性がある。ドル・円の150円台が視野に入ると日本政府はけん制姿勢を強め、鈴木財務相は「あらゆる措置を排除せず適切に対応する」と昨年以来の為替介入をちらつかせている。ただ、「昨年と異なり足元のドル・円相場はボラティリティがそれほど大きいとは言えない」(短期筋)と介入の実施については見方が分かれているようだ。
 一方、足元で発表された米経済指標は堅調な内容が目立ち、連邦準備制度理事会(FRB)の引き締め方針を後押し。米10年債利回りは2007年10月以来となる4.7%近辺まで上昇し、来週発表の9月雇用統計などが強い内容なら金利高・ドル高の基調は維持される見込み。英国、スイスの中央銀行は政策金利の据え置きを発表したが、欧州中央銀行(ECB)も次回以降は政策金利の据え置きが予想される。FRBの利上げ余地で欧州通貨に対するドル選好地合いがさらに強まれば、ドル・円の取引でもドル買いが強まる見通し。

【米・9月ISM製造業景況指数】(10月2日発表予定)
 10月2日発表の9月ISM製造業景況指数は47.8と、前月から小幅改善が予想される。ただ、先行指数とみられるフィラデルフィア連銀製造業景況指数はマイナスに転じ、9月ISM製造業景況指数が市場予想を下回った場合、ドル売り要因に。

【米・9月雇用統計】(10月6日発表予定)
 10月6日発表の米9月雇用統計は失業率が3.7%、非農業部門雇用者数は前月比+17.0万人、平均時給は前年比+4.3%と予想されている。市場予想とおおむね一致した場合、ドル買い材料になるとの見方が多いようだ。

予想レンジ:148円00銭-151円00銭


◆来週の相場注目3つのポイント(フィスコ)=日銀短観、米ISM製造業景況指数、米雇用統計

2023/09/30(土)18:57

要約(ChatGPT併用)

  • 米国市場での予算案審議の混迷や全米自動車労組のストライキがNYダウの反落要因

  • ナスダック総合指数は半導体関連で小幅3日続伸

  • 来週の東京市場は混迷のスタートが予想される

  • 10月の相場では日米の金利、為替、原油市況に注目

  • 7-9月期日銀短観発表予定、大企業製造業の業況判断DIが上振れの可能性

  • 米国の新年度予算問題による政府機関の閉鎖リスク増大

  • 来週のドル・円は底堅く、1ドル=150円突破の可能性

  • 米経済指標が堅調でFRBの引き締め方針が続く、米10年債利回りは上昇

  • 欧州の中央銀行は政策金利の据え置き予想、FRBの利上げがドル選好を強化

  • 米議会下院が10月末のつなぎ予算案を否決、政府機関の一部閉鎖リスク上昇

本文ここから

■株式相場見通し
予想レンジ:上限31500円-下限32900円
 先週末29日の米国市場では、予算案審議の混迷や全米自動車労組のストライキ拡大表明などがリスク要因となり、NYダウは158.84ドル安と反落した。一方、半導体関連の一角が買われたナスダック総合指数は小幅ながら3日続伸となった。強弱材料が交錯して、買い手掛かりに掛ける中、週明けの東京市場は気迷いムードのスタートとなりそうだ。
 10月相場入りとなるが、引き続き日米の金利や為替の動向、原油市況を睨みながら方向性を探る展開となりそうだ。国内企業の上半期決算動向などにも関心が移っていこう。
 週初となる10月2日は、寄り付き前に7-9月期日銀短観が発表される。大企業製造業の業況判断DIの市場予想中央値は6と前回5から小幅改善が見込まれている。短観の大企業製造業の業況判断DIは輸出セクターを中心に上振れとなる可能性が一部で指摘されている。特に自動車や金属製品、木材・木製品といった業種での上振れの可能性が高く、中間決算発表による業績相場への移行に向けた物色の手掛かりにつながることに期待したい。
 ほか、目先に迫った外部要因としては、米国の新年度予算成立の遅れに伴う政府機関の閉鎖問題が懸念材料として横たわっている。米下院は9月29日、野党共和党が提案した10月末までのつなぎ予算を反対多数で否決し、政府機関の一部閉鎖リスクが高まった。29日のNYダウ反落の一つの要因としても働いている。ただ、仮に政府閉鎖の事態打開に向けた議会などの動きが出てくれば、相場にはポジティブサプライズとして大きくプラスに作用しよう。
 また、海外投資家の売買動向にも目配せが必要だ。東証が9月28日に発表した9月第3週(19-22日)の投資部門別売買動向では、海外投資家が総合で9371億円の売り越し(前の週は3151億円の買い越し)に転じている。内訳としては、現物が8644億円の売り越し、TOPIX先物は380億円の買い越し、225先物は1107億円の売り越しとなっている。この週は日米の長期金利上昇が警戒され、日経平均株価が前週末比1130円安の32402円と2週ぶりに急反落した週にあたる。この売り越しスタンスにブレーキが掛かるかが注目される。

■為替市場見通し
 来週のドル・円は底堅い値動きとなりそうだ。日米金利差が意識され1ドル=150円突破の可能性はあるが、日本政府による円安けん制がさらに強まり、リスク選好的な円売りが後退した場合、ドルの上値はやや重くなる可能性がある。ドル・円の150円台が視野に入ると日本政府はけん制姿勢を強め、鈴木財務相は「あらゆる措置を排除せず適切に対応する」と昨年以来の為替介入をちらつかせている。ただ、「昨年と異なり足元のドル・円相場はボラティリティがそれほど大きいとは言えない」(短期筋)と介入の実施については見方が分かれているようだ。
 一方、足元で発表された米経済指標は堅調な内容が目立ち、連邦準備制度理事会(FRB)の引き締め方針を後押し。米10年債利回りは2007年10月以来となる4.7%近辺まで上昇し、今週発表の9月雇用統計などが強い内容なら金利高・ドル高の基調は維持される見込み。英国、スイスの中央銀行は政策金利の据え置きを発表したが、欧州中央銀行(ECB)も次回以降は政策金利の据え置きが予想される。FRBの利上げ余地で欧州通貨に対するドル選好地合いがさらに強まれば、ドル・円の取引でもドル買いが強まる見通し。
 なお、米議会下院は29日、マッカーシー下院議長が提案した10月末までのつなぎ予算案を否決した。この結果、10月1日から連邦政府機関が一部閉鎖される可能性は一段と高まった。連邦政府機関の一部が閉鎖された場合、リスク選好的な為替取引は縮小する可能性がある。

■来週の注目スケジュール
10月2日(月):日銀短観(大企業製造業DI)(7-9月)、米・ISM製造業景況指数(9月)、米・パウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長とフィラデルフィア連銀総裁が円卓会議に参加、など
10月3日(火):米・JOLT求人件数(8月)、米・アトランタ連銀総裁が講演、など
10月4日(水):米・ADP全米雇用報告(9月)、米・サービス業PMI(9月)、米・ISM非製造業景況指数(9月)、など
10月5日(木):参院徳島・高知補選告示、豪・貿易収支(8月)、独・貿易収支(8月)、米・新規失業保険申請件数(先週)、米・貿易収支(8月)など
10月6日(金):日・家計支出(8月)、景気先行CI指数(8月)、米・非農業部門雇用者数(9月)、米・失業率(9月)、米・平均時給(9月)、など


◆株価指数先物週間展望(フィスコ)=「つなぎ予算」可決で-1σ突破か

2023/10/01(日)17:00

要約(ChatGPT併用)

  • 日経225先物は米の経済指標や政策に強く影響される見込み

  • 米の8月PCEコア価格指数の伸びが鈍く、利上げ見送りの観測が浮上

  • 米上下両院が短期のつなぎ予算を可決、米政府機関の閉鎖懸念が一時的に後退

  • 日経225先物は米PCEを受けて上昇も、後に政府機関閉鎖懸念で価格が軟化

  • UAWがストライキ拡大を発表、米自動車産業への影響が懸念される

  • 米ではISM製造業景況指数や雇用統計などの重要指標の発表が控えている

  • 国内の新規資金流入やNT倍率の動向が市場の焦点

  • VIX指数は米国内の政治問題や経済指標発表により変動が予想される

  • 9月第3週の海外投資家は売り越し、個人は2週ぶりの買い越しを記録

  • 経済スケジュールには日銀短観や米国経済指標などが控えている

本文ここから

 今週の日経225先物は、米国の動向を睨んでの展開になりそうだ。9月29日に発表された8月の米個人消費支出(PCE)物価指数は食品とエネルギーを除くPCEコア価格指数が市場の予想ほど伸びなかった。これを受けて次回の米連邦公開市場委員会(FOMC)で利上げは見送られるとの見方から、米国市場は買い先行で始まった。ただし、買い一巡後は米政府機関の一部閉鎖への警戒感からNYダウは下落に転じた。
 なお、米上下両院は9月30日、45日分の「つなぎ予算」案を可決した。週明けの東京市場ではその初動反応を見せることになる。つなぎ予算の可決により、ひとまず米政府機関の閉鎖懸念は後退するとみられる。
 日経225先物は、29日の取引終了後のナイトセッションで米PCEを手掛かりに一時3万2130円まで上昇する場面も見られたが、その後は米政府機関の閉鎖懸念により軟化し、3万1800円で取引を終えている。ボリンジャーバンドの-1σと-2σのレンジ内での推移を見せているが、つなぎ予算が可決されたことで-1σ突破から75日移動平均線が位置するオプション権利行使価格の3万2375円辺りが意識されてきそうだ。
 また、全米自動車労働組合(UAW)は9月29日、ストライキを拡大すると表明した。2工場、計7000人がストに加わる。ストの拡大・長期化により、経済損失拡大を懸念する見方が強まろう。そのため、つなぎ予算が好感されたとしても、自律反発の域は脱せないとみておいた方が良さそうだ。
 今週は米国で10月2日に9月ISM製造業景況指数、3日に8月JOLTS求人件数、4日に9月ADP雇用統計、9月ISM非製造業景況指数、6日に9月雇用統計の発表が予定されており、米金融政策を巡る市場の思惑に影響を与える可能性がある。
 一方、国内では9月下旬の需給イベントが通過したことで、下期入りに伴う新規資金流入への期待が下支えになりそうだ。また、先週末は引け間際に相対的に弱い値動きが続いていた値がさハイテク株を買い戻す動きが見られた。先週末のNT倍率は先物中心限月で13.72倍に上昇した。下向きのトレンドを継続しているものの、28日に13.55倍まで低下し、1月16日に付けた13.62倍を下回っていた。年初来安値更新によって、いったんは6月16日の高値14.69倍からの下降トレンドに対して修正の動きを見せる可能性がある。下向きで推移する25日線に上値を抑えられる形状のなか、まずは同線が位置する13.81倍辺りを狙ったNTロングが入りそうだ。
 週末のVIX指数は17.52(前日は17.34)に上昇した。前週からの上昇基調が継続し、27日には19.71まで切り上がる場面が見られた。週末はPCEの結果を受けて一時15.83まで低下したが、その後の切り返しで200日線水準を回復している。米政府機関の閉鎖問題やUAWのスト拡大に加えて、雇用統計など重要指標の発表を受けて、大きな変動をみせる可能性もあり、同指数の動きには注意したい。
 9月第3週(9月19日-22日)の投資部門別売買動向によると、海外投資家は現物と先物の合算では2週ぶりに売り越しており、売り越し額は1兆2526億円(9月第2週は5421億円の買い越し)だった。なお、現物は9131億円の売り越し(同2781億円の売り越し)と3週連続の売り越しであり、先物は3394億円の売り越し(同8203億円の買い越し)と5週ぶりに売り越している。個人は現物と先物の合算で9222億円の買い越しで、2週ぶりの買い越し。信託銀行は現物と先物の合算で1809億円の売り越しとなり、3週連続の売り越しだった。
 経済スケジュールでは、2日に日銀短観、米国9月ISM製造業景況指数、3日に米国8月JOLTS求人件数、4日に米国9月ADP雇用統計、米国9月ISM非製造業景況指数、5日に米国8月貿易収支、6日に8月全世帯家計調査、8月景気動向指数、米国9月雇用統計などが予定されている。

――プレイバック・マーケット――

●SQ値
10月限 日経225 26666.31  TOPIX  1885.58
11月限 日経225 28225.86  TOPIX  1978.52
12月限 日経225 27576.37  TOPIX  1945.27
01月限 日経225 26325.21  TOPIX  1900.71
02月限 日経225 27779.75  TOPIX  1986.19
03月限 日経225 28377.34  TOPIX  2047.32
04月限 日経225 28519.43  TOPIX  2019.76
05月限 日経225 29235.08  TOPIX  2090.33
06月限 日経225 32018.38  TOPIX  2211.13
07月限 日経225 32484.24  TOPIX  2245.68
08月限 日経225 32013.86  TOPIX  2278.68
09月限 日経225 32921.39  TOPIX  2370.93

◆日経225先物(日足)
         始値   高値   安値   清算値  前日比
23/12 09月29日  31830  32060  31660  32020  +170
23/12 09月28日  32170  32260  31670  31850  -300
23/12 09月27日  32010  32150  31740  32150  +70
23/12 09月26日  32520  32530  32080  32080  -400
23/12 09月25日  32300  32520  32180  32480  +210

◇TOPIX先物(日足)
         始値   高値   安値   清算値  前日比
23/12 09月29日  2339.0  2356.5  2315.0  2333.5  -6.5
23/12 09月28日  2359.5  2366.0  2331.5  2340.0  -18.0
23/12 09月27日  2346.5  2359.0  2326.0  2358.0  +7.0
23/12 09月26日  2367.5  2369.5  2348.5  2351.0  -13.5
23/12 09月25日  2360.5  2370.0  2351.5  2364.5  +6.0

●シカゴ日経平均 円建て
          清算値  前日大阪比
09月29日(12月限) 31825  -195
09月28日(12月限) 31990  +140
09月27日(12月限) 32100  -50
09月26日(12月限) 31870  -210
09月25日(12月限) 32465  -15
※前日比は大阪取引所終値比

□裁定取引に係る現物ポジション裁定残(金額)
        売り   前週末比   買い    前週末比
09月22日     11億円  +11億円 1兆4512億円  -575億円
09月15日     0億円  -39億円 1兆5087億円  +2063億円
09月08日     39億円  -465億円 1兆3023億円  +414億円
09月01日    505億円  +115億円 1兆2609億円  +4668億円

□裁定取引に係る現物ポジション(株数)
        売り      前日比  買い       前日比
09月27日    508万株    473万株  6億1897万株   +3551万株      
09月26日     34万株      0株  5億8345万株   +3518万株
09月25日     34万株      0株  5億4827万株   -2476万株
09月22日     34万株    +34万株  5億7303万株   -1533万株
09月21日      0株      0株  5億8836万株   +474万株
09月20日      0株      0株  5億8362万株   -2494万株
09月19日      0株      0株  6億0856万株   +2851万株
09月15日      0株      0株  5億8005万株   +146万株
09月14日      0株      0株  5億7859万株   +3120万株
09月13日      0株    -78万株  5億4738万株   +1048万株
09月12日     78万株   -100万株  5億3690万株   +522万株
09月11日    178万株   -0.3万株  5億3167万株   +946万株

■日本銀行による指数連動型上場投資信託(ETF)買い入れ推移(通常ETF分)
【2022年】
1月14日  701億円
1月25日  701億円
2月14日  701億円
3月07日  701億円
4月07日  701億円
5月19日  701億円
6月13日  701億円
6月17日  701億円
12月2日  701億円
【2023年】
3月13日  701億円
3月14日  701億円


【NEWS】

◆[NEWS]米コアPCE価格指数は伸び鈍化、FRBの追加利上げ観測後退でドル軟調(29日フィスコ)

2023/09/29(金)22:19

要約(ChatGPT併用)

  • 米・8月個人所得:前月比+0.4%(予想:+0.4%、7月:+0.2%)、3月来で最大

  • 米・8月個人消費支出(PCE):前月比+0.4%(予想:+0.5%、7月:+0.9%←+0.8%)、予想以上に伸びが鈍化

  • 米・8月コアPCE価格指数:前年比+3.9%(予想:+3.9%、7月:+4.3%←+4.2%)、7か月連続の伸び鈍化、21年5月来で最低の伸びとなり、FRBの利上げが効果を表した形

本文ここから

 米商務省が発表した8月個人所得は前月比+0.4%と、伸びは7月+0.2%から拡大し、3月来で最大となった。一方、同月個人消費支出(PCE)は前月比+0.4%と、7月+0.9%から予想以上に伸びが鈍化。米連邦準備制度理事会(FRB)がインフレ指標として注視している変動の激しい燃料や食料を除いたコアPCE価格指数の8月分は前月比で+0.1%と、7月の+0.2%から伸びが予想外に鈍化し、2020年11月来で最低。前年比+3.9%と、7月+4.3%から伸びが鈍化。7か月連続の伸び鈍化となった。21年5月来で最低の伸びとなり、FRBの利上げが効果を表した形。
 同時刻に発表された米8月卸売在庫速報値は前月比―0.1%と、予想外に7月-0.2%から改善。米8月前渡商品貿易収支は-843億ドル。赤字幅は909億ドルから拡大予想に反し縮小し、成長にプラスに寄与する。
 インフレの鈍化を受けてFRBの追加利上げ観測が後退し、米国債相場は堅調に推移。10年債利回りは4.53%まで低下した。ドルも軟調に推移し、ドル・円は一時148円95銭まで下落後、149円15銭で戻りが鈍い。ユーロ・ドルは1.0590ドルから1.0610ドルまで上昇した。ポンド・ドルは1.2236ドルから1.2267ドルまで上昇。

【経済指標】
・米・8月コアPCE価格指数:前年比+3.9%(予想:+3.9%、7月:+4.3%←+4.2%)
・米・8月個人所得:前月比+0.4%(予想:+0.4%、7月:+0.2%)
・米・8月個人消費支出(PCE):前月比+0.4%(予想:+0.5%、7月:+0.9%←+0.8%)
・米・8月卸売在庫速報値:前月比―0.1%(予想:-0.2%、7月:-0.2%)
・米・8月前渡商品貿易収支:-843億ドル(予想―914億ドル、-909億ドル←―912億ドル)


◆[NEWS]米9月ミシガン大消費者信頼感指数確報値が予想外に上方修正、ドル買い強まる(29日フィスコ)

2023/09/29(金)23:35

要約(ChatGPT併用)

  • 米・9月ミシガン大学消費者信頼感指数確報値:68.1(予想:67.7、速報値:67.7)、速報値67.7から予想外に上方修正、8月69.5からは低下し6月来の低水準

  • 米・9月ミシガン大学1年期待インフレ率確報値:3.2%(予想:3.2%、速報値:3.1%)、21年1月来で最低

本文ここから

 米9月ミシガン大学消費者信頼感指数確報値は68.1と、速報値67.7から予想外に上方修正された。8月69.5からは低下し6月来の低水準となった。現在景況感は71.4と、69.8から71.4へ予想以上に上方修正され指数を押し上げ。先行景況感は66.0と、66.3から上方修正予想に反し下方修正された。米連邦準備制度理事会(FRB)がインフレ期待指数として注目の1年期待インフレ率確報値が3.2%と、速報値3.1%から予想通り上方修正されたが、21年1月来で最低。また、5-10年期待インフレ率確報値は2.8%と、速報値2.7%から上方修正され21年7月来で最低となった。
 事前に発表された米9月シカゴ購買部協会景気指数は44.1と、8月48.7から予想以上に低下した。
 米10年債利回りは4.51%まで低下後、下げ止まった。
 予想外に上方修正された消費者信頼感指数確報値を受けてドル買いが強まり、ドル・円は148円95銭から149円40銭まで上昇。ユーロ・ドルは1.0610ドルから1.0558ドルまで下落した。ポンド・ドルは1.2266ドルから1.2181ドルまで下落し、日中安値を更新した。

【経済指標】
・米・9月ミシガン大学消費者信頼感指数確報値:68.1(予想:67.7、速報値:67.7)
・米・9月ミシガン大学1年期待インフレ率確報値:3.2%(予想:3.2%、速報値:3.1%)
・米・9月ミシガン大学5-10年期待インフレ率確報値:2.8%(予想:2.8%、速報値:2.7%)
・米・9月シカゴ購買部協会景気指数:44.1(予想:47.6、8月:48.7)